第十六回 心の解放。その祭り。


 ――それは『祭りの後で』という意味。或いは、その新たなる解釈。



 う~んと伸びをする。

 見渡す景色、その景色。余韻に浸りながらもまだ……


千佳ちか、いつまで裸でいるの? もう帰るよ」


 と、可奈かなは言いながら、バサッと僕にワンピースを着せる。少しでも長く、身も心も解放へと……名残惜しくもだけれど、夕映えは帰り道へと誘い、そして導くの。



 歩く。四人揃って。四角の関係を保ちながら。


 芭蕉ばしょうさんが見送ってくれる。帰路は所謂いわゆる戻り道だけれど、新たなる世界への旅立ちでもある。それでも四人は一緒だ。可奈を先頭に梨花りか、僕、せつ。細道を歩く、大通りまで。


 やがては一等星。


 すっかり、ナチュラルなプラネタリウムが仕上がりそうなお空の模様。

 知らず知らずに変化はある。微々たる変化でも、積み重なれば大変化。


「また明日」

 と、また集まる約束をした。密に気を付けつつ、一定の距離感を保つ。



 明日こそ模型作り。バンプラと鉄道模型のジオラマと、夢のコラボを叶えるため。ジオラマはやはり……簡易的になりそう。でもでもでも、情景があればその走りも映える。


 だからこそ、駅のホームは必須。


 できるなら、東の都のイメージ。バンプラはお台場がモチーフ。摂の好みに合わせながらも、梨花は楽しむ。摂と一緒に。僕も負けず劣らずの勢いもち、可奈との共同作業。今はもう楽しくなった。最近の模型は親切なの。着色不要なキットなのだ。


 それでもって作るのも簡単。……僕としては嬉しいアイテムだ。続きはまた明日だ。


 そして僕は気付く。この『企画』は、僕らの四角な関係を強固としたものだと。



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