第4話

受付に着いた俺たちは係の人に受験票を提示した。

「これを」

「はい。1592番ですねAエリアの試験会場へどうぞ」

係の人が差した方向へと足を進める。

「一応言っておくが、‘‘異能‘‘は使うなよ」

「わかっております」

(こくっ)

「わかってるならいい」

あれは学生の範疇を超えた力だからな。

ちなみに、シュラはなぜ返事をしないのかというと、シュラの異能は直接的な攻撃系ではないからだ。

そうこうしているうちに試験会場が見えてきた。

試験内容を要約するとこうだ。

・受験生は的、または人形どちらかを選び攻撃する。

・違いは攻撃方法が魔法か物理かと言う事。

・その威力や速度などを加味して点数をつける

ちなみに、俺とシリア、シュラは物理、ミルは魔法を使う。

べつにもう一方が使えないというわけでもないが、どちらかだけなので俺たちは、それぞれ得意な方にした。というわけだ。

しばらく待つと俺の受験番号が呼ばれ位置に着いた。

「1592番用意は良いですか?」

「あぁ。いつでもいい」

「では、はじめ」

その合図とともに俺は腰にあるマジックボックスから得物である刀:赦紅を取り出した。

マジックボックスはそのものを大きさ以上のものを収納することのできる便利なアイテムだ。

余談だが、分け合って俺のアイテムボックスはその中でも容量が無限という国宝級のものである。

そうとは知らず試験官はちょっとしたアイテムボックスだと思い何も言わない。まぁその方が都合がいいから教えないが…。

そのまま人形まで行き流れるような動作で赦紅を一閃し、人形を切り落とす。

すると、なぜか試験官は信じられないものを見ているみたいな顔をする。どうした?

「う、うそでしょ。あれミスリルで出来てるのよ!?」

試験管は大いに混乱し、やがて落ち着きお取り戻した。

「あなた、試験合格よ…」

は?

「どういうことだ」

まだ採点結果を集計もしてないだろ。

「ありえない話だけど、ミスリルで出来たあっちの的かこの人形を破壊することが出来た人は即試験合格になるのよ。だって、そうでしょ。それが出来るほどの逸材を入学させないなんて学院にとって大きな損失よ」

「そういうもんか?」

よくわからんが、まぁ試験合格ならそれでいっか。

「これを、受付にもっていって…」

そう言い、一枚の紙きれを渡してくる。

「わかった」

こうして俺の試験は無事に終わった。

ちなみにシリア、ミル、シュラの3人も同じく的or人形破壊で一発合格になった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る