交易クエスト①
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≪スキル説明:商人の知識(武器)≫
片手斧だけではなく、片手剣や小刀といった片手武器も扱えるようになる。
ただし片手斧以外の片手武器を扱う際、攻撃力は微減する。なお、両手に武器を持つ事は出来ない。
≪スキル説明:商人の改善術(武器)≫
武器を製作するプレイヤーとパーティーを組んでいる時、パーティーメンバーが製作出来る武器の製作コストが微減し品質が微増する。
≪スキル説明:商人の簡易売却術≫
一日三回まで使用出来る。
インベントリ内のアイテムを、その場で売却する事が出来る。売却値はNPCへの売却値の半額で、クエスト品などトレード不可のものは売却出来ない。
□
あれから、早一時間は経っているだろう。
転職も済み、色々と『練習』も終えて――今更ながら、俺はそのスキル達を眺めていた。
「思ったよりも扱えるもんだな……」
一通り装備出来る片手武器を触ってみたが、片手槌に片手剣など、意外としっくり来ていたのだ。斧に比べればまったくだが。
これまでソレで闘ってきた者を見てきたからだろうか。PK職って片手武器を両手に持つパターン多いしな。
「この商人の改善術はともかく、売却術って使う意味あるか……?」
あるとすれば、戦闘後ドロップしたアイテムを拾う時、インベントリが一杯になっていた時ぐらいだろうが……俺は基本すぐ整理するから埋まらないしな。
「まあ……とにかくアレだな」
俺は再度商人ギルドの元へ向かっていた。
その、クエストを受ける為に――
☆
□
『交易クエスト』
選択した場所へ赴き、王都の特産品を交易し戻ってこよう。
交易する物品、そして行動によって報酬額が変動。
報酬:???G
□
「……久しぶりに、新しい職業クエストだ」
そのクエストはレベル40、上級職へ転職後に受ける事が出来るというモノ。
俺は、そのクエストをNPCから選択する。
『その交易クエストは、交易へ持っていくアイテムによって報酬も変わるんだ』
『価値の高い品物なら、報酬も勿論上がる。ただ失敗した時のリスクも大きい』
『さあ、何を交易してくるんだい?」
◇
『ラエリアオレンジ』――報酬15万G+
『王都特産品・ヴィクトリアエッグ』――報酬20万G+
『ハイゴブリンの冠』――報酬25万G+
『王都騎士団の片手剣』――報酬27万G+
『ヴィクトリアストーン』――報酬30万G+
◇
広がるのはその選択肢。
+が付いているのも気になるが――その中の最大値はヴィクトリアストーンで値30万G。
これまでの行商クエストの報酬額は最大で10万G。それを考えればこれはかなりの上昇じゃないか?
「……それじゃ、この『ヴィクトリアストーン』で」
「失敗したら15万を失うが良いのかい?」
「!そうなのか」
「それにコレは、ラロシアアイスまで行かないと行けないから危険だよ?確か道中では悪党が襲ってくるとか」
そう答えるNPC。
15万か……失敗すればかなりの痛手だな。
しかもラロシアアイスまで……ってのは別に良いか。歩くのは好きだし。
後、悪党ってのはむしろありがたい。
行商クエストは一応失敗しても何も無かったが、これからはリスクを背負う事になるんだな。
「ああ。大丈夫」
「そうかい、それじゃよろしく頼むよ!クエストを始める時には、外で待ってる商人に話しかけると良い」
「分かった」
《商人ギルドから移動しました》
そこから出て、俺はクエスト品の受け取り位置へと向かう。
さて。
それじゃ……初の交易クエスト、頑張らないとな。
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