交易クエスト①


≪スキル説明:商人の知識(武器)≫


片手斧だけではなく、片手剣や小刀といった片手武器も扱えるようになる。

ただし片手斧以外の片手武器を扱う際、攻撃力は微減する。なお、両手に武器を持つ事は出来ない。



≪スキル説明:商人の改善術(武器)≫


武器を製作するプレイヤーとパーティーを組んでいる時、パーティーメンバーが製作出来る武器の製作コストが微減し品質が微増する。



≪スキル説明:商人の簡易売却術≫


一日三回まで使用出来る。

インベントリ内のアイテムを、その場で売却する事が出来る。売却値はNPCへの売却値の半額で、クエスト品などトレード不可のものは売却出来ない。



あれから、早一時間は経っているだろう。

転職も済み、色々と『練習』も終えて――今更ながら、俺はそのスキル達を眺めていた。



「思ったよりも扱えるもんだな……」



一通り装備出来る片手武器を触ってみたが、片手槌に片手剣など、意外としっくり来ていたのだ。斧に比べればまったくだが。


これまでソレで闘ってきた者を見てきたからだろうか。PK職って片手武器を両手に持つパターン多いしな。



「この商人の改善術はともかく、売却術って使う意味あるか……?」



あるとすれば、戦闘後ドロップしたアイテムを拾う時、インベントリが一杯になっていた時ぐらいだろうが……俺は基本すぐ整理するから埋まらないしな。



「まあ……とにかくアレだな」



俺は再度商人ギルドの元へ向かっていた。


その、クエストを受ける為に――







『交易クエスト』


選択した場所へ赴き、王都の特産品を交易し戻ってこよう。

交易する物品、そして行動によって報酬額が変動。


報酬:???G




「……久しぶりに、新しい職業クエストだ」



そのクエストはレベル40、上級職へ転職後に受ける事が出来るというモノ。


俺は、そのクエストをNPCから選択する。



『その交易クエストは、交易へ持っていくアイテムによって報酬も変わるんだ』


『価値の高い品物なら、報酬も勿論上がる。ただ失敗した時のリスクも大きい』


『さあ、何を交易してくるんだい?」




『ラエリアオレンジ』――報酬15万G+


『王都特産品・ヴィクトリアエッグ』――報酬20万G+


『ハイゴブリンの冠』――報酬25万G+


『王都騎士団の片手剣』――報酬27万G+


『ヴィクトリアストーン』――報酬30万G+




広がるのはその選択肢。


+が付いているのも気になるが――その中の最大値はヴィクトリアストーンで値30万G。

これまでの行商クエストの報酬額は最大で10万G。それを考えればこれはかなりの上昇じゃないか?



「……それじゃ、この『ヴィクトリアストーン』で」


「失敗したら15万を失うが良いのかい?」


「!そうなのか」


「それにコレは、ラロシアアイスまで行かないと行けないから危険だよ?確か道中では悪党が襲ってくるとか」



そう答えるNPC。

15万か……失敗すればかなりの痛手だな。

しかもラロシアアイスまで……ってのは別に良いか。歩くのは好きだし。


後、悪党ってのはむしろありがたい。


行商クエストは一応失敗しても何も無かったが、これからはリスクを背負う事になるんだな。



「ああ。大丈夫」


「そうかい、それじゃよろしく頼むよ!クエストを始める時には、外で待ってる商人に話しかけると良い」


「分かった」



《商人ギルドから移動しました》



そこから出て、俺はクエスト品の受け取り位置へと向かう。


さて。

それじゃ……初の交易クエスト、頑張らないとな。

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