第十回 印籠の儀? 御老公様。
――控えおろう! で御馴染みの……先の副将軍、
勉強不足で申し訳ありませんが、この奥の細道で縁があるそうなの、
学術的なお話、歴史なども学びたいと思うのですが、
そして僕らに薦める。
学問なだけに、学問ノススメ……心決める。来年……いや、今年の夏にでも、また此処を訪れて、ちゃんとお話についていけるよう学問を学び抜く。
すると、光圀様は笑顔で、
「楽しみにしてるよ」との、言葉を残してスーッと消えたの。まあ、わかっていたことだけれど、光圀様も現在は、この世に存在してないお方だから。でも、サーッと背筋が冷えることには変わりなくて、「さあ、丁度の冷え加減で今なら、気持ちよく入れるね」と穏やかに……いやいや普通に、そう言った。心して学問を学ぶには、心からのリラックス効果が必要。起きている眠っているの境の場所。夢現が丁度いいの。
――だからこそ到着する此の地。
地図では一応、温泉マークの入った場所。僕は言う、たぶん夢現のまま……
「芭蕉さんも一緒に入る?」
「いやいや、僕はいつも見守っているから君たちのこと」
「僕らのこと、覗いちゃうの?」
「君たちが『奥の細道』で迷わぬよう、道案内することが僕の役目だから」
「それって、答えになってない」
「じゃあ、帰りも道案内するからね」……と、その言葉を残し、スーッと消えた。
なぜならここは、――もう温泉の入口に至っているから。その地を踏んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます