Ⅱ章・ミドルフェイズ1 遭遇! 謎のアンデッド
◆ミドルフェイズ1 遭遇! 謎のアンデッド
ウィンディア市を目指して、ウォールドのキャラバンと共に街道を進む社会保障支援機構ミース支部の面々+ミリー。キルディア共和国とエルーラン王国を結ぶ貿易路は、この街道が主になる。
シェンメイ:あ、GM。ミドルに入る前に、誓約で取得してる『ゴヴァノンの鉄槌』で、装備している『ネヴァフヘビーアーマー』を強化したいです。
『ゴヴァノンの鉄槌』は、装備品一つをシナリオ中強化することができるアイテム。通常の方法で入手はできないが、エクスパンションブック掲載の誓約データとして存在する。
GM:どうぞ。
シェンメイ:強化するのは【行動修正】。シナリオ中+5しますね。
ミリー:それめっちゃ強くない?
シェンメイ:強いですねえ。
GM:そういうわけで皆さんはエルーラン領へ向かっています。街道沿いにエリン山脈を迂回していくルートです。さて、そうして進んでいると……全員【難易度】14の【危険感知】判定をどうぞ。
【危険感知】判定は、【感知】の能力値を用いる判定である。トラップや、潜んでいる敵、飛んでくる矢など、迫りくる危険に未然に気付くことができるかを判定する。
多くの場合、失敗すると不利益を被ることになる。特に全員で判定するものは、全員失敗すると致命的な場合もある。
ミリー:シーフの仕事だ、《サーチリスク》があるから3D+7で判定。17、成功だな。
フォニエ:これ他の人も振った方がいい?
GM:振らなくてもいいけど、クリティカルしたら何かいいことはあるかも。
フォニエ:じゃあ一応。2D+2で失敗。
残りのメンバーも判定を振りたい者は一応判定を行い、ゲッカが16で成功。
GM:ではミリーとゲッカは、向かう先の街道に何やら蠢く物体があるのを見つけます。
ミリー:「あの正面のは何だ」
ゲッカ:「撃ってみて反撃するなら敵だよ。怒るなら謝ろう」
フォニエ:「食べ物ですか?」
GM:その会話を聞いて、ウォールドさんも気付きますね。「……アンデッドか。たびたび見かけられるんだが、近頃は特に強力になっているようだ」と。どうやら発見したのはゾンビの類で、それも今回だけの現象ではないようです。
ミリー:「兵士や野盗ならわかるんだが、なぜこんなところにアンデッドがいるんだ。」
シェンメイ:なぜでしょうねえ。
ゲッカ:なんでだろうなあ。
2名ほど察しているようだが、以前のシナリオで、このキルディア-エルーラン間の街道で死霊術の実験をしていた男が登場している。ミリーら、ルネス支部のメンバーがそれを討伐に向かったことがあるが、その際はルネス支部の戦力が及ばず敗走した。《偽装情報》によって「我々はお前の命を狙う幻術師が差し向けた幻であり、まもなく消え去る」という情報を与えることで攪乱し、被害を抑えて逃走したため死人は出ていないが、依頼の解決には失敗したことになる。つまり、彼は現在も元気に死霊術の研究をしているのであった。
初登場時はドラゴンクエストシリーズの「おやぶんゴースト」のアイコンをした、単なるフード姿の魔術師エネミーだったが、後日再登場した際には「オーヤヴィン・ゴステロ」という名前と、フードを取った姿のアイコンが与えられた。
何も分からないそこの貴方は正常であるので安心して欲しい。
GM:ウォールドさんは皆さんの戦闘準備を確認して、「いや、本当に君たちが居て良かった」と。
ミリー:「飲み込みが早すぎるだろ」
フォニエ:「誰かに襲われたのかな」
GM:「……さあな、ここらを根城にしている死霊術師でも居るんだろうさ」って。
ゲッカ:誰だろうなあ。
シェンメイ:誰でしょうねえ。
https://drive.google.com/file/d/1vzouAVwDz8-2Dah1-iyO0P96cDu8wKEo/view?usp=sharing
このシーンのマップ。砂漠地帯と温帯の境界のような土地である。特に障害物はない。
GM:ではコマを出していきます。モブの群れゾンビが3グループと、めらめら燃える女の怨霊が1体です。【危険感知】が通っているので、奇襲されることはなく通常通り戦闘開始です。
群れのゾンビはオリジナルエネミーの「クラウドグール」。複数体のゾンビが混ざり合った肉塊で、武器攻撃でダメージを与えると《分裂》で増殖する性質を持つ。女の霊は通常エネミーの「フューリー」である。
ミナカ:あの燃えてるお姉さんは見たことあるかも。
シェンメイ:そういえば以前のシナリオで出ましたね。強いですよあれ。
ミナカ:<火>属性だったら私が攻撃すればいいよね?
GM:戦闘前何もなければ、セットアッププロセスです。
■ラウンド1
ミリー:モブのゾンビは僕がエンゲージを纏めてしまおう。セットアップは《ランナップ》だ。「お先に。」戦闘移動で前へ出る。
ミナカ:【行動値】はもともと勝ってるから、《ステップ:ブライト》はいらないよね。「さあさあとくとご覧あれー」《ステップ:ウォーター》:3を使って、攻撃の命中判定に+6だよ。
GM:じゃあ燃えているお姉さんのセットアップ。《鬼火》でミリーを狙います。【精神】で対決して、勝利すると7D+30点の<火>属性魔法ダメージです。
ミリー:は? セットアップに7D+30?
フォニエ:結構大きいですね。
GM:では【精神】判定。2D+11で、19。
ミリー:2d+3で7。くそ、回避なら余裕なのに。
GM:ではダメージロール。んー、目が低めで50点。
シェンメイ:《プロテクション》はできるよね。こっちは高いです、5Dで21点軽減。
ミリー:27点受ける。「……僕にその夢を見せたことを後悔するぞ」
GM:あ~~~~~~ミリーはそうなるよね~~~~~~~~!
この攻撃で、自分の村が焼かれた日のことを思い出しているのである。
GM:女の霊は、「……煩わしいのよ。……貴方も怒っているの……? 一緒に燃え上がりましょう」って。
シェンメイ:では次は私のセットアップです。《コンポーズ》を使いましょう、このラウンド中、【行動値】と【移動力】に+【精神】です。
GM:また妙なスキルが出てきた。
シェンメイ:【移動力】アップのお陰で白兵攻撃が届くようになりますから、今は《セイクリッドダンス》よりこっちかと。
フォニエ:じゃあ次は私。《エレメントエンチャンター》を自分に。属性を選択した属性に変更します。
GM:また妙なスキルが出てきた!
フォニエ:魔術判定は成功。火属性になりました。
GM:なるほど【魔法防御力】2倍。セットアップはこれで終わりですかね。イニシアチブプロセス、【行動値】が一番速いのは……。
ゲッカ:私だぞ。
GM:なんで君シーフのミリーとか《コンポーズ》入れたシェンメイより速いの?
ゲッカ:『ギアメイル』とかで上がってるもんで。じゃあメインプロセス。フリーアクションで《連携Ⅲ:スターライトバレット》始動を宣言。「ユーコ! じゃない誰だっけお前!」
GM:あのさあ。
ユーコはGMぶっぱのPCで、いつもゲッカに続いて《連携攻撃》を行う相方である。GMぶっぱのPCなので今回は参加していない。
ゲッカ:「視界良好、クリアリングOK」ムーブアクションは《シューター》:1。戦闘移動しつつ命中+2Dとダメージ+2Dする。「バレル……? これ実は弾を研ぐのでは?」マイナーアクションで『流水の砥石』。このメインプロセスの武器攻撃を<水>属性魔法ダメージに。
GM:ちょっと待って、《シューター》強くない?
ゲッカ:ガンスリンガーのアーシアン専用スキルだね。まあまあ、シーンSL回だから、このシーンではもう使えないよ。
GM:それでもクソ強いんだよなあ。
ゲッカ:メジャーアクションは《ファニング》:2ね。「一対多なら勝てるとでも?」射程内の対象を3体まで同時攻撃。
GM:別エンゲージでも攻撃できるの本当に強いよね。
ゲッカ:これのためにガンスリやってるようなもん。対象は燃えてるお姉さんとゾンビ1と2。命中5D、クリティカルだ。
GM:無理だね、みんな当たるよ。
ゲッカ:じゃあダメージロール直前、《ワンコインショット》:5。「その辺撃てばいいわけね」攻撃対象の【物理防御力】と【魔法防御力】を-15する。
GM:はい。どうしてそんな酷いことをするの?
ゲッカ:で、《ワンコインショット》と同時に《バレットマーク》。これで、ダメージを与えるとシーン中、【物理防御力】と【魔法防御力】を-15する。
GM:感覚としては、《ワンコインショット》がシーン中持続するのに近いか。
ゲッカ:もう一度《ワンコインショット》すると重複するとか、細かい違いはあるけど、だいたいそういうスキルだね。
ミリー:ダメージロール直前なら、僕の《シックネス》:3も持って行け。ダメージが通れば[衰弱(3)]だ。「産地直送のエルーランの恨みだ。たっぷり食え。」
[衰弱]はメジャーアクションの判定を行うたびにその強度×5点のHPロスを受けるバッドステータスである。つまり、ゲッカの攻撃対象の3体は行動するごとに15点のHPを失うことになる。
GM:ではゾンビ達は「びたんびたん」のたうち回って、「ぶちぶち」腕とか足とかもげたりしてますね。
ミナカ:うわあ。
ゲッカ:「腕が無くても噛んでくるぞ! 気をつけろ!」
GM:それ絶対ゾンビ映画的知識だよね?
ゲッカ:ゾンビ系ガンシューティングもある。
フォニエ:連携属性:光が発生してるよね。《連携Ⅲ:シールドブロウ》で連携継続。条件は盾装備、ダメージが発生すると対象に[スタン]。命中すれば連携属性:地が発生する。
GM:はい。ではフォニエがメインプロセスを行えるよ。
フォニエ:まず、フリーアクションで《フルディフェンス》。フリーアクションで《ディフェンダー》を使えるスキル。《ディフェンダー》:5と《マジックディフェンダー》の効果で、【物理防御力】と【魔法防御力】を+15する。
GM:【物理防御力】51かぁ。結構硬くなるんですね。
フォニエ:んで、ムーブアクションは戦闘移動。ゲッカの攻撃が当たっていないゾンビにエンゲージします。マイナーが《ウェポンクリエイト》:1 。「分類:錬金術」のついた打撃武器を作るよ。
GM:攻撃力はいくつになるの?
フォニエ:どうせ参照しないので関係ないです。メジャーは《アーマーブレイク》:5。ここにいるゾンビに。
GM:《トゥルーブレイク》はしないんだ?
フォニエ:どうせ大したダメージにならないので今回はいいかなって……。命中は3D+9で、20です。
GM:2D+4で回避、勿論当たる。
フォニエ:ではダメージロールはなしで、【物理防御力】と【魔法防御力】を減らします。
GM:はい。ダメージなしね。うん……。[スタン]は入らないけど、連携属性:地は発生するよ。
実はこのエネミー、クラウドグールは武器攻撃でダメージを受けることで分裂するので……《アーマーブレイク》だけでは分裂できないのである。
ミリー:次は僕だ。《連携Ⅲ:スピニングツイスト》で続く。条件は鞭による武器攻撃だ。戦闘移動でそこの燃えている奴にエンゲージする。
GM:はい。《アンビデクスタリティ》で両手に短剣と鞭持ってたねそういえば。
ミリー:マイナーアクションは《フェイント》。「よもや卑怯とは言うまいな」リアクションの判定に-1Dしてもらう。
GM:お姉さんは「卑怯よ」って言うけど。
ゲッカ:何なのソイツ?
ミリー:どうでもいい。メジャーは《ハリケーンブロウ》:3だ。「邪魔だ」白兵攻撃をして、ダメージを与えたら最大15m移動させる。命中は3D+11で22。
GM:《フェイント》でダイスが減っているから、クリティカルの目もないね。回避はできない。
ミリー:ではダメージロール。40点。
GM:相変わらず打点は低めなのが良心。
ゲッカ:《連携Ⅲ:スピニングツイスト》の効果で<水>属性魔法ダメージな。
GM:良心などなかった。
このエネミー……フューリーは、<火>属性のエネミーなので、【魔法防御力】0扱いでこのダメージを受けることになる。
ミリー:じゃあ、お前はそこのゾンビのエンゲージまで飛ばしておく。後はメイジに任せたぞ。
ミナカ:次私?
フォニエ:そうです。連携は一応できるけどどちらでも。
ミナカ:じゃあムーブアクションで《マジックブラスト》:2。「いつもよりも多めに回しております」魔術の対象を範囲(3体)にするよ。
GM:あー。
ミナカ:マイナーはなしで、メジャーアクションで《ウォータースピア》「ミナカ・アーリィの水芸でございまーす」対象は燃えてるお姉さんとゾンビね。
GM:はい。《ハリケーンブロウ》の強いところはここなんだよね。
元々エネミーは全員別のエンゲージで戦闘開始したが、ミリーの《ハリケーンブロウ》による強制移動で2体をまとめられたため、ここでミナカが攻撃できる対象が2体に増えたのである。
ミナカ:命中は魔術判定。4D+17で……。
GM:待て。4D+17?
何だその数字は。
ミナカ:前に、誓約《ヴェンガルドの小さな悪魔》を取得したから、魔術判定に+1Dされました。
GM:そういえばそんなの押し付けられてたね。で、固定値に《ステップ:ウォーター》の+6が乗って17と。なるほど。
ミナカ:振ります。32だよ。
GM:2D+7で避けるわけがないのであった。いや、ゾンビの《腐臭》があるからもっと避けないけど……一緒だわ。
ミナカ:じゃあダメージロール。56点の<水>属性魔法ダメージだよ。
GM:もちろん通るよ。《ウォータースピア》の効果で[放心]を受ける。
ミナカ:あ、《マリッド・ストリーム》も。「あとこっちもね」これで、回避判定も-1D。
GM:酷いもんだ。で、次はシェンメイ。
シェンメイ:はい。全力移動で燃えるお姉さんのところへ。メジャーアクションで《ハンマーストライク》:4。燃えるお姉さんを殴ります。命中は3D+6で16。《セイクリッドダンス》していないから、あまり高くないですね。
GM:そうだね。《マリッド・ストリーム》と《腐臭》が無ければ避けてたかもしれないね。当たったよ。
シェンメイ:じゃあ、《コールゴッド:カグツチ》が無いから弱いと思うけど、ダメージロール……うわー本当に弱い! 31点。……足ります?
GM:絶妙に足りましたねえ。「おのれえぇ……」と恨みの声を残して、燃えていた女の霊は霧散するよ。
ゲッカ:よし、アシスト1な!
GM:実際【物理防御力】-15がクッソ痛いんですよね。ミリーとシェンメイの微妙な打点が有効打になってて。
フォニエ:もっと下げたかったんだけど。
フューリーの【物理防御力】はもともとさほど高くないので、ゲッカの《バレットマーク》の時点で既に0である。
GM:さて、これでもう割り込みもないですね。イニシアチブプロセスに動きます。
ミリー:何だと?
GM:ゾンビたちのうち2グループが《欠損群体》というスキルを使用します。
《欠損群体》 1:
タイミング:イニシアチブプロセス
判定:自動成功 対象:自身
射程:- コスト:-
このラウンド中、あなたが武器攻撃によるダメージを受けている場合のみ使用できる。《分裂》を同時に使用する。これにより、《分裂》をイニシアチブプロセスで使用することができる。1ラウンドに1回使用可能。
ゲッカ:うげー。増殖系エネミーじゃん。
GM:《分裂》は既存のエネミースキルね。HPを半分ずつ分け合った同じエネミーを未行動状態で出します。本来はメジャーアクションですが、このスキルによってイニシアチブプロセスに使います。
複数の死体が融合して形成されたゾンビたちは、武器によって引きちぎられた部分から2つに分かれ、それぞれが新たに活動を始めるのである。
GM:そういうわけでゾンビが計5グループになって、順に行動します。分裂したグループについては、HPが半分になりました。
ミリー:残りの1グループは《分裂》しないのか。
GM:そいつ《アーマーブレイク》しか当たってなくてさ……武器攻撃でダメージ受けてないんですよね……。
フォニエ:《トゥルーブレイク》サボって良かったですねこれは。
GM:この群れゾンビはモブなので、AとBの二種類データを用意しています。まずAの方から処理しますね。1体目、マイナーアクションで《バッドステータス付与:毒(3)》。メジャーは《連続攻撃》。『噛みつき』でゲッカを攻撃。3D+14で命中は25。
ゲッカ:《腐臭》あるんだよね。SLいくつ?
GM:2です。同一エンゲージにいると回避判定の達成値-4ですね。
ゲッカ:《ドッジムーブ》入れて回避。「こっちだろ分かってるよ! 黙れ帽子!」
GM:そういえばその帽子喋るんでしたね。
ゲッカの帽子は、この世界で師匠に譲り受けたテンガロンハット。伝承武具システムで生成した装備である。特徴をロールした結果、「喋る武具」を引き当ててしまい、ゲッカのプレイミスをガンガン煽ってくるクソゲーマー帽子になってしまった。
それにしてもカインの時といい、よく虚空に話しかけるPLである。
ゲッカ:3D+11でロール。おっクリティカル。
GM:は~? まあ2発目行きますよ。命中判定……おっ高い、28ですね。
ゲッカ:これは《ドッジムーブ》入れるだけ無駄だね。普通に振って……当たる。
GM:ではダメージロール。5D+51で、1,1,1,2,2! 58点! は???
フォニエ:5Dの合計が7……!
シェンメイ:《プロテクション》で15点軽減です。
ゲッカ:9点。それと[毒(3)]を受けたよ。
GM:まあまあ、こっちも[衰弱(3)]を2回受けたし。ではもう1体。これも《バッドステータス付与:毒(3)》と《連続攻撃》でゲッカを噛むよ。命中26。
この攻撃は一発目が命中、ダメージロールも冴えて72点をたたき出すがプロテクションで22点まで軽減。もう一発が命中すると軽減できず、毒のHPロスで倒れかねない……と思われたが、ゲッカはこの二発目を際どい所で回避。
ゲッカ:危ねー! 毒込みで48点しか余裕ないんだけど! 当たったら死んでるじゃん。
GM:いやあ今のはよく避けましたねぇ。次、燃えてるお姉さんと同じエンゲージにいた、群れゾンビBを動かします。こちらは《連続攻撃》が無いんですが……とりあえず、同一エンゲージのシェンメイを噛みます。《バッドステータス付与:毒(3)》も入れますよ。
シェンメイ:仕方ないですね。
GM:命中……うわっ、[放心]入りの2Dで3。達成値15ですが、シェンメイなら当たるか。あと[衰弱]のHPロスを受ける。
シェンメイ:《腐臭》込みで2D-2ですね! 達成値8!
GM:じゃあダメージロール。5D+59で……4,5,6,6,6! 86点!!
ミナカ:うひゃあ。
シェンメイ:荒ぶるダメージロールをやめろ! プロテクションで18点軽減。32点受けて残り47。[毒(3)]も受けました。
GM:おっ。これは《分裂》で出てきた方の攻撃は受からないな? 同じく毒付与の噛みつきで、こちらは3D振って……命中24です。
シェンメイ:避けません。助けてフォニエ!
フォニエ:ダメージロール直前、《カバームーブ》:1を切って《カバーリング》します!
《カバーリング》は未行動であれば行動済みにならず、行動済みでもカバーが行えるスキル。《カバームーブ》は、同一エンゲージに居なくても20m以内であれば《カバーリング》
を行えるスキル。SLが1なので、シーンに1回のみ。
なお、どうやって20m先の味方を庇って、どうやって戻ってくるのかはアリアンロッド永遠の謎とされている。
GM:ではフォニエにダメージロール、74点。
シェンメイ:《連続攻撃》じゃなくて2体目だから、《プロテクション》ができます。17点軽減!
フォニエ:惜しい、6点抜けました。[毒(3)]が入ります。
GM:毒は入ったとはいえ、流石に硬いですね。
シェンメイ:あれ? もしこれがさっきの《連続攻撃》持ちの方だったら、普通に私は[戦闘不能]になってた?
ミリー:雑魚だと思ったら、案外厳しいな。
フォニエ:ぶっぱ卓はミドルから結構殺意があるよね。
シェンメイ:この《連続攻撃》が無い方はどうせ《範囲攻撃》持ってるんでしょうしね。
GM:位置が悪いと、何かリソース吐かなかったら誰か倒れるかもなあというバランスでした。さて残り、《分裂》できなかったゾンビ。こいつはAの方です。
ミリー:《連続攻撃》の方か。
フォニエ:私がエンゲージしているので大丈夫だと思いますが。
GM:こいつですけど、うーん。メジャーアクションで《分裂》しましょう。HPを分け合ってもう1体、未行動で出します。
ミナカ:増えるねー。
GM:で、今の《分裂》で新しく出てきた方です。こいつはこのまま、もう意味ないけど《バッドステータス付与:毒(3)》を入れて、《連続攻撃》。フォニエを噛むよ。
この攻撃は両方とも命中。片方を《プロテクション》され、フォニエに計29点のダメージを与える。
GM:硬いなあ。もう未行動のキャラクターはいませんね。
フォニエ:燃えてるのがなんか死んだのがかなり助かった。
GM:最後のシェンメイの攻撃の時点で【物理防御力】0ですがHPは24残ってたので、かなり際どかったですね。
シェンメイ:いやあ、想定以上に素のシェンメイが火力なくて笑いましたね。足りて良かった。
GM:そういうわけでクリンナップです、[毒]を受けているメンバーは処理しておいてください。
ゲッカ:残り48。
シェンメイ:32。
フォニエ:41。
GM:上手く散らして受けられた感じですね。
ミリー:「疫病を広めるにはうってつけの媒体だな。根絶やしにしよう。」
ゲッカ:(この増えたやつ、ちゃんと私のアシスト入ってっかな……)
GM:新しく出た個体は、HPは減っていますけど《バレットマーク》とかは引き継いでいないです。
■ラウンド2~
しかし、健闘したクラウドグールたちであったが、ただでさえダメージを受けている者が多いところに《分裂》を使用したため、どの個体もかなり弱っていた。
ゲッカ:《ファニング》で3体狙う。増殖するってことはキル増えるじゃんね。最高か?
フォニエ:今いる2体を抱えておきます。《分裂》で生まれた方に一応《アーマーブレイク》。
ミリー:フォニエが抱えている奴を片方蹴り出しとく。「アーシアンの店で買ったいい靴だったのに、なんてもの蹴らせるんだまったく」
ミナカ:《マジックブラスト》でまとめて水芸だよー!
シェンメイ:私の攻撃ではこれ倒し切れないですね。フォニエに《ヒール》を。
当然、こうなるわけである。PCたちの行動が終わって、生き残っていたのは1グループのみであった。
GM:あー、うん。普通に毒乗せて《連続攻撃》するよ。対象はミリーかフォニエでランダムに……フォニエ。
フォニエ:どちらにせよ《カバーリング》しますけどね。
GM:ですよねえ。
この攻撃は一発目が《プロテクション》により軽減され7ダメージ。二発目はファンブルして空を切る。
PC達は毒により苦しむが、続く3ラウンド目、ゲッカ・ミリーの通常武器攻撃により、残った1グループもあえなく鎮圧された。
■戦闘終了後
GM:戦闘終了です。特にラウンド制限はないので、ドロップ品ロールや回復行動、したければやってしまってください。
ミリー:【エネミー識別】はするか?
GM:してもいいよ。
ミナカ:するよー。燃えてる人を識別……16!
GM:じゃあ分からないですね。
ミナカ:しょうがないね。
命中はともかく【知力】自体はさほど高くないミナカの識別は通らず。エネミーのデータは分からないままの進行となった。
しばらく、『MPポーション』を飲んだり、シェンメイが《ヒール》したりする時間が続く。
ミリー:ドロップ品はフェイトを入れるまでもないよな?
ゲッカ:良いと思う。
ミナカ:《目利き》が2つあるよ。
フォニエ:あったなあ。
シェンメイ:ありますねえ。
ミリー:じゃあ4Dずつ振っていくからな。
フォニエ:燃えてる人は良さげだし私がフェイト2点入れます。6Dで。
GM:無法が行われている……。
フューリーの魔炎、絡み合う肋骨、死者の太骨など……このシーンのドロップ品、しめて24000G相当。
GM:無法をやめるんだ。
ゲッカ:スコアに報酬は必要でしょ。
GM:まあ、謎のアンデッドを退けた皆さんは、ウォールドと共にウィンディアへキャラバンを進めていきます。
ミリー:本当に何だったんだこいつらは。
GM:ウォールドさんが、「いつもという訳ではないのだが、この街道ではたまにアンデッドの一団が現れるんだ」って説明してくれる。
ゲッカ:「ホットスポットじゃん」
GM:苦笑して、「……まあ、妖魔の賊がアンデッドの襲撃で壊滅しているのを見たこともあるから、悪いことばかりではないのだが。見ての通り自然発生するようなものではない。術者が近くにいるのだろうな……迷惑な話だ」って続けるよ。
ミリー:「まだ僕らに隠していることはないか?」
GM:ミリーに睨まれると困ったように「そもそも隠すつもりなどなかった。この街道は危険だから護衛を雇う、それだけだよ」って。
ミリー:「知っていたのなら言うのが遅いだろ」
GM:「危険の内訳は妖魔の襲撃であったり、内政不安なエルーランの抗争に巻き込まれることであったり、謎のアンデッドの襲撃であったりだ。何が出てくるか聞かれたわけでもなかったし……ここらでは常識でもあるしな」と。本当に悪気があるわけではないようですね。
シェンメイ:常識じゃしょうがないですね。
GM:「ただ、ありがたいことに、こいつらが居るということは周辺に生きた妖魔はおらんだろう。では、行くとしようか」というわけで、ここからは特に戦闘にはならず、"大河の街"ウィンディアまで向かうことができます。
ミナカ:やったー。
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