第2話 新たなる仲間

『正田さん、あまりかっこよく

 ありませんので、次からは、

 もう少し落ち着いてお願いし

 ますよ。』

勘太郎、あくまでも寛大。

もちろん、元から怒ってなどいない。

勘太郎達3人、正田の案内で、茨城県警察境警察署に行くことにした。

警察署の玄関では、署長以下全職員が整列しての大騒動。

事の次第がわからない職員達は、不満だらけ。

『忙しいのに、何事ですか。』

そこに、覆面パトカーを先頭に、佐武のレンタカーと白黒パトカーが数台の車列が入ってきた。

先頭の覆面パトカーから正田警部が飛び下りて、カローラのレンタカーの横で、最敬礼をしながら、後部座席のドアをうやうやしく開けた。

その姿を見た署長以下幹部職員達が、正田警部の後ろで最敬礼をしている。

『警察庁刑事局長真鍋警視正閣

 下であらせられますか。』

署長のしゃっちょこばった様子に、全職員が、とんでもない大物が来たのだと理解はできた。

『署長より、かなり偉い人って

 ことは、わかりましたけど、

 どれくらい上の方なんで

 すか。』

呑気なことを訊いている女子事務員もいる。

『日本の警察官の中で上から2

 番目。

 国会とかで、警察を代表して

 答弁してはる人。

 超有名な魔界刑事って知らん

 のか。』

『それやったらわかる。』

呑気なものだ、

『あの人だよ。』

『サインしてもらえないのか

 なぁ。』

無茶苦茶である。

タレントではない。

『無理に決まっているやろう。

 あの人の奥さんのサインやっ

 たら、俺持ってるけど。』

『何それ。

 なんで、そんな他人の奥さん

 のサインなんか。』

いたって普通の意見である。

『アホか。

 あの人の奥さん、女優の高島

 萌やぞ。』

今や、超人気女優になっている。

女性事務員は、その方が良いらしい。

『どうせなら、萌ちゃん来てく

 れる方が。』

女子職員は、あくまでも呑気な性格のようだ。

『あの人が来たってことは、国

 王神社事件がそういう事件やっ

 たということか。』

『国王神社って魔界と関係あっ

 たっけ。』

地元の警察官が、意外と知らないものなのかもしれない。

『皆さん、承平天慶の乱という

 平安時代中頃の乱を忘れてら

 れませんか。』

勘太郎は、自分が来た理由の説明している。

関東の平将門公と瀬戸内の藤原純友公の乱は、この地方では有名なはずだった。

『国王神社が、平将門公をお祀

 りしていることは、ご存知と

 思います。

 そして、あの場所で亡くなら

 れたことも。』

そこまで聞いて、多くの捜査員は、気がついた。

平将門が亡くなった場所。

御神体が、平将門。

バリバリの怨霊縁である。

平将門は、云わずと知れた日本三大怨霊の一人である。

日本三大怨霊の一人ですある平将門が御神体の神社で起こった殺人事件と言えば。

勘太郎の登場も頷ける。

『しかし、いたずらに怨霊だ魔

 界だと騒いでしまっては、神

 社に風評被害を出しかね

 ないんです。

 くれぐれも、言動に、注意を

 祓って下さい。』

なんと、そこまでの注意を祓っていたのかと捜査官達は驚いた。

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