第8話

  翌日、席に着いて壮馬と話していると有栖がびくびくしながらドアの端に隠れているのが見えた。

 近付こうにも学年全体の人気者なだけあって一瞬で人集りが出来てしまい近付けない。


「有栖ちゃん、一組に何か用!?」

「可愛いなあ!よーしよし」

「あ、あの……」


  伝えに来た内容が内容という事もあり、今の有栖にいつものような元気はない。

 どうにか助け舟を出してあげたい所だが、正直有栖の囲いだらけの中に俺から話しかけに行くのは自殺行為だろう。悪い、一人でなんとかしてくれ。


「ん?翔吾、宮本となんかあったの?」

「いんやなんもないけど」

「そっか」

「ただ挨拶でもしとこうかなって思ったんだけど、あの人集りじゃ無理そうだな」

「そっか、でも日曜が楽しみだな!オレこの川遊びが終わったら宮本に告白するんだ」

「おいそれ死亡フラグだぞ、 、ってはあ!?」

「別に驚く事でもなくね?」

「まあそうだけど、なんでまた唐突に?」

「それはな……それはだな……」


  それは……なんだ、はやく言えよ。


「え?稲畑に用事があって来た!?どういう関係なの?まあ、そんな事あたしらが聞くのも無粋だよね。稲畑ー!有栖ちゃん呼んでるよーごゆっくりー」

「おう!壮馬悪い、また後で聞かせてくれ」


  はぁ……壮馬がいつまでも言わないせいで聞きそびれた。


「にしてもなんで稲畑なんだろーねーww」


  うっせーよ。助けなくても人気者に関わるだけで弾は飛んでくるんだな。


「ごめん遅くなっちゃって、その……比嘉くんを調教していいって話どうしようかなって!」


  調教まで許可した覚えないんだが……まあ有栖が楽しそうにしてるし、調教くらい壮馬も許してくれるだろう。うん、うん。


「その話なんだけど今日壮馬の家で遊ぶ事になっててさ。そこで宮本も来てくれたら上手くいくんじゃないかと」

「二人で遊ぶ約束してたのにわたしがお邪魔したら悪いんじゃ……?」

「調教しようとしてる奴が失礼とか言っても説得力ないぞ。俺は問題ないし壮馬も大歓迎だと思う、何されるかさえ言わなければ」

「じゃあ、お邪魔しようかな」

「じゃあまた後でな、学校終わったら迎えに行くから」


  そう言って有栖と別れクラスに戻るとジト目の美夜と壮馬に質問攻めにされた。


「なんで?なんで最近私の事を放置して有栖ちゃんといつも一緒に居るの?変態……浮気、ばか」

「お前最近いつも宮本と居ないか?まさかお前も宮本の魅力に魅了されてたり……?」


  むしろ逆だわ、見たくないところ見させられて散々だよ。


「美夜には申しわけないけど壮馬、お前の為にやってんだからな?」

「あー、まだ手伝ってくれてたのか!疑ってごめんな!引き続き頑張ってくださいアニキ!」


  そんなに綺麗に手のひら返されると驚く。

自分の意思をもう少し強く持ってもろて。


「それなら私も手伝うんだけどな、少しでも翔吾と居たいし……」

「ありがとな、でも詳しくは言えないんだが、俺一人の方が気が楽でいいらしいんだよ」

「そうなんだ……じゃあ終わったら、いっぱい遊ぼうね!頑張ってね!」


  脳内が可愛いに占拠された。

 終わったら絶対、色んなとこ連れてってやるからな!嫌って言う程連れ回すからな!忘れるなよ!


  美夜に、あ、あと壮馬にも応援してもらったんだしなんとか上手くいかせないとな!


「やっと終わった……」

 と言っても、今日の授業は永遠に美夜の頑張ってね!ボイスが脳内で永久再生されて頭がぴょんぴょん、脳内麻薬ドバドバで全く苦痛ではなかった。

 だがもう少しで表情筋がとろんとろんに溶けちまう所だったわ。


「翔吾、このままうち来る?」

「んー、ちょっと用事あるから先行ってて」


  りょ!と敬礼ポーズからのクランチングスタートでさっそうと帰って行った。と思ったら教師に止められて叱られていた。ばかだなあ。


「壮馬くんの家行くの?」


  聞き慣れたふわふわした声が耳に入ってくる。


「そうそう宮本も誘って、もう帰るとこか?」

「うん、でも壮馬くんの為って分かってるけど私だけ仲間はずれにされてる感じしてちょっと嫌だな……」


  確かにここの所有栖の件に付きっきりで、美夜とは休み時間に少し話す程度でしかない。もう美夜も高校生だから大丈夫だと思っていたが、思い返せば美夜がそう思うのも当然の扱いだった。


  有栖の事は言えないもののこれからも隠し続けると思うと胸が痛む。なんとか方法を考えないと美夜に悲しい思いをさせ続ける事になる、それだけは絶対に嫌だ。俺が笑って美夜が泣くなんて、そんなの昔の約束と真逆じゃないか。そう思うと既にもう口に出してしまっていた。


「じゃあさ!美夜も一緒に行こう!」

「でも私が居たら邪魔になっちゃうんでしょ?」

「邪魔なわけないじゃんか!始めてファミレスで二人を合わせた時も水着を選んだ時も一緒だっただろ?大丈夫だって!」

「じゃあ、なんで有栖ちゃんと二人でその……コソコソしてたの?」

「あ、あれは宮本が言わないで欲しいって言うからだ!」

「変な事はしてないんだよね?」

「当たり前だろ!」


  あ、有栖が一方的に変な事してるだけで俺はしてないもんな?な?


「ちょっと怪しいけど信じるね。翔吾が嘘付いてたら分かるもん」


  ふぅ…とりあえず誰も傷付けずに和解できたけど、話してたら遅くなっちゃったな。有栖きっと怒ってるだろうなあ。


「美夜、宮本の所まで走るぞ。と言っても隣のクラスだが」

「わたしがどうかしたのかな?あんまり待たせるから来ちゃった!」


  これはもしかして怒ってらっしゃる……?

 恐る恐る目をやると少し眉尻がぴくぴくしていらっしゃる。こういう時はとりあえず壮馬に協力している事は隠して事情を説明して……そうすればきっと、有栖も分かってくれるはずだ。


「ふーん、それならしょうがないね!じゃあ三人で行こっか」


  少し考える素振りを見せたものの、これから壮馬の家に行くので機嫌がいいのかすぐに許してくれた。



「いいか?俺が対応するから二人は壮馬以外が出ても大人しくしてろよ」


  なぜこんな状況になったかと言うと。


「確か、この辺だったな」


  壮馬に貰った手描きの地図を頼りに家を探し歩いていると、とてつもない豪邸に辿り着いてしまったのだ。


「このお家凄く大きいね?」

「壮馬ってこんな所に住んでたんだな……」

「わたしちょっと怖くなってきたかも……」

「ああ、俺も内心かなりびびってる」


  という事があり、俺達はとてつもない緊張に襲われていた。だいたい高校生がこんなとこ住んでるなんて……ボンボンならただでさえ金欠の俺に高いパフェ奢らせんなよ!ふざけんな!

 でも、もしえっちなメイドさんとか出てきたらどうしよう!といいつつ期待してる俺がいる。


「よし、迷ってても仕方ないしそろそろ押すぞ……」


  稲畑翔吾、いざ参る……!

 指先がインターホンに触れる、その刹那。


「あれ?翔吾達何してんの?」

「え?お前、先に家帰ったんじゃ?」

「それが帰るなりアイス買って来いって言われてさ。で、帰ってきたら違う家のインターホン鳴らそうとしてるもんだから」

「ここ壮馬の家じゃないの!?」

「こんな豪邸がオレん家なわけないじゃん?一周回ってこの家がオレの家じゃない事に驚いてるしばかだなー」


  よくよく考えればそうだが信じちゃってた自分が恥ずかしい。とりあえず押す前に会えてよかった!


「オレん家はこの家のと・な・り。ここ最初はだだっ広い空き地だったんだけど最近になって人が越してきたんだよ。都会じゃないけどこんなでかい家建てるとかどんだけ金持ちなんだってな」

「てか美夜ちゃんと宮本も居たんだ!楽しくなりそうだ!入ってくれ」


  壮馬の話を聞きながら壮馬の家に足を踏み入れる。


「あ、うん!お邪魔します!」

「お邪魔しまーす」

「てか翔吾はなんでさっきから反応ないの?」

「あ、悪い。頭の処理が追いつかなくて……でも壮馬の家も結構大きいんだな」


  さっきの豪邸と比べるとあれだが俺の家と比べてもわりと大きいし、内装もオシャレだった。


「詠ー、アイス買ってきたからここ置いとくぞ」

「妹さん?」

「ん、まあ……そんなとこかな」


  ん?壮馬の妹も詠って言うのか、確かいじめが原因で学校に行けてないんだよな?何度か会話に出てきた事はあるが名前までは知らなかった。


「にしても妹にパシられてるって兄貴として大丈夫か?」

「可愛いからつい言う事聞いてあげたくなるんだよ。パシられたんじゃないからな、お願いされたんだ」

「にしては返事がないけど」

「人見知りだから家族じゃない人が居たら喋りずらいんだよ」


  そんなもんか、美夜も引きこもってた時期は宅配便すら出なかったし。

  壮馬の妹ってことはきっといい子なんだろう。 いつか会ってみたいな。


「じゃあオレの部屋ここだから!飲み物とか持ってくるね」


  有栖が自分の部屋に来た事が嬉しいのかいつもよりハイテンションでさっそうと下へ降りて行った。


「あ、あ……」


 何か言いたげな顔で露骨にもじもじし始める有栖。


「有栖ちゃんどうした?」

「トイレなら早めに行った方がいいぞ?」

「違うよ!あ、やっぱいってきます……」

「変なの?」


  全くだ。有栖が部屋を出て数十秒後にピコンとズボンのポケットからやや大きめな通知音が響く。


「悪い、ちょっと見ていいか?」

「どうぞ」


 有栖[言うタイミングなかったけど美夜ちゃん居たら壮馬くんいじめられない]

 翔吾[あーだねー。だからか]

 有栖[だねーじゃないよ!どうしよう!?]

 翔吾[いや、さすがに今回は諦めるしかないんじゃないかなぁ……]

 有栖[それが直そうと思ってずっと妄想するのも我慢してたから比嘉くんでハッスルしないと勝手にスイッチ入っちゃうかもしれないの!]

 翔吾[ハッスル!?じゃあ俺がなんとか壮馬と二人になれるよう頑張るからそろそろ戻ってきてくれ]

 有栖[わかった、ありがと!]


「「ただいま」」

「おかえり、二人とも一緒だったんだね」

「うん、たまたま階段のとこであってね」

「じゃあ四人揃った事だしゲームでもしようぜ」

「なら、定番かもしれないけど王様ゲームなんてどうだ?」

「いいね楽しそう」

「わたしも賛成」


  よし!これなら俺が王様になった場合確実にとは言えないが合法的に有栖に壮馬を調教させることができる。さらに有栖が王様になった場合、俺と美夜に席を外させれば二人きりになれる。

 なんて完璧な作戦なんだ、俺って意外と策士だなあ!


「じゃあ、みんないっせいに引けよ?せーのっ」

「ちっ、逃したか!」

「私もダメだー」

「うわぁぁぁ外れたーー!」

「二人ともそんな全力で引かなくてもチャンスはまだあるからね……」


  王様ゲーム程度に全力で一喜一憂する様から皆がどれだけこのゲームに賭けているかが伝わってくる。


「てことはオレが王様か、ラッキー」


  基本的には俺と有栖以外当たりを引いても関係ない。


「じゃあー、一番と三番がポッキーゲー……やっぱ辞めたオレと三番がポッキーゲーム」


  と思ってたらいきなりトンデモないのぶち込んできやがった。

  王様ゲームでのポッキーゲーム。女の子とワンチャンキスできるかもと淡い期待を胸に発言するものの、大抵少数のはずの男と当たって自爆するのがオチだ。

 この場合一人は壮馬で確定しているものの美夜とポッキーゲームをさせるのは断じて容認できない、そして一番いけないのが三番が俺であるという事だ。

 有栖としたいのは分かるがリスキー過ぎるし欲望に忠実過ぎる。


「あれ?三番いないの?」

「…れだよ……俺だよ……」


  泣きたい。ていうか泣いた。だから許して!


「うげ!翔吾かよ……まあ言ったからには仕方ないな……」

「ねぇ……絶対おかしいよ……こんな事もうやめよ……?」


  女子二人も盛り上がってるし、なんなのこれ。

 王様ゲームなんて提案するんじゃなかったわ!ちくせう!


「は、早く咥えろよ……」

「んん……待って……もう許ひてよ……」


  ちょっとそこの二人スマホ向けるな!腐女子がっ!

 てかこれ、字面だけ見たらアウトなんじゃ……。


「待たない」


  というか、なんでこいつは嫌がらないんだよ!乙女ゲーの男キャラみたいな事いいやがって!

 そんな事を考えている間も一口、また一口と壮馬の顔が近付いてくる。

  やだ、顔近い!無理!恥ずかしいからって目瞑るな!

 そうだ、噛み切っちゃえばいいじゃないか!


「はぁー……んっん……!?んんんんんん!?」


  ポッキーを噛み切ろうと思いっきし顎を動かすと、壮馬も同じ考えだったらしく、急激に距離が近付き唇が触れ合ってしまう。


「バッチリ撮れました、やったね」

「あ、美夜ちゃん。それ後でわたしにも頂戴っ!」

「今すぐ消せぇぇぇえ!最悪だよ……もうお嫁に行けない」

「私が貰ってあげるから大丈夫だよ」

「そんな嫌がられると傷付くなあ……気にすんな、今のは相手が男だったからファーストキスじゃない、ノーカンだノーカン」

「んな事気にしてないし……って気にするわぁぁ!」

「まあまあ気を取り直して二回戦しようよ」

「もう俺やりたくないんだけど……抜けていいかな……」

「発案者頑張れー」


  正直もう二度とごめんだけど今回だけは仕方ないから最後まで付き合ってあげるんだから感謝しなさいよね!


「「「「せーのっ」」」」

「あ、今度は私が当たりだやったぁ」

「ちくしょう!」

「じゃあ二番が王様ゲーム終わるまで私に膝枕して貰う」

「あ、俺だ」

「どう?気持ちい?」

「あ、うん最高」


  初めて王様ゲーム提案して良かったって思えたかも。膝枕ってこんな気持ちいいんだな、美夜の体温が直に伝わってきてすげードキドキするしいい匂いもする。壮馬との事も美夜で上書きして早く忘れよう。


  その後も王様ゲームは白熱した。


「「「「せーのっ」」」」

「ぃやったぁぁぁぁぁぁ!」


  ようやく当たりの棒を引き当てる事ができた。


「そんなにしてもらいたい事あったの?言ったらしてあげるのに」

「で、命令はどうすんの?」


  合法的に壮馬を有栖に調教させるには美夜、壮馬、有栖の三人のそれぞれの番号を把握する必要がある。

 一歩間違えれば美夜や有栖が調教されかねない為、慎重に推理しなければならない。犠牲は壮馬一人で充分だ。


  だが自分で言うのもなんだが、俺は自称名探偵と言われるくらいには推理力に長けている。

 考えろ、失敗は許されないぞ稲畑翔吾……!

  みんな番号教えて?なんて聞くわけにもいかないので、まずは手がかりになるモノを探さなくてはならない。


「どうしたの?言わないの?」

「すまん、みんなの番号を推理する為に集中モードに入るから待ってくれ」

「推理なんかしなくても見せてあげるよ、はい三番」

「あ、ちょ!美夜ちゃん見せちゃダメだってー!」


  ナイスだ美夜ッ!これで三番は除外。一番と二番のどちらかを探るだけになった。ん?有栖は何してるんだ?


(わたしは二番だよー!)


  こそこそ机の下で割り箸を揺らして番号をチラつかせている。答えが自ら近付いてくる、これが稲畑クオリティ!


「ハッハッハッハ」

「笑うのもいいけどそろそろ言おうぜ?進まないし」

「俺は一つ重大な事実を見落として居たみたいだ、宮本有栖が俺の仲間だと言うことを!」

「宮本が翔吾の仲間?」

「全てのヒント(というか答え)が出揃った今、満を持して命令を下す。二番は一番を調教しろ」


 ——ドンっ!


「詠がうるさいってよ」

「悪い、少し調子に乗った」

「え、でもわたしが比嘉くんをちょ、調教って……?」


  有栖迫真の演技!有栖にはこの状況になるのを想定してあえて白々しい態度を取るように言っておいたのだ。


「翔吾そんな趣味あったんだ……しかもいじめる側でもいじめられる側でもなく、それを傍観するなんて……それはさすがに私も付いていけないかな」

「お前!宮本に何させようとしてんだよ!」


  壮大な勘違いをされてしまったがそれも計算のうちだ。そう、俺が罪を全て被る事によって全てを俺の性癖のせいにし、有栖の純粋無垢な設定を守り抜く秘奥義。


「SHOGO・オブ・ジ・エンド」


 俺の屍を越えてゆけ……。


「いいから宮本は早く壮馬を調教してくれ」

「じゃあ比嘉くん痛くしないから大人しく言う事聞いてね」

「み、宮本!?様子が変だぞ……ッ?!」

「そう?やるからには一生懸命やんないとっ!」

「とりあえず、この光景を美夜に見せるわけには行かないのでビデオカメラ置いて俺達は買い物でも行ってくるわ。楽しめよ!」

「翔吾……てめぇ許さねぇ……いやぁぁぁああ!」


  家を出た後も壮馬の悲鳴は暫く聞こえていた。


  一時間後、買い物を終えて壮馬の家に帰って靴を脱ぐとなんだか不穏な空気が立ち込めている。


「ただいまー」

「ほら、稲畑くん達帰ってきたんだから挨拶しなさい」

「ワンっ!」

「ちんちん」

「あうおうおうおうおう」

「それはオットセイ」

「わうわうわう」

「はーい、よく出来ましたー偉い偉い」


 は……何これ?いやここまでセッティングしたの俺だけど一時間で完堕ちしてるとか聞いてないんですけど……とにかく止めないとまずい!


「とりあえずストップ!そこまでー!終了!」

「はぁ……助かったけど生きてる心地がしない」

「ごめんね比嘉くん。たくさん酷い事して」

「気にしないでくれ……全部悪いのはあいつだ……」


  お願いだからそんな顔でこっちを見ないでくれ……。

 確かに発案者は俺だがフィクサーが居るんだよ。何よりここまでとは聞いていない。

 結果的に壮馬の為になるとはいえめちゃくちゃ悪い事しちまったなあ……。


「壮馬くん泣かないで、私の膝で泣いていいよ」

「泣いていいのかダメなのか分かんないけどありがとね美夜ちゃん」


  美夜の膝で壮馬のハートが回復した所で。


「暗くなってきたし帰りますか」

「それじゃ、お邪魔しました。また来るね」

「比嘉くん本当にごめんね」

「……ごめんな」

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