第71話、挿入記述 『 沖縄サンゴ礁 再生プロジェクト 』

 先日、親しくさせて頂いているカクヨムの知人の方と、少々、地球温暖化について言葉を交わした。 のんびりと、好きなウイスキーの特集を繰り広げている現在だが、地球温暖化に関し、今回、以前に参加したプロジェクトについての記述を挿入させて頂こうと思う。

 たまたま、これは沖縄のサンゴに関した話なのだが、確実にむしばまれて行く地球環境に対し、私たち一人一人が出来る、唯一の『 小さな努力 』、SDGsの紹介である。



 沖縄のイメージと言えば…… 青い海と、サンゴ礁。 色とりどりの魚たち……


 実際に、沖縄へ行った事が無い方も、やはり沖縄から連想されるイメージは、サンゴ礁だろう。 青い海の底に広がる、目にも鮮やかなグリーンのサンゴ礁……


 珊瑚さんごは、様々な種類に分けられ、深海で生息する種、光合成を行う種など、全く生態が違うものもある。 あまりにも多種に亘り、かつ複雑なので、サンゴの構造・生態系などの説明は、今回は割愛させて頂こう……


 南洋の島々で見られる真っ白な、白く美しい砂浜は、サンゴの骨格の、細かい欠片が集まっているからである。 砂ではない。

 そのサンゴの『 楽園 』とまで言われた沖縄が、今、壊滅的状況にある現実については、聞いた事はあっても、あまり実感として取られていないようだ……


 地球温暖化が原因と思われる、海水温度の上昇による白化現象。

 オニヒトデの大量発生による食害。

 生活排水・産業排水などによる水質汚染……


 サンゴの死滅現象の原因は、色々と取り沙汰されているが、主な要因は、やはり地球温暖化にある。


 サンゴは、海水温度に敏感であり、生活環境の平均温度が少しでも上昇すると死んでしまう。 『 白化現象 』と呼ばれるもので、グリーンに見える部分の『 』にあたる部分が死に、骨格である石灰質の部分のみが白く残るのだ。


 現在、沖縄のサンゴ礁は、その半数近くが白化し、死んでいる。

 テーブルサンゴ、枝状サンゴ、塊状サンゴetc…

 写真でよく見られる美しいサンゴ礁は、そのほとんどが死滅し、海底は、ただのガレキ状態なのである。 旅行パンフレットなどに掲載されているサンゴ礁は、今や、ほとんど残っていない。 実際に沖縄へ行き、海の中を見てみたら分かるだろう。


 青い海中に、真っ白な海底……


 一瞬、綺麗な海底である、と思われるかもしれない。

 しかし、パンフレットの写真で見たサンゴたちは、影も形も無い。 テーブルサンゴは? 枝状サンゴは? ……どこにも無いのである。


 勿論、スキューバダイビングをするような水深の海… もしくは、沖縄本島よりも更に南西にある島々なら、見る事は出来るだろう。

 しかし、かつては沖縄本島のあちらこちらでも、サンゴ礁は、普通に見られたのである。 今は、限られた場所のみ… それも所々、白化してしまった状態でしか見られなくなってしまった。 これは、そんなに前からの事ではない。 つい、7~8年ほど前からなのである……


 サンゴは、二酸化炭素を体内に取り込み、蓄積する。 その固着量は、森林が固定する量の約2倍もある。 更に、石灰岩となった後も、蓄積した二酸化炭素は、永久に放出される事は無い。 地球上の二酸化炭素の約90%は、石灰岩に閉じ込められている事実を知る人は、おそらく少ないだろう。


 ……そう、サンゴが、地球の温暖化を食い止めていたのである。



 世界的に有名なサンゴ礁は、オーストラリアのグレート・バリア・リーフだが、人が住む地域からは、車で1時間の距離がある。 インド洋のモルディブも、船での移動に頼っている。

 ところが、沖縄の場合、人が生活する場所から数分の所にサンゴ礁がある。 しかも、世界で800種くらいあるサンゴの内、その400種が見られるのだ。

 こんな珍しい、奇跡のような海は、世界中のどこを探しても沖縄以外、無い。


 今後、いかにして現状を食い止めるか…… 死んでしまったサンゴを、どうやって再生するのか、である。


 実は、サンゴは、植物のように『 挿し木 』が可能だ。 …てか、植物だし。 いや、種によっては明らかな『 動物 』と言えるものもあるが……

 サンゴ再生プロジェクトでは、サンゴの小枝を小さなレンガ片に固定し、海底に『 植樹 』しているのだ。 海底に据える実作業は、プロジェクトに参加しているダイバーたちが、ボランティアでやってくれている。


 これにより、今後、劇的に海水温度が上昇しない限り、『 植樹 』したサンゴは、約10年で再生する……!


 沖縄に旅行に行った際( 第40話~47話、参照 )、わずかではあるが、基金への寄付と、実際にプロジェクトに参加して来た。

 参加料( ダイバーの方たちへの謝礼 )を支払い、レンガ片に、小さなサンゴの幼樹( 赤ちゃん )を固定した。 レンガ片の数十枚は、固定しただろうか。 数日後、ダイバーの方たちの手によって、私が『 植樹 』したサンゴは、海底に置かれた……


 沖縄の旅行を終え、戻った自宅のポストには、沖縄サンゴ礁 再生プロジェクトからの封筒があり、お礼の手紙と共に、プロジェクトの参加証明カードが同封されていた。 そのカードの裏面に印字してある緯度・経度……


 『 北緯26度・17時・06分、東経127度・44時・21分 』


 計測してみると、宜野湾市ぎのわんし沖だ。

 私が『 植樹 』した、サンゴの赤ちゃんたちがいる場所である。


 温暖化による海水温度の上昇が緩やかになれば、娘が成人する頃、また美しい奇跡の海が甦る。

 新婚旅行は、沖縄へ行ってもらうか……(笑)



*近況ノートに、プロジェクトの参加証明カードの画像をUP致しました。( 名前

 は消してあります )


 あと、不測の事態に対処する為、海つながりからPADI( 国際的なダイビング

 教育機関 )主宰の、緊急救命士講座も受講しました。 心肺停止からの蘇生法、

 人工呼吸の手順、意識不明者の対処法、AED( 自動体外式除細動器などの高度

 管理医療機器 )の取り扱いなどを学びました。

 画面の右下が、その受講証明カードです。

 何でも、機会があればやってみるものです。 非常に勉強になりました。(笑)



 沖縄サンゴ礁 再生プロジェクトにご興味がある方は、下記を検索して下さいね。

 ↓

 NPO法人『 コーラル沖縄 』


 みんなで、沖縄のサンゴを再生しよう! 地球環境維持に、貢献しよう!

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