掲示板回:『最強職のやり直し』①
【竜騎士】RL最強職業討論スレ11【魔術士】
99:名前:名無しのプレイヤー
対人最強は侍(PK、PKK職は無しで)
ソロ最強は召喚士
レアドロ()は冒険者
これで結論だろ
100:名前:名無しのプレイヤー
Mob最強とかになってくるともう状況によるもんな
101:名前:名無しのプレイヤー
だから言ってんじゃん
戦闘はセンスの問題で、最強がどうかとか分かんねえんだわ
強いやつが使ってる職業が強いんだ、分かる?
つよいよわい そんなのひとのかって
102:名前:名無しのプレイヤー
その理屈だと生産職でもばかみてえに戦闘PS高い奴が強職になるんだが
俺の知り合いで対人負け無しの錬金術師居るぞ!
103:名前:名無しのプレイヤー
一応前から竜騎士が最強説は出てるじゃん 何たってドラゴン召喚するし乗るしwww
104:名前:名無しのプレイヤー
あれは卑怯だわ 運営何考えてんだろうな
105:名前:名無しのプレイヤー
ただパーティーだと色々居たら面倒なんだよなあ……(回復職並感)
106:名前:名無しのプレイヤー
アイツ飛び回りすぎて回復するのめんどいよな
上手い奴というかこっち理解してくれてる奴なら回復タイミングで近くに来てくれるけど
107:名前:名無しのプレイヤー
竜騎士竜騎士うるせえな、最強は魔術士だって
遠距離職中で一番ダメージ稼げるんだし
108:名前:名無しのプレイヤー
竜騎士と違ってパーティー必須だしな
109:名前:名無しのプレイヤー
はい!んじゃ最強職は魔術士で決定!!
↓以下他職の嫉妬↓
110:名前:名無しのプレイヤー
スレ終わらすなハゲ
てめえが魔術士なのバレバレw
◇◇◇
「禿てねえよ……ったく」
今日も日課である『自職』のageを終えた所だ。
……当の本人は、全くそのゲームに手を付けていないんだが。
魔法士の上位職である魔術士、それに転職すら出来ていないし。
そんな強職にたまたまありつけたのは良い。
でも……だからといって、使うプレイヤーが俺じゃ駄目だった。
RLはかなりプレイヤースキルがいるゲームだ。
完全没入型VR。
いくら補正されるとはいえ――求められるPSは高い。
現実で平凡以下の俺が最強職についた所で……結果は同じだっての。
「今日も別に良いか……」
手に取ったVR機器を地面に置いて、俺はまた他ゲーに目をやる。
2D。ターン制。困った時のお助けアイテム有り。
……こっちのほうが、俺には合ってる。
何より、ゆっくり出来るしな。
「マジッククエストでもやるか……」
☆
「……ん、珍しく上がってきてんな」
集中は続かず、手元に置いている液晶を操作していた。
目についた――勢い上位のある一つのスレッド。
【迷惑系配信者をヲチするスレ25】
31:名前:名無しさん
このカズキングっての本当に舞月と関わりあんの?
32:名前:名無しさん
言ってるだけだろWそれに騙されてるハルとかいうのもアレだけど
33:名前:名無しさん
うわあかわいそー ほんとコイツBANしろよ
34:名前:名無しさん
流石に胸糞悪いな
35:名前:名無しさん
ハル側の配信大荒れで草
36:名前:名無しさん
リスナー居るしログアウトも出来ねえから配信者は辛いよなあ
37:名前:名無しさん
まあ、配信者でコラボやるならこういう事も覚悟の上だろ
最悪配信ぶっちぎってログアウト出来るし
38:名前:名無しさん
それにしても大外れだけどなwwwwww
☆
「……きついな」
スレに貼ってあった『彼』側配信のリンクを開き、それを見て呟く。
ハルと呼ばれている彼女は、カズキングとかいうのに騙されてパーティーを組まされている様だった。
それだけならまだ良いが、可能性の無いボスへの挑戦に何度も失敗『させられている』。
魔弓士と聖騎士、普通なら少人数クリアも可能なのだが……肝心の聖騎士が下手すぎるのだ。そのくせ……
『ハルハルの曇った顔、いいわぁ……』
『ほんとコイツクズだわ』
『それ見て笑ってる俺らはもっとクズだと思うわ(ニタァ……』
『おいこんな配信やめろ嫌がってるだろ』
『おっ『あっち』側が釣れてるじゃん」
それに加えて、リスナーのこの反応のせいでカズキングも調子に乗っている。
誰も指摘していないこの現状は、いつまで続くんだ?
『いいぞもっとやれ〜』
『カズキングは悪くないよ(はぁと』
『まあでも飽きてきたなあ』
何度目か分からない失敗後のラロシアアイス。
そんな、コメントが流れていった時。
『「……増えたら良いんですよね?」』
『「はあ?そりゃそうだろ」』
『「今……間違いなく、リスナーさんが増える方が居ます。戦力にも……その方を、パーティーに誘わせてくれませんか」』
彼女の声は、弱く小さなモノだった。途切れ途切れで聞こえない程の声量。
目の前の男に委縮し――本来の様子ではないのは良く分かった。
でも――その声の先にある存在は、辛うじて彼女をこの世界に留めて居るように思えたのだ。
「……誰だよ……」
思わず、そんな都合の良すぎるプレイヤーがいるものかと呟いてしまう。
閉じようとしていた配信のウインドウを、開いたままに。
『「!おいおい誰だよそれ!早く言えよ!」』
『釣れた』彼の言葉に、彼女は前を向いて答える。
俺は……無意識に顔を画面に近付けていた。
そして――
『「――『ニシキ』さん。商人の方です」』
「……は?」
画面で反射する自分の声が、耳に大きく響く。
◇◇◇
【聖騎士カズキング様を生暖かく観察するスレ2】
30:名前:名無しさん
商人wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
31:名前:名無しさん
神回確定wwwww
32:名前:名無しさん
面白すぎる やるじゃんカズちゃん
すげーの引っ張りだしてきたな
33:名前:名無しさん
このまま終わるかと思ったらwwwww続けて見といて良かったわw
34:名前:名無しさん
真面目に商人がどうするんだよコレ
35:名前:名無しさん
いや、そりゃ――『G』だろ
36:名前:名無しさん
商人さん「コレで勘弁して下さい!!」
37:名前:名無しさん
いや面白すぎるだろ
38:名前:名無しさん
これはエンターテイナーカズキングWW
39:名前:名無しさん
来た来たwwwwww
40:名前:名無しさん
商人さん困惑しててダイソウゲン
◇◇◇
「……どうなるんだこれ」
商人。もはやそれが不遇職というのは常識だ。
……何というか、少し拍子抜けだった。
有名プレイヤーもしくは強職……そんな知り合いが出てくるのかと期待していたから。
それが――こんなに覇気のない『下』の職業だった事に。
☆
『「よっしゃあんじゃ行くぜ!お前らは後ろで適当にやってろ」』
『「ああ」』
『「……はい☆」』
やがて、三人はラロシアアイス深部へ辿り着く。
彼女の表情は、今までものとは全く異なり口調も軽くなっていた。
正直、ここまでハルが安心する意味も分からない。
ただ一つ……成果と呼べるのは、『見物客』が増えた事だった。
『頑張れ~ww』
『どっかのスレからわらわら来てて面白い』
『盛り上がって来たな!!!!』
『開幕一分で壊滅しそう』
『俺、コイツの名前どっかで見たことあるんだよな……』
『誰だよwwww希少職だから目に付いただけだろw』
「……底辺職が、何やるってんだよ」
俺が思わず口走った言葉と同時に、彼らは大鹿のフィールドへと飛ばされたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます