第46話、八重山諸島 旅行記『 竹富島 』編
八重山諸島旅行記、最後の紹介は『 竹富島 』にしようかと思う。
離島ツアーの拠点、石垣島からは一番近い小さな島で、連絡船は、ほぼ30分おきに就航している。 石垣港から竹富港までの所要時間は、わずか20分。
当然にして、観光客は多い。 ここもまた、訪れるのであれば、観光客が多い事を視野に入れ、ある意味、冷静なるプランを立てて頂く事をお勧めする。
では、妻・娘を連れだった離島周遊旅行の行動を例にとり、綴って行こうと思う。
この日も、朝から晴天に恵まれ、3月なのに真夏を思わすような日差しの中、ホテルから離島ターミナルへと向かった。
ビーチサンダルに短パン、Tシャツ……
軽装で歩き回れるのは、離島周遊ならでは。 開放感が、心地良い。
離島周遊も3日目となり、娘も随分と慣れて来たようだ。 先頭を切って離島ターミナルのチケットカウンターへと歩いて行く。 まるで、地元民だ……(笑)
各島々への乗船チケットには、3日間の有効期限が付いた『 定期券 』みたいなものもある。 社員旅行の際は購入したが、今回、初めての周遊にてアクシデントも考えられた為、毎回、カウンターで購入する事にしていた。
行先の港名と、出航時間を告げてチケットを購入するのが楽しいのか、毎回のチケット購入は、娘の『 業務 』となっていた。 毎朝、同じカウンターに行くので、受付の姉様とは顔なじみとなり、到着予定の港の見取りや、島の情報などを教えてくれて、随分と助かった。
さて、竹富港までの乗船時間20分は、あっという間である。 すぐに、竹富港( 正確には竹富東港 )に到着。
この竹富島内での移動は、レンタサイクルが一番だ。
小さな島なので、地図で確認すると、徒歩での強行軍も可能のように思えるが、実際はかなり疲れる。 私は、社員旅行の時に『 地獄 』を経験済みなので、もう二度と、徒歩では行動しない。(笑)
ここでも、数日前から予約を入れておくと、港の駐車場に迎えに来ているショップのマイクロバスに乗れる。
由布島にあったような水牛車に乗り、三線による民謡を聴きながら、昔ながらの石組みの垣根に囲まれた部落内を観光して廻るのが人気だが、本日は離島周遊最終日。 13時には、離島ターミナルのバス停からバスに乗り、新石垣空港へ行かなくては、帰りの飛行機に間に合わない。 社員旅行の時は乗ったが、妻と娘も、水牛車は由布島で乗った事だし、此度の旅行では割愛。 自転車を借り、ビーチへと向かった。
…ある意味、これも『 作戦 』である。
つまり、島に渡った観光客は、まず水牛車に乗る。 観光業者も、それを勧めるし…… そして、水牛車観光をした後、自転車をレンタルし、ビーチへ行く。 大人数の観光客が、同じ観光ルートを辿る訳で、当然、ドコに行っても、観光客で溢れている事になる。
これを、逆手に取るのだ。
先に自転車をレンタルすれば、混雑していないので借り易い。( 特に、娘が乗る子供用サイズの自転車は、台数も少ない )
皆と違うタイミングで行動する為、ビーチへ行けば、誰も観光客がいないビーチを堪能出来る。 更にはその後、空いた水牛車に、貸し切り状態で乗れる訳である。
観光は、ちょっとした頭脳プレーを駆使すると、とても快適な景勝地巡りが出来る。(笑)
自転車をレンタルし、早速、出発。
石組みの垣根に、琉球赤瓦の民家、屋根に乗ったシーサー……
観光ガイドか、旅行パンフレットにあるような部落の佇まいを見ながら、自転車で廻る。
う~む… まさか親子3人、南の島で自転車に乗って走り廻る機会が得られるとは……! 夢にも思っていなかった。 しかもここは、沖縄よりも遥か南の果ての島、『 竹富島 』なのである。 実に、爽快な気分だ。
15分ほどで、『 西桟橋 』に着いた。
かつて栄えた漁師港の名残で、朽ちたコンクリート製の桟橋が、紺碧の空とエメラルドグリーンの海に向かって、一直線に伸びている。 よくTVCMの撮影場所になる名所である。
『 作戦 』が功を奏し、誰一人としていない……
桟橋脇には、小さな熱帯魚たちが群れ、熱帯魚フリークの妻は終始、座り込んで眺めていた。 娘は… イキナリ『 女優気分 』になり、妙にカッコ付けたポーズで、桟橋上にて写真を撮れと、せがむ。 観光ポスターにも使えそうな、メッチャ綺麗な写真が撮れたが、年齢も上がって来た事だし、モロ顔出しの画像は、掲載を控えようか……
しばらくは、桟橋付近にて散策を楽しんだ。
次は、西桟橋からすぐ南にある『 コンドイビーチ 』である。
再び、自転車で移動。
八重山諸島に来たら、竹富島にあるこのビーチを訪れないと、離島観光をした意味は無いだろう……! 綺麗なビーチは、それこそ幾つもあるが、このコンドイビーチは別格である。 八重山諸島が誇る、有数の美しいビーチだ。
干潮時には、100mほどの沖合に、真っ白な砂州が出現する。 ここも、ブライダルショップのカタログ等の撮影に使われる名所である。 前記した、西表島と鳩間島の間にある幻の島『 バラス島 』も有名だが、チャーター船で行くバラス島に比べ、こちらは水着にさえ着替えれば、徒歩で行ける( 渡れる )。
以前に訪れた社員旅行の時は干潮で、沖合の砂洲も見えたのだが、短パンではなくジーンズだったので渡れなかった。 今回は期待し、短パンを履いて来たが、残念ながら今の季節は満潮。 今回も、水着無しでは渡れなかった……
しかし、ビーチの美しさは、思わず息を飲むほどで、眺めているだけでも時を忘れてしまいそうである。 非常に、波が穏やかなビーチであり、鏡にように平らなエメラルドグリーンの海原が遥か彼方まで続き、とにかく美しい……!
ちなみに、このビーチにはシャワー設備がある。 泳ぎたい方には是非、水着持参で訪れて頂く事をお勧めする。 しばし、誰もいないビーチを、私たち親子3人は貸し切り状態で堪能した。
( 満潮・干潮の時間は、季節によって変わります。 レンタサイクルの各ショップでは、掲示板などに貼り出してある店舗もあるし、旅行前にでも、電話で尋ねると親切に答えてくれるので、ご参考に。 ただ、移動時間は、それなりに掛かります。 ビーチには、予定通りに到着出来ない事も多々あるので、計画は余裕を持った方が賢明でしょう )
自転車を駆り、海岸沿いを、北東方面へ移動。
ほどなく美崎海岸へ。
途中、『 ハイカー 』たちに、何人も出会った。 以前の私のように、「 行けるんじゃね? 」と言う軽い判断で、徒歩による観光を始めてしまった人たちである。
照りつける日差しの中、首に巻いたタオルで額の汗を拭いつつ、皆、無口で下を向きながら黙々と歩いている……
心中、お察し申し上げます。 私もヤリましたから……
美崎海岸は、星砂伝説が残る有名な海岸である。
海の神の怒りに触れてしまい、しもべであった海蛇に食べられてしまった海の女神の子供たち……
その骨( 星砂 )が流れ着いた最初の海岸、とされている。
満潮だった為に、岸壁まで潮が満ちて来ており、岩場を散策する事は叶わなかったが、大小、様々なの岩が海面から露出しており、大変に景観の美しい海岸だ。
小さな魚たちが沢山、波間に遊泳していた。
自転車にて、竹富港へ。
この間の距離は短く、以前は徒歩で強行した。 今回は親子3人、南の島にて自転車を駆り、南風を切って疾走する。 楽しい……!
竹富島は観光客が多い事もあり、小規模ではあるが、都会的に洗練されたお洒落なコテージなども点在する。 今度は、宿泊も視野に入れ、ゆっくりと時間を過ごしてみるのも良いかもしれない。
大きなリゾートホテルが林立する石垣島から、連絡船にて、わずが20分。
美しいビーチに、琉球瓦屋根の民家と、琉球石灰岩の垣根、牛車……
竹富島は、これぞ沖縄、と言わしめる八重山諸島No.1のリゾート地だ。 是非、一度は訪れて頂きたい。
しかし、竹富島に関わらず、全ての観光地に対して言える事ではあるのだが、天気によってその景観の良し悪しは変わる。 八重山諸島については、美しい海が全てだけに、非常に重要なファクターとなろう。
訪れる全ての人に、『 奇跡の景観 』が見れますように……
( 近況ノートに、コンドイビーチへの、入口の画像を掲載致しました。
木立を抜けた先にあるビーチだけに、目にした時の感激はひとしおです。
「 え、ウソ…!? 何、この綺麗なビーチ……! 」と言う感動で、
ワクワク感が一杯になります。
……ちなみに、『 色気無く 』突っ立っているのは娘です。
地元の子供かと思えるような、無警戒ポーズ。(笑) )
→番外編へと続く
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