第3話
2週間後…
~リュカ王国立魔導学院校門前~
「…でかいな」
「そうですね」
(こくっ)
「そうだな」
試験日になり、学院に来てみると無駄にでかい校舎がいくつも見える。その向こうに王城も見えるけど大きさは同じ…いや、こっちのほうがでかいか?王城よりでかい学校って…。
「しかし、聞いてた通りすごい人だな…」
「はい。ここの卒業生というだけで貴族並みの地位に就けますから」
「私も噂で聞いたのだが、ここを卒業することが上級騎士の条件だとか…」
確かにこれだけの人の中から100人前後しか通う事が出来ないとなると納得だな。
「受付に行くぞ」
「「はい」」
(こくっ)
そう言い校門をくぐる。
「お前ら。どこから来たんだ?」
ふと、赤髪の男が話しかけてきた。
男は見るからに元気そうな見た目で身長は180を超えているだろう。その手には俺たちと同じ受験生を示す受験票が。
「なんだ、急に。それにまずは自分から。だろ」
「おおっ。わりぃ、わりぃ。俺はヴェイゼル、南のクダっつう小さな村出身だ」
その言葉に謝罪の意思を見せ名乗る男、いやヴェイゼル。
「…俺は黒煉。国の国境付近にある龍谷に住んでいる」
「私はしリアです。同じく龍谷に住んでいます」
(ミル。同じく龍谷)
「シュラだ。私も龍谷だな」
その言葉に大いに驚くヴェイゼル。
「なっ。お前ら龍谷に住んでいるのか!?」
「あぁ。そうだが。」
すると、周りも騒がしくなる。なんでだ?
「主様。知らないかもしれませんがあそこは特級危険地帯に指定されており、そんな場所に住んでいると公言したのでこの反応は当然かと」
シリアが小声で言ってくる。あそこ、そんなに危険か?
めんどくさいので、少し情報を変えるか。
「勘違いしてるのかもしれないが、俺たちが住んでいるのは龍谷の付近だ。そこまでは魔物も来ないからな」
「な、なーんだ。そうならそうと早く言えよ」
だんだんと落ち着きを取り戻してきたヴェイゼル。周りもそれを聞き興味がなくなったかのようにその場から散っていく。
「しかし、なんでまたお前の親はそこに住もうと思ったんだ?」
その言葉に動きを止まる。
「俺に聞かれても知らん」
そう答えるのが精一杯だった。
「それもそうか。じゃあ、俺は受付に行ってくる。お互い頑張ろうぜ!」
「あぁ。受かったのなら学友としてよろしく頼む」
「いいぜっ!」
そう言い走り去っていくヴェイゼル。
「主様。大丈夫ですか。」
さっきの事だろう。心配して駆け寄ってくる3人。
「あぁ。問題ない。それより、俺たちも行くぞ」
俺の顔を見て安堵する3人。
「「はい!」」
(こくっ)
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