第65話、「 お父さん、かき氷機、買ってぇ~……! 」
イキナリ、娘に『 おねだり 』された。
……ナンじゃ、そら?
要は、自宅で、かき氷を食べたいらしい。
娘の『 かき氷好き 』は、幼稚園の頃からだ。 ワケの分からない糖分満載ジュースや、合成甘味料100%の清涼飲料水を飲むよりは良いとは思っていたが( 氷に掛けるシロップは、糖分満載&合成甘味料だが… )、遂に、かき氷機か……
最近、家電売り場でよく見掛けるようになった。
昔ながらの手動式もあるが、歯が、むき出しで危ないらしい。 今は電動式のものが主流で、かき氷の触感も時代と共に変わり、『 ふわとろ 』かき氷が人気なのだそうだ。 娘に、「 はい、あ~んして♡ 」と、一口もらう『 ふわとろ 』かき氷とやらも、子供の頃に食べたそれとは、全然違う。 確かに、ふわっと溶けて行く。
まあ、夏休みも勉強ばかりで、つまらなかっただろうし… 勉強の合間に、手軽に自宅で楽しめるのも良いだろうと思い、シフト休みの本日、近くのモールへ、娘と一緒に出掛けてみた。
……売っている場所が分からん……!
家電売り場の、どこかには置いてあるのだろうが、そんな大きな展示スペースは設けていないのだろう。 ふと見掛ける時も、非常に小さなスペースで展示してあった記憶だし……
家電売り場を徘徊する事、約、数十分。 やっと、見つける事が出来た。
間口80cmくらいの、まさに『 一角 』である。 展示ラックの下段には、保温タイプのステンレスカップが展示してあるし、上段には、ハンディタイプの湯沸かしポットが展示してある。
当の、かき氷機は、4台ほどしか展示されていなかった……
しかし娘は、超、激ワクワク状態である。
「 お父さん、あった、あったよっ! 見て、見てぇっ! 」
ええい、落ち着かんか。 しっかり、目の当たりにしとるわ。 しかも、見つけたのは、お父さんだし。
「 ねえねえっ、どれにするっ? 」
……あのね。 4台しか無いよ? 選択の余地、ナッシングよ?
一番左のモデルは、手回し式のようだ。 1700円。 ……安過ぎるわ。 ハンドルを回した途端、速攻で、ハンドルが折れるんじゃね? 樹脂製だし……
その隣のは、充電式。 二次電池はリチウムイオン電池なので、廃棄する場合、所定の場所か、業者に委託する事となり、面倒だ……( 産廃の仕事をしている為、こういう所に、考えが及ぶ )
その隣と、一番右のモデルは色違いらしい。
だが、プライスカードを見ると価格が違う。 おそらく、どこかの仕様に違いがあるのだろうが、見た目は一緒で、まるで間違い探しのようだ。 掲示してある商品カードを見ても、細かい仕様までは表示していないので分からない。
「 ……あやちゃん、コレ、どこが違うんだろうね? 」
「 色 」
……ナメとんのか、お前。 見れば、分かるわ。
「 値段が違うだろ? ドコかに、違いがあるんだよ 」
「 高い方が高級なんだよ、きっと! 」
「 …… 」
聞いたお父さんが、悪かったな。 もう、期待するのはヤメよう。
「 あれ? お父さん、コッチのやつ… コードが無いよ? 手で回すんだね! 」
……ハンドル、見当たりませんけど?
どうやら電気式と、電池式の違いらしい。
娘の『 発見 』は正解だ。 しかし、理解が不正解である。
う~む… 大丈夫か? ウチの娘……
コードがある電気式は、コンセントがある所でしか使用出来ないが、電池式ならドコでも使える。 今年は、バンガローキャンプには行っていないが、屋外でも使えた方が便利そうだ。 電池式の方に決め、購入した。
さて、やってみよう。
娘は、既にワクワク状態である。 早速、ガラス製の器を用意し、言った。
「 ねえねえ、早く食べようよぉ~! 」
……せめて、箱から出さんか、コラ。 全て、準備はヒトに任せ、お前さんは食べるだけかいっ!
予想はしていたが、もう諦めた。
何々…? 電池は、単3が3本か…… ほほう、てっきり単1かと思っていたが、単3などで稼働するのか、コイツは。 ちゃんと削れるんだろうな……?
本体の中を、軽く水拭きし、電池を入れる。 氷は、コンビニなどで売っているバラ氷で良いようだ。 これは、ドコでも買えるし、便利である。
氷を削る状態も、セット出来るようだ。 今、流行りの『 ふわとろ 』にセット。
さて、スイッチ・オン!
おおう……! 結構、細かな『 かき氷 』が、器に出て来た。
娘が、狂喜乱舞して言った。
「 すごい、すごい! かき氷が、出て来るぅ~! 」
……そりゃ、出て来るだろう。 もし、ただの『 水 』が出て来たら、ソッコーで返品だわ。
意外に『 良さげ 』な、かき氷が出て来る。 コレは、中々に良いかも……!
結果、娘が期待していた『 ふわとろ 』かき氷が出来た。 用意しておいたシロップをかけ、出来上がり。 使用した氷も純粋氷なので、本体を洗う必要も無い。 水を切って乾かすだけなので、後始末も簡単だ。 これで、3800円とは、安い買い物である。
まだまだ、暑い残暑が続く。
勉強の合間、楽しい『 制作時間 』となりそうだ。(笑)
*近況ノートに、画像をUP致しました。
写真では、『 ふわとろ 』状態は確認出来ませんが、食感は中々のものです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます