第69話、『 ザ・グレン・リベット 12年 』

 ウイスキーを飲み始めた頃から、いつかは手にしてみたいと思っていた銘柄である。

 本場、スコットランドのシングルモルト・ウイスキー……

 文句なしの正統派、その『 一級品 』だ。

 アイラモルトとは一線を画し、モルトバランスの取れた優雅とも言うべきフレグランスな香りが特徴の1本で、ゲール語にて、『 静かな谷 』という意味を持つ。


 実は、1820年代まで、スコットランドで醸造されていたウィスキーは、ほとんどが密造酒だった。 当時から、様々な銘柄の『 グレン 』が存在し、そのいくつかの銘柄は、現在も存在する。

 そんな中、ジョージ・スミス氏の『 グレン・リベット 』蒸留所が、初の英国政府公認の蒸留所となった。

 以来、『 ザ 』を冠に頂く『 ザ・グレン・リベット 』が誕生し、スコットランドのシングルモルト・ウイスキーを代表する銘柄となったのである。


 醸造量の多い、グレン・フィディックが、世界で一番飲まれているスコッチ・ウイスキーになるのだが、ザ・グレン・リベットは、堂々と、第2位の地位を獲得している。 水源が豊かな立地( スペイサイド )に蒸留所がある為、比較的に安定した醸造量があり、供給ルートもしっかりしているので、シングルモルト・ウイスキーとしては、求め安い価格なのも魅力だ。


 味わいは、豪華にしてフルーティー……

 特徴あるバニラの風味の中に、シングルモルトとしての『 誇り 』と言うか… 脈々と受け継がれて来た伝統の醸造技術に裏付けされた、確固たる味わいを感じる事が出来るのだ。 そう… 期待を裏切らない『 静かなる自信 』とでも表現しようか……


 ウイスキーは、人により、好みが違って来る。

 それは、他の酒… 例えば、大衆的な位置付けでもあるビールについても同じ事だとは思うが、ウイスキーに関しては、やはり種類が多いだけに、『 これが1番 』とは決め難いものである。 だが、この『 ザ・グレン・リベット 』だけは、誰をも、静かに唸らせる事が出来る銘柄だと、私は確信する。

 ウイスキーを味わい始めたのなら、いつかは手にすべき1本だろう。



 *近況ノートに、画像をUP致します。

  グラスに注ぐと、独特な『 黄金色 』が際立ち、見ているだけでも心地良く、

  楽しくなります。(笑)

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