第五回 和解の儀? その団結。


 ――雨降って地固まる。今はその心境と確信したい。梨花りかの心に察するなら。



 だから心にレインボー。或いは虹の架け橋。……僕は歩む、歩みゆく。せっちゃんも泣き止んだ。僕はホッとする。せっちゃんを泣かしたのは、少なくとも僕のせいだから。


 すると、号令! さあ、始めるよ。


 ……って、何を? そう思う矢先、梨花は僕に問う。……訊いてくれる。「千佳ちか、今度はいつ?」「何が?」「じゃあ、皆の前で言っちゃうけど、太郎たろう君との二十一回目のデートのリベンジ」「明後日、三日後、日曜日」って、三通りだけれど全部が同じ日なの。

「じゃあ、三日あるね」


 満面な笑顔の梨花。……きっと何か企みがある。その答えを言うのに、ほんの数秒のこと。ほぼ即答に近い位置にある。「――ジオラマ。千佳も僕らと一緒に作ろっ」って、それが答えらしきもの。「ジオラマって?」「千佳、鉄道模型を走らせる、その風景」


 ハッとなる。

 そう言えば、太郎君が言っていた。


『千佳、駅とか情景とかは作らないのか?』――まさに、そのことだ。じゃあ、梨花はそのこと知っていて……「千佳のことは、何でもわかるからね。可奈だって、せっちゃんだって、男女関係なく千佳のことが大好きだから、応援してあげたいんだよ」


 ……で、可奈かなは続けて便乗もして、


「本当は内緒でしたかったんだけど、やっぱり千佳がいる方が楽しいし、それに、それにだよ、千佳にも味わってほしくて百合の世界。あなたには充分に素質があるから」


「さっきはビックリしちゃったけど、……全裸でのお出迎え、とっても素敵だったよ。エロスの極みの千佳も、ホント素敵。もっともっとハグしてほしいな」って、せっちゃんまで顔を紅潮させながらも、瞳にはハートマークを浮かべ、……未知の世界へと誘うの。


「ちょっとちょっと二人とも、千佳を変な道へ誘わないでね、癖になるから」


 と、梨花は締め括るまずは。……でも癖になるって、何がどの様にして?



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