第二十一回 サンデー。最も美しく!
――ベランダ。
或いはバルコニーとも呼ばれるこの場所で、快晴のお空は広がっている。
薄紅色の香しき風も心地よく、素肌を流れ、それもまた心地よくて……
「ちょ、
と、幻想的な世界から引き戻しそうな、何だか忙しない
「涼んでるの、風も気持ちいいし」
「って、何も裸でなくても。服着なさい、見られちゃうよ」
って、チャッカリと梨花は、僕の着替えを用意済み。もうその場で着せられた。……本当はね、わざと。幼い頃にしたかったこと。お風呂上がりの鬼ごっこ。でも、その頃はパパも梨花もいなかったから……そうだね、今この時にリバンドしちゃったみたい。
黄色の向日葵のワンピース。
今日は、それを着こなすの。梨花は桃色のチェリーなワンピース。
「まあ、とってもわかりやすい色付けね」
と、
今こうして、皆がいる。
僕の傍にね、摂や可奈や梨花がいる。もう……ぼっちじゃないんだ。その思いが込み上げるの。そして僕は思わず「ありがと」と、声にしていたの……
「それは仕上がってから。今日も楽しくやろうね、千佳」と、摂は微笑んだ。そして頷く可奈。梨花は「さあ、始めよっ、千佳」と、またも笑顔。笑顔が弾むこの場所は最高のメンバーと共に、最高の模型作りを演出する。――そして、最高の青い春となるの。
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