Ⅱ章・ミドルフェイズ2 純白馬の乙女
◆ミドルフェイズ2 純白馬の乙女
食糧の積み入れのために、エルーラン王国屈指の穀倉地帯、”大河の街”ウィンディアを目指している一行。道中の街道では謎のアンデッド軍団の襲撃があったが、無事にこれを撃退。一行を伴ったキャラバンは、ウィンディアの目前まで来ていた。
GM:ウィンディア市街のマップを出しておきます。
https://platycodon.wiki.fc2.com/image/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2.png
捏造です。
シェンメイ:畑がいっぱいありますね。この東の街道から来たのかな。
GM:「見えて来たな。まさかとは思うが、エルーラン旧王朝に指名手配されているような者はいないよな?」キャラバンを指揮しつつ、ウォールドさんが確認します。
ミリー:「さあな」いや、されてるよな? されてるだろ絶対?
されてます。
シェンメイ:「エルーラン?という所には初めて来ましたので」
ゲッカ:「こっちに晒しスレが無ければ」
GM:「もし心配な者がいるのであれば、市内には入らずに待ってもらう方がよいだろう。問題ないならばこのまま向かおう。門が見えるだろう?」と。
ミナカ:「みんな大丈夫だよねー」
フォニエ:「はーい」
シェンメイ:「大丈夫だと思います」
ゲッカ:「……そう確認されると、大丈夫な気がしてきた」
ミリー:「なわけあるか」
GM:まあ、ミース支部の皆さんは大丈夫ですが、問題はミリーですよね。ウォールドさんもそれは知っているみたいで、「……私の方も手配書を回されているがね、まあこんな感じだよ(ぺら)」と見せてくれます。
ミリー:「……だよなあ」
シェンメイ:「……なるほど」
ゲッカ:「なに? コイツ狙われてんの? 一緒にいたら入れ食いなワケ?」
ミナカ:「んん?」
シェンメイ:「詳しくは聞きたくないんですが、心当たりがあるならちゃんと言って欲しかったです」
ミリー:「別に後悔はない。自由のために戦った結果だ。」
ミナカ:「うーん」
GM:「まあ、こちらはいつもの作業だからね、特に理由はないが急いで終わらせたい気分だし、一晩も我慢してくれれば済むことだろう」ということで、ミリーは街に入らず一晩過ごすことになります。安い宿くらいならありますので。
ミナカ:「そっか~」
フォニエ:「上手に描いてあるわね」
GM:凶悪な人相の首刈り兎と、紫色のリンゴを持った魔女と、大剣を振り回すチンピラの手配書がありますね。
ミリー:「まあこの手配書の出来で難癖つけられるともあまり思わないが念のためだ」
GM:あと、なぜか魚屋のチラシみたいな手配書が混ざってたり、刃のついた触手を躍らせる異形の怪物の討伐依頼書もあったりするかも。
ゲッカ:自分のPCは騎士だから全く心当たりがないですね。
詳しくは序章を参照のこと。
GM:さて、ここから皆さんはウィンディア市街に入りますが、ミリーは外壁の外で宿を探すことになります。
ミリー:不本意だけどな。
■ミリー
GM:で、ミリーの方にイベントがあります。
ミリー:は? また罠イベント?
GM:大丈夫。とっても良いことがあるから。ミリーの前に、見知った顔が現れますね。コマ配置します。コマというかウマですね。
http://www.fear.co.jp/ari/enemy/332.jpg
こんなウマです。
フォニエ:エネミーだよね?
GM:いえ、ユニコーンはエネミーデータもありますがこれはNPCです。ミリーは過去のシナリオでこの子を助けたことがあります。で、その際にとても気に入られていました。清らかで気高い乙女として。
ユニコーンは清純さの化身。清らかな乙女にのみその背を許すと言われる。要するにアレな嗜好を持った霊獣である。太陽神アーケンラーヴの使徒として、光属性を持っている。キラキラしているのは多分そのためである。
ミリー:待て。微塵も会いたくないんだが。
GM:まあ会っちゃったので。「無事だったようだな」と馬が喋るよ。
ミリー:「あの時の……」
GM:「君が追い詰められ、倒されようとしているのを、黙って見ていることはできなかった」って、照れくさそうに話してくれるよ。
ミリー:はあ~? そういう話だったのか。「そうか。ミースについたのは。」
GM:はい。万事休すとなったミリーを助け出し、ユニコーンは君を安全な土地まで運んで逃げてくれたわけです。
ミリー:知らない間に最悪なところに借りができた。
GM:もじもじしつつ「……フフ。久しぶりに、背に清らかな乙女を乗せたのでね。つい張り切りすぎてしまった」って。仲間のいるミースはかなり遠かったけど、ミリーのために頑張ってくれたんですよ。
フォニエ:キモすぎるんだけど。
GM:登場したかったら判定振ってもいいけど。
フォニエ:嫌です。
ミリー:「素直に喜べないんだが。」
GM:そんなミリーには構わず、「見れば困っているようだ。これからも、手を貸すことを約束しよう……身も心も清き、我が麗しの乙女よ」と言い残して、ぱからぱから去って行くよ。
シェンメイ:良かったですねえ。
ミリー:良くない。
GM:そういうわけでミリーには専用のオリジナル誓約を用意しています。
ミリー:そんなものを用意するな。
https://platycodon.wiki.fc2.com/upload_dir/p/platycodon/bf3b18d03a04c1eb0baa09a4b41c88bb.png
GM:こちらになります。
ミリー:こんなに手間かける必要あった!?
フォニエ:誓約のエピソードまでちゃんと用意されてるのウケるんですよね。
GM:誓約には知らない人の知らないエピソードがあるものですから。
シェンメイ:束縛が本当にひどい。
GM:ほら、ちゃんと強いですから。
ミリー:強いから余計に嫌なんだけど!?
■ミース支部組
GM:さて、ミリーが何か言ってますがほっといて進めてしまいましょう。
フォニエ:はい。
シェンメイ:はい。
ゲッカ:はい。
ミリー:おい。
ミナカ:わーい。
ミリーと別れた4名は、荷積みをウォールドらに任せ、街の中を散策している。翌朝、ウォールドらが食糧をたっぷり積み込んだ荷車を「奪い」、ルネスへ向かうことになる。
つまり、それまでは自由時間だ。
シェンメイ:街だし普通のアイテム買えますよね。高位聖印とMPポーション補充します。
GM:はい。もちろん買い物はできますよ。で、ミリーが運命の再会を喜んでいるころ、皆さんはウィンディア市内で休息しているわけですが、とりあえず酒場にでも行くことになるでしょう。
ミナカ:行くよね。
ゲッカ:行かないわけがない。
フォニエ:そういう支部ですからね。
ミース支部はミナカの所属する劇団の宿舎を利用したギルドハウスを持っており、酒場を営業している。《GH:サルーン》はそうした背景からの取得である。
おおらかでお祭り好きなメンバーが集まっており、ことあるごとに宴会ばかり行っているのである。
GM:では、酒場に行くなら、なんか騎士がたくさんいるのがわかります。酒場のシーンに出たい人は判定無しで登場OKです。
ミリー:僕は?
GM:君はステイ。
ゲッカ:登場します。酒を飲むので。
シェンメイ:ついていきます。
ゲッカ:じゃあ無理にシェンメイを誘いました。
フォニエ:お酒を飲みます。
ミナカ:みんながいくならついていきます。
GM:では、酒場ではエルーラン王国の赤枝の騎士が「……納得できないよなあ」「仕方ないさ」みたいな話をしています。
ゲッカ:「お邪魔しまーす。4人ね」
GM:「俺だって祖国に弓を引くような真似はしたくない。でも、アンナ様を敵するのはもっと無理だ」「しーっ、俺たちは中立。中立!!」大っぴらに言えないことを愚痴っているようですね。
フォニエ:言えないよなあこれは。
GM:では少しひそひそ声になって、「でもよ、俺たち国境警備隊に帰還命令って、おかしいじゃねえか」と。
ゲッカ:聞きたいね。「席どこ? 相席? そこのニーチャンたちのとこ?」
GM:じゃあ隣に座っていいよ。「お? なんだい、冒険者かい」「……妙な格好の奴らだなあ」
フォニエ:「はー、賑わってるねー」
ミナカ:「こんにちはー」
シェンメイ:「こちら失礼しますね」
ゲッカ:「あいにく余所モンでね。そっちはこの国の? おススメの地酒ある?」
GM:「おー、そろそろログレスに帰らなきゃいけないから、踊り子さんとかいいなあ、癒しだなあ……」ミナカちゃんは癒し。
フォニエ:「あ、キツいのちょーだい」
GM:「そう、この国の騎士だよ。なんだけどなあ」「ああ。俺たちは仕事を奪われて帰る悲しい悲しい兵隊さんだよ」結構お酒が進んでいらっしゃる御様子です。
ゲッカ:「マジかよ。今度は警備するの? 自宅?」
GM:「あーやだねえ……なんでこうなるんだろうねえ……」ぐちぐちしてるよ。
フォニエ:「兵隊さんって言ったら食いっぱぐれることなんてそうないじゃない」
GM:「あのさあ、俺たちこれでも国境警備隊なんだよ。そりゃここの国境は、ヴァンスターとか妖魔の支配区域とかには面してなくて、平和な方だけどねえ」騎士は2人いるんですが、交互に喋ってると思ってください。
ゲッカ:「はぁ。つまんねー人生じゃん」
GM:「理由もなく突然、国から引き揚げ命令だよ、もー。代わりに来た奴らはいけ好かないしよー」お酒が無くなって、机に突っ伏してしまいますね。
シェンメイ:「街道はゾンビが居て大変でしたけど、こっちの方までは来ないんですね」
GM:「あっそうそうそれそれ、最近な、謎のアンデッド事件とかもあって大変なんだよー」こっちの人は割と元気っぽい。
ゲッカ:「対応しろよ」
GM:「前はこの手のトラブルは、ルネスの冒険者が片付けてくれてたんだけどなあ」って、東の方を遠く眺めていますね。
ゲッカ:片付けてたなあ。
ミリー:失敗してたじゃないか。
シェンメイ:「いけ好かないって、どんな人達なんですか?」
GM:「どんなって、そりゃあっちの連中だよ、あっちの(南の方を指して)」「そうだなあ……この情勢じゃ、ルネスの温泉でくつろいで帰るってわけにも行かないだろうしなぁ……」会話が持たないので、潰れてた方も一応復活しました。
ゲッカ:「(南を見る)(壁がある)(?)」
シェンメイ:「……そっちに何かあるの?」
GM:まあ、君たちからすればそうですよね。
ゲッカ:「ユーレイか何か見えてるんじゃないの」
GM:そしたら、「まあおじさんたちに構うことはないよ……冒険者ならルネスまで行けるかね? おたくらどこまで?」と。
ゲッカ:「ルネスまで」
GM:「マジ?」言うのかよ。
ゲッカ:「違ったっけ? ギルマスー」だって話聞いてないし、知らないし。
GM:「いや、何でもいい、マジなら黙っておきな、うん」おじさん達は優しいから内緒にしてくれるよ。
シェンメイ:「いえ、カルカンド方面に抜けるはずです」
GM:そういうことになっています。
ゲッカ:「……」
GM:では、君たちに「……アンナ王女に会うことがあったら、みんな貴女を慕っています、って伝えてくれよ」「そんだけ。おいちゃんたちにできるのはそんだけ……とほほ」って。
騎士たちは、本来この地を警備する中立の騎士団であったのだが、急にその任を解かれたのだという。そして、その代わりに、南朝直属の部隊がやってきているのだと。ミースのPCたちにとってはよく分からない話だが、ミリーは違う。
シェンメイ:「わかりました」
GM:他に話したいことがなければ、特に用意しているものはないので翌朝にまで進めたいと思います。
ミナカ:はーい。
■翌朝
朝早く。外壁の外に括られた荷車の回りに5人は集まった。そしてそこには予期せぬ来客もあった。ユニコーンである。
GM:では、皆さんが集まったところで馬が喋ります。「フフッ、この佳き朝を君の仲間たちも祝いに来てくれたようだね」と。たてがみが朝日にキラキラ光っています。美しい。
シェンメイ:「……どちらさまですか?」
ミリー:「こっちが聞きたい」
シェンメイ:「(竜がしゃべるんだし、馬がしゃべっても……?)」
GM:シェンメイなら、ユニコーンも喜びますね。「おや、こちらのお嬢さんも実に……フフ、フフフ、素敵な方だ」と言って寄ってきますよ。
シェンメイ:「ええっと、ありがとうございます?」
ミリー:「お前本当にもう黙れ」
ゲッカ:「(また黙れ言われた……黙ってたのに……)」
GM:お前じゃない。「良いとも。既に私達に言葉など無粋というものだからね」フフって笑ってるよ。
ミリー:「蹴とばして置いてくぞ」
フォニエ:「なにこいつ」
GM:あと、「ところで、この臭いチビはなんだい?」って言いながら、ミナカちゃんに足で砂をかけます。
ミナカ:「あう」
シェンメイ:あー。
フォニエ:本当にひどいんだよな。
ミリー:「角とたてがみどっちが高いんだったかな?」
GM:「おっと、私としたことが口が過ぎたようだ。失礼した」ミリーの所に戻ってきて傅きます。「さあ我が乙女よ、何処へ行くのかな? 何処までも走るとも」って言いながら。
フォニエ:じゃあ角を見て。「この角ってまさか」
ミリー:「そう、それだよ」
フォニエ:「角の姿でしか見たことなかったけど本当にいるものなのね」
ミリー:「前助けた個体に懐かれた。今では後悔してる。」
フォニエ:「そういえばパパが蹴られたことがあるって言ってたっけ」
GM:知らない情報が出てきた。ユニコーンは周囲を見回して、「まさかとは思うが、この荷車を引けとは言うまいね」って、不平そうに言ってるよ。
シェンメイ:「荷馬車の馬は、ここまで引いてきてくれた子たちがいるので」
GM:では改めてミリーの前へきて、「見たところ、急ぎなのではないかな? さあ、出発しようじゃあないか。君と私の輝かしい明日へ」と。
シェンメイ:「急ぎは急ぎ、ですね」
ミリー:「こいつにミースで運ばれてなきゃ今すぐ売り飛ばすんだが」
GM:「我が麗しの乙女、私は君の力になりたい、ただそれだけなのだよ」きらきら、さらさら。
ミリー:「じゃあ最初の頼みだ。喋るな。」
GM:「ひひん」一瞬目をくりんと見開いた、鼻と唇をひん剥いた表情をして、すぐ元に戻ります。
シェンメイ:何でしたっけそれ。
GM:フレーメン反応。
フォニエ:「黙っていると見てくれだけはいいわね」
シェンメイ:「確かに綺麗な姿をしています」
GM:では皆さんは、ユニコーンを伴い、食糧が満載された荷馬車を強奪してルネスへ逃れる旅に出ることになります。全く、なんて酷いことをするんだ。ウォールドさんは泣いているぞ。
ミリー:うるさい。
GM:はいごめんなさい。ではシーンを変えますね。
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