Ⅱ章・ミドルフェイズ3 突破! 街道の円卓騎士

◆ミドルフェイズ3 突破! 街道の円卓騎士


 "大河の街"ウィンディアにて、食糧を満載したウォールド隊の荷車と共に、PCたちは朝早くに街を出た。

 取引相手との関係を維持せねばならないウォールドにとって、表立って北朝ルネスを支援することは憚られる。そのため、PC達に積み荷を奪われた体で食糧を供給するという茶番を打ったのである。無論、後で代金はたんまり頂くつもりではあるようだが。


GM:あ。出発前に、ゆっくり休むことができたので全員【HP】と【MP】を4D点回復していいよ。ポーションなども使いたければ好きなように。

ミナカ:わーい。

ミリー:助かる。


 一行の目的はこの積み荷をルネスまで運ぶことである。……新たに加わった心強い仲間と共に。


GM:では出発してすぐに、「ところで、私の背が空いているのだけれど、そのしなやかな脚に踏まれる栄誉を大地に与えてやるのは、少々優しすぎはしないかい?」と。

シェンメイ:(あ、しゃべった)

ミリー:「乗るときにこっちが言うから黙れ」

GM:「ふひひいん」。ではユニコーンは黙らせて、皆さんはウィンディアを後にし、街道を東へ進んでいます。このまま何事もなく進めばルネスへ着きますね。

ミナカ:よーし。

フォニエ:何事もないんですか?

GM:何事もないと思いますか?

ミリー:ない訳ないだろうな。

シェンメイ:ですよね。

ゲッカ:何事もなかったらキル取れないじゃん。

GM:街道を暫く行くと、どうやら騎士たちが検問を敷いている様子です。遠くから声を掛けられますね。

ミリー:騎士?

GM:はい、騎馬に乗った鎧姿の騎士たちです。「そこの行商、止まれ」「その荷、改めさせてもらう」と。

シェンメイ:「ええっ!?」

ゲッカ:「どうすりゃいいのコレ。撃っていい奴こいつら?(ひそひそ)」

ミナカ:「どうしようね?」

フォニエ:「一発で全員仕留められるならいいんじゃない?」

ミリー:「見られてまずいものはないだろ。ないよな?」

GM:さあ、食糧はたくさん積んでありますね。

シェンメイ:「ミリーさん、どっち側の兵士かは分かりますか?」

ミリー:わかる?

GM:わかります、というか名乗ってくれます。「我々は円卓の騎士団第二隊に属する」「これより先は逆賊の根城へ通ずる道。何者も通ることまかりならぬ」と。

ミリー:「なるほど話が早くて助かる」

GM:「その荷の中身によっては、君たちは密輸の疑いを受けることになるだろう」「あれに見えるレニワン砦にて話を聞く。大人しく同行してもらおう」と、北側の丘の上に見える砦を指します。オープニングでミリーが戦っていたところですね。

フォニエ:円卓の騎士が占拠してる?

シェンメイ:まあ、そうなりますよね。

GM:ユニコーンが小声で、「あれは以前君達を襲った連中ではないかい? 気に入らないな」ってミリーに。

ミリー:やっぱりそいつらなのか。


https://drive.google.com/file/d/1HvgwJPPFGsKzr8iQj1SfBUca6RvMdqUJ/view?usp=sharing

 このシーンのマップ。騎士たちはマップ右側、PC達は左側に配置。かなり間合いがある。


シェンメイ:「戦闘は避けられないと思いますが、どこまで引きつけますか?」

ミリー:「荷物を囮に不意打ちがまあベストタイミングじゃないか」

GM:では、君たちが何やら話し合っているのを見て、騎士たちは「従う意思なしと判断する」「実力行使もやむを得ない」と。馬を走らせようとします。ここから戦闘ラウンドです。

ミナカ:仕方ないよねー。

GM:エネミーは騎乗状態の騎士が4体。いずれもソロエネミーです。両手剣を持っているのが2体と、クロスボウを持っているのが2体。

ゲッカ:Ⅰ章を思い出すね。

シェンメイ:あのときはモブでしたけどね。多分違うデータでしょう。

GM:ここですが、特別に騎士の持っているクロスボウに【アイテム鑑定】判定ができます。【鑑定値】は非公表とします。

ミリー:全員?

GM:希望するなら全員OK。

ミリー:【知力】なんか無いが、一応振り得か。2D+3で10。

ゲッカ:同じく2D+3。お、目が高い。13だね。

GM:【アイテム鑑定】だけにお目が高いと。

シェンメイ:9です。

ミナカ:【知力】は7あるよ。あれ、13。まあいいかな?

フォニエ:7ですね。

GM:じゃあ誰もわからなかったよ。まあマジックアイテムなんだろうね。


 この弓は、基本ルールブック改訂版②、106ページに掲載の『フレイムシューター』。射撃攻撃攻撃のダメージが<火>属性の魔法ダメージとなるマジックアイテムである。

 事前に解っていればフォニエの《エレメントエンチャンター》で同属性になることでダメージを減らすことができた。まあ、通らなかったが。


ゲッカ:騎乗状態といえば、『バイク』には乗っててもいい?

GM:乗ってるほうが自然でしょうね。どうぞ。

ゲッカ:じゃあ【移動力】が18になるよ。

GM:ミリーも今なら騎乗状態でシーンに登場してもいいけど?

ミリー:言おうと思ってた。

フォニエ:葛藤だ。

ミリー:「この平野で騎馬相手にやり合いたくないな……。」

GM:ユニコーンは期待を込めた眼差しで見ているよ。

ミリー:いや、このユニコーン出した後に、【移動力】が欲しくなるマップ出してくるのずるいだろ。

GM:PCには新たな力で活躍する場を用意してあげないと。

ミリー:物は言いようだな!

シェンメイ:これって、同乗状態になれますか?

GM:ん? あー、シェンメイなら乗れますよ。

シェンメイ:なるほど。

GM:ミナカちゃんは乗れない。

ミナカ:ですよねー。


 ユニコーン基準の「清らかな乙女」判定の問題である。


ミリー:じゃあ、「……おい。足を借りたい。」って言ってみるけど……。

GM:では「フフッ。必要とされるのは、実に嬉しいものだね」と言ってミリーの前にしゃがんで、「さあ乗りたまえ、君のためならばどこまでも駆けてみせよう!」って意気揚々としているよ。

ミリー:「だから嫌だったんだよ!」

シェンメイ:「私も後ろにお邪魔します」

ミリー:(こいつからするとこれ一種のハーレム状態だよな……と一瞬考えそうになったところで余計なことを気にするのをやめた)

GM:では2人を乗せたユニコーンは、「フフッ、両手に花という言葉があるが、我が両手は地を踏みしめることで君たちを持て成そう。最上の乗り心地を約束するとも」と誇らしげに言う。

フォニエ:「こういうのって目を塞ぐと大人しくなるんだっけ?」

ミリー:「戦闘に集中させろ!!!」



■ラウンド1


GM:そう、戦闘でした。セットアップから入りましょう。【行動値】19の、剣を持った円卓の騎士2体は、《グランディア》:3を使用します。「祖国に栄光あれ、エルーランに輝きあれ!」このシーンの間、武器攻撃のダメージ+3D。後は無いよ。

ミナカ:【行動値】負けてるから、《クイックステップ》。《ステップ:ウォーター》:3と《ステップ:ブライト》:3を使うよ。「さあさみなさんご覧あれ」命中判定の達成値に+6と、【行動値】+9。これで先手が取れるね。

シェンメイ:ここは使いどころですね。《チャネリング》で、セットアップに《セイクリッドダンス》を使用します。このシーン中、私の行うあらゆる判定に+1Dします。

GM:マジで意味わからないこと書いてるよねそれ。

シェンメイ:強いですよね。《チャネリング》のシナリオ制限と、クリンナップに【MP】5点を支払わないと維持できない問題はありますけど。

フォニエ:私は、ミリーに《ファイアスミス》:3を。50G消費で、シーン中対象が行う武器攻撃のダメージに+9です。魔術判定は成功。

ミリー:「こいつはいい」

GM:なんか初戦とセットアップの動き全然違うね君たち。

シェンメイ:こっちが本来の動きなんですよ。


GM:じゃあイニシアチブプロセス。ゲッカから。

ゲッカ:待った方がいいよね。待機。

ミナカ:【行動値】抜いたのはいいんだけど……。

シェンメイ:真っ先にメイジが突出するのは危ないと思います。

ミナカ:じゃあ待機します。

GM:剣を持った円卓騎士です。2体とも全力移動、【移動力】33なので8スクウェア走ります。行動終了。

フォニエ:速い。

シェンメイ:メジャーアクション放棄で寄って来てくれたのはありがたいです。どうせ近寄らなきゃいけないので。

ミリー:飛んで火に入る夏の虫じゃないか。

GM:では次ミリー。「なかなかの馬を揃えているようだが、あのような凡骨に後れを取ることは無い。さあ、しっかり捕まっていたまえよ!」ユニコーンはやる気だよ。

ミリー:僕も待機した方が良いだろうな。

GM:「どうしたのだ? まだ出ないのか?」ユニコーンは残念そうだよ。

ミリー:弓が動くのを待ってるんだよ。あそこから撃たれたら厄介だからな。


GM:では、クロスボウを持った円卓騎士です。ムーブ戦闘移動、剣のすぐ後ろまで移動すれば届きますね。そしてマイナーアクションは《シュアショット》:5 。「静かに狙う……それだけです」

フォニエ:レンジャーのスキル?

GM:はい。射撃攻撃の命中判定+1Dとダメージ+[SL]です。

シェンメイ:バカのスキルだー!

ミリー:本当だ、よく見たら係数1じゃないか。5取る奴いないだろこれ。

GM:普通PCは1しか取らないスキルを取り切ってるエネミー、あるあるだと思います。

ゲッカ:あるなぁ。

GM:攻撃対象は誰でもいいかな、ランダムで……シェンメイ! メジャーアクションは《ストラグルクラッシュ》!

ミナカ:!?

シェンメイ:あー。

ミリー:ナイトじゃなくてウォーロードかよ!


 《ストラグルクラッシュ》は、ウォーリアの上級クラス、ウォーロードのスキル。単体に《バッシュ》による攻撃を2回行う。2回目の《バッシュ》は、ダメージに+2Dのおまけがつく。

 使用条件は「装備部位:両」の武器を使用していることなので、弓を装備していても使用できることも特徴。スカウトの《ダブルショット》も形無しである。


GM:いくぞー。「二連装、発射します」一発目、命中は《シュアショット》こみで5D+9!

フォニエ:5D。

ミリー:多くないか?

シェンメイ:クリティカル狙いのデザインですね。これは《バーストスラッシュ》ある。

ゲッカ:あるだろうなぁ。


 《バーストスラッシュ》はもう一つの両手ウォーロードの定番スキル。命中判定がクリティカルしたとき、対象の【物理防御力】【魔法防御力】を0として扱うスキルだ。

 両手ウォーロードのエネミーが命中ダイスを多く振ってくるからには、これも持っているだろうというPL達の読みであるが、実際、持っている。流石だ。


GM:あ、武器は『フレイムシューター』なので、射程は30mです。命中は……残念、6は1つでクリティカルなし。達成値は25。

ミリー:さっきの【アイテム鑑定】判定はそれか。

フォニエ:ということは<火>属性魔法ダメージ?

ゲッカ:クリティカルしなくても痛いじゃん。

ミナカ:大丈夫?

シェンメイ:ダメージ次第では大丈夫じゃないですね。回避失敗。

フォニエ:クリティカルしてないですし、ここは《カバーリング》無しでいきます。

GM:では《バッシュ》の+5Dと《シュアショット》の+5を入れて、ダメージロール、7D+38で、57点の<火>属性魔法ダメージ。ちょっと目が低めですね。

シェンメイ;良かった、これくらいなら大丈夫。【魔法防御力】19を引いて38点受けて、残り41。《プロテクション》は次に取っておきます。

フォニエ:クリティカルしなかったら次も耐えそうだけど、一応カバーするかな。

GM:さて、<火>属性の魔法ダメージを与えたので、《火矢の猛火》:5が効果を発揮します。「着火。このまま焼き払います——命令とあらば」

シェンメイ:はい?

GM:オリジナルエネミースキルです。効果はこちら。


《火矢の猛火》 5:

タイミング:パッシブ

判定:- 対象:自身

射程:- コスト:-

あなたの行った攻撃で<火>属性の魔法ダメージを1点でも与えた場合、その対象と同じエンゲージにするすべてのキャラクターはクリンナッププロセスごとに[SL]D点の<火>属性の魔法ダメージを受ける。この効果はそのキャラクターが移動か転送を行うか、シーン終了時まで持続する。


フォニエ:エンゲージごと燃えるのね。

ミリー:同乗者の僕も燃えるわけか。

ゲッカ:今は同一エンゲージに居るから、みんな燃えるが。

ミナカ:熱いよ。

GM:では《ストラグルクラッシュ》の2発目を処理するよ。命中判定はクリティカルせず、31。

シェンメイ:《セイクリッドダンス》で3D+2振れるけど、やっぱり無理ですね。13で失敗。

フォニエ:ダメージロール直前。《カバーリング》します。

GM:OK。ではダメージロール、《ストラグルクラッシュ》2発目の+2Dを加えて、70点。

シェンメイ:《プロテクション》します。5Dで……うわ、3,5,5,6,6で25。

GM:高っ! 

フォニエ:でも32点抜ける。《ディフェンダー》できてないから結構痛いね。

ミリー:「拿捕する気なんて最初からないだろあの弓!!」

GM:「この弓は制圧用に支給された物。異物は焼き払うのみです」と答えて、一人は行動終了。さて、もう一人の弓兵が動きます。

ミナカ:待って。ここでフォニエさんに《エンカレッジ》していい?

フォニエ:《ディフェンダー》使えれば大分変わるから有難いです。クリティカルしなければ。

ミナカ:おっけー。イニシアチブプロセスでフォニエさんに《エンカレッジ》します。「頼むよー」

フォニエ:「お、おお?」


GM:どうぞ。じゃあフォニエのメインプロセスです。

フォニエ:もらいます。燃えてるけど移動はしなくていいよね。ムーブなしで、マイナーで《ディフェンダー》。《マジックディフェンダー》込みで【物理防御力】【魔法防御力】が+15される。

シェンメイ:5Dの魔法ダメージは、フォニエなら別に怖くなさそうですね。

フォニエ:メジャー暇なので、『HPポーション』を飲みます。11点回復。


GM:終わったなら弓持ちが動きます。戦闘移動で別エンゲージに走って、《シュアショット》、《ストラグルクラッシュ》。対象はやはりランダムで、今度はゲッカです。

ゲッカ:は?

シェンメイ:まあ、マシな方だと思います。

GM:命中は、またしてもクリティカル無しで27。5Dって頼りないですね。

ゲッカ:んー、【回避】判定にフェイトを1点入れる。それと《ドッジムーブ》。

フォニエ:なるほど。

ゲッカ:《ストラグルクラッシュ》は、一発目を回避されると終了するからね。4D+15で32、回避成功だよ。

GM:ウォーリアの数字じゃないんだよなあ。仕方ない、二発目も出せないので行動終了です。「馬鹿な!? あのような鎧を着て、あんな!?」と驚いているよ。

ゲッカ:「は? 良いデバイス買ったら強くなった気になる雑魚か?」


GM:では待機していたメンバーの行動。シェンメイだけど、君、同乗状態だから移動できないよね? 攻撃できないと思うけど……。

シェンメイ:お構いなく。マイナーは《コールゴッド:カグツチ》:5。シーン終了まで攻撃のダメージを+20。メジャーは、《ホーリーウェポン》:5、《マニフィカート》つきです。

GM:ああ、なるほど。

シェンメイ:同時にクラスロールの《ホーリーオーダーⅠ》を使用して、対象を私たち全員に。シーン中、武器攻撃のダメージに+15、命中判定に+1Dです。


ミリー:やっぱり範囲支援は強いな。次は僕だ、ムーブアクションで弓を持った奴にエンゲージする。ユニコーンの分で届くからな。

シェンメイ:後ろにちょこんと座ってます。

GM:「風のように軽やかだ、良いぞ!」とご満悦です。

ミリー:(無視)マイナーは『ハイMPポーション』。メジャーで《ハリケーンブロウ》を弓持ちに。命中判定、24。

GM:回避は2D+5しかない。当たったよ。

ミリー:ダメージロール直前に《ピアシングペイン》だ。攻撃を貫通ダメージにする。ダメージロール、61点。エンゲージは弓同士でまとめておこう。

GM:了解。移動させられたよ。あと[スリップ]が入るので、騎乗状態が解除されて2Dの貫通ダメージを受けた。

ミリー:[威圧]も入るぞ。『アレストウィップ』の効果で弓も没収だ。使いたければマイナーアクション2回使ってくれ。

GM:本当に酷いな。「くっ、卑劣な……まさか、"狡兎"のミリー!? よくもおめおめと顔を出せたもの……」

ミリー:「そっちじゃそんなかっこいい呼び方をしてくれてるのか、ありがたい話だ」

GM:そんなことを話していると、剣を持っている方も「あの……逃げ足と卑劣さにかけてはエリンディル全土に並ぶものなしと言われる、ミリーか!!」と。

ミナカ:有名人なんだねえ。

GM:「あのミリーを捕らえたとなれば、隊長にもお褒めの言葉がいただけるだろうな」「うむ、エルーランに輝きあれ!」

ミリー:「南側についたことをあの世で後悔しろ」


GM:じゃあ次ミナカちゃん。

ミナカ:はーい。どうしようかな。《マジックブラスト》すると移動ができないよ。

ゲッカ:あー、エンゲージが燃えてるのか。私のバイクに同乗してれば良かったね。

シェンメイ:燃えながら2体に《ウォータースピア》するか、移動して1体に《ウォータースピア》するか。

ミナカ:うーん。一応移動します。それで、ミリーさんが攻撃した方の弓に《ウォータースピア》ね。

ゲッカ:次私な。


 ミナカの魔法攻撃は無事命中。続くゲッカの《ファニング》はお得意の《バレットマーク》による【物理防御力】【魔法防御力】ダウンを、剣2体と弓1体の計3体に与えた。


ミリー:「乗ってやる」ダメージロール直前に《シックネス》:3だ。その3体に[衰弱(3)]を与える。


GM:OK、入る。これで全員行動終了だね。クリンナッププロセスです。移動していないフォニエが燃える。5Dで16点。【魔法防御力】を引いて0点。

フォニエ:「すごい、熱くない」

GM:おかしいんだよなあ。

シェンメイ:《セイクリッドダンス》の維持に5点の【MP】を消費します。

GM:剣を持った円卓騎士は、《リカバリー》を使用します。「この程度で膝を突くものか!」クリンナップにバッドステータスを回復するスキルだね。これで[衰弱]を回復するよ。

ミリー:面倒なもの持ってるな。

フォニエ:クリンナップだと、[放心]とかには意味ないですよね。

シェンメイ:《インデュア》とかの影に隠れてしまったスキルです。



■ラウンド2


フォニエ:さて。

ミナカ:うん?

フォニエ:セットアップには《エレメントエンチャンター》が使えるわけですが。


 対象を好きな属性にするスキルである。つまり、自分が火属性になることで、弓の攻撃を同属性で受けることができるようになるというわけだ。


フォニエ:剣の攻撃が水属性であることを懸念しています。

シェンメイ:あー。

ゲッカ:ありそうだよね、というか、やりそうだよね。


 このGMへの信頼感よ。

 実際には、剣を持った騎士の武器は『アウトレイジ』。普通の両手剣である。


フォニエ:弓はもう大丈夫そうだし、今回は見送ろうかな。

シェンメイ:ミリーさん。セットアップでエネミーとエンゲージしておいてくれますか?

ミリー:OK。《ランナップ》で弓2体のエンゲージに突入する。

GM:「ああ、君たちを運ぶのは私の役目さ!」ユニコーンは嬉々として二人を運ぶよ。

シェンメイ:無視してくっついてます。


ゲッカ:じゃあ私。いつもの『砥石』入れた《ファニング》、今度は弓2体と剣1体な。命中判定は26。

GM:だったら元気な方の弓は 《シュートアウト》でリアクション。射撃攻撃か魔法攻撃を射撃武器を使用した命中判定で行うスキル。シナリオ1回ね。

ゲッカ:あれ? それ使うの今なんだ? さっき私とミナカちゃんで弓を攻撃したのに。

ミナカ:そういえば。

GM:使いたかったんですけどね……。

シェンメイ:あっ。

GM:……弓がな……無かったんじゃよ……。

ミリー:はは。

GM:ともあれ命中判定で4D+9。19……普通に失敗したわ。あと2人も当たる。

ゲッカ:じゃあこれで全員《バレットマーク》ね。あ、《連携Ⅲ:スターライトバレット》を始動しておきたかった。

GM:あ、いいよ。じゃあ連携属性:光が発生します。

ゲッカ:「シェンメイ!」


シェンメイ:はい。《連携Ⅲ:シールドブロウ》で連携継続を宣言します。ムーブアクションはなし、マイナーアクションでユニコーンから降りますね。

GM:あ、降りるんだ。

シェンメイ:ええ。ミリーさんと同乗していると、私が攻撃するときにはエンゲージにエネミーがいないんですよ。

ミリー:吹っ飛ばすから仕方ない。

GM:それで事前にエンゲージしておいたわけね……。

シェンメイ:メジャーは《ハンマーストライク》:4。弓持ちを攻撃、命中は5D+6で、5,5,5,6,6。クリティカルです。

GM:おかしい、同じ5Dではないのか。回避失敗。

シェンメイ:ダメージロール。70点の物理ダメージですね。《連携Ⅲ:シールドブロウ》の効果で、通れば[スタン]。

GM:ゲッカのせいで【物理防御力】下がってるからメチャクチャ痛いけど……。騎士も「????」ってなってるよ。

フォニエ:火力支援が手厚いメンバーだからね。

GM:さて、シェンメイは騎乗状態が解除されて行動終了。「……降りてしまうんだね、寂しいなあ」ユニコーン寂しそうだよ。

ミリー:「だめだこいつ」

ゲッカ:「こっちのバイクは静かでよかった」

GM:バイクの方が静かって落ち着いて意味わかんないからね?


 この後はミリー、ミナカが連携を継続。ミリーの攻撃でもう一体の弓兵も武器を無力化され、剣を持った騎士の片割れとエンゲージを纏められたところにミナカの《マジックブラスト》《ウォータースピア》が炸裂。ミリーの《シックネス》もここに乗せられた。


ミリー:「新品の武器でウキウキだったろうに、残念だったな」


 と、ミリーはこう言っているが実は新品ではない。後に意味するところが分かるが、この弓騎兵は以前よりこの火弓を使用している。


ミリー:次は僕だ。《連携Ⅲ:スピニングツイスト》で連携継続を宣言する。

GM:「フフッ、このように清い乙女を背に戦場を駆けるというのは、やはり良いね。興奮を隠せない」背に一人だけになったけど元気そうです。連携はこれで終わりかな?

フォニエ:いえ、私が続きます。《連携Ⅲ:バーニングゲイザー》で連携継続、条件は「分類:錬金術」を使用した武器攻撃。

GM:錬金術? グレネードとかだよね。

フォニエ:グレネードとかは持ってないので作ります。マイナーで《ウェポンクリエイト》:1です。何でもいいですけど短剣で。

GM:なるほど、連携継続の条件はそのメインプロセスでその条件を満たす行動をすることだから、継続時点では持ってなくてもいいわけね。


 じゃあ、《インタラプト》とかで武器の調達に失敗したらどうなるんだろう。連携はそこで途切れるのはわかる。でもそれなら、そもそも武器を調達する気が無いのに連携継続を宣言してイニシアチブキャラクターになることはできるのだろうか。

 謎が謎を呼ぶ。GMは考えるのをやめた。とりあえず今回は大丈夫である。


フォニエ:じゃあ剣を持ってる方に《アーマーブレイク》:5。命中は24。

GM:当たる。【物理防御力】-20ですね。

フォニエ:《連携Ⅲ:バーニングゲイザー》で<火>属性魔法ダメージになるけど、《アーマーブレイク》なのでダメージを与えない。

GM:つまり【物理防御力】-20ですね。

フォニエ:はい。


GM:弓持ち(弓を持っているとは言ってない)の子たちは「やはり隊長がいなくては……」「うう……」と、気圧されていますね。

ミナカ:かわいそう。

GM:これでPC達は行動終了ですね。では剣を持っている子が動くよ。マイナーは《ブレイクスラッシュ》:3。「何者にも邪魔はさせぬ!」 武器攻撃のダメージに+9して、ダメージ軽減を行うスキルやアイテムを無効にするよ。

シェンメイ:あ、こっちがナイトなんだ。そういえば《グランディア》してましたね。

GM:はい。メジャーアクションは《バッシュ》:5。「全力で参る! 対象はエンゲージしているフォニエ。

フォニエ:これは仕方ない。

GM:「円卓の剣は舞うが如し、見切れまい!」攻撃と同時に、《スタイル:ザ・ラウンド》:2。この攻撃のリアクションに-1Dです。シナリオSL回なのであと1回残ってるよ。

ゲッカ:まあそれもあるだろうさ。

フォニエ:どうせ避けられないから関係ないです。

GM:では命中判定、2D+15で23。

ミリー:低いな、命中。

GM:まあリアクションー1Dですからね。

フォニエ:1Dしか振れないので無理です。リアクションなしで命中。

GM:では《騎乗攻撃》を持っているので、ダメージに【移動力】の33が乗ります。

フォニエ:仕方ないです。

GM:10D+71で……101点の物理ダメージですね。《ブレイクスラッシュ》で軽減不可です。

フォニエ:仕方な……いやめっちゃ痛い!! 【物理防御力】引いて50点抜け、残り20です。

ミナカ:大変そう。

シェンメイ:うーん、弓も大概だと思ったらこっちも相当でしたね。さすが円卓。

ゲッカ:<水>属性ではなかったけど。


GM:さて、剣を持っている子はもう一人います。こちらもエンゲージしている相手に攻撃するよ。《ブレイクスラッシュ》、《バッシュ》です。

ミリー:対象は?

GM:はい。同時に《リバウンドバッシュ》を使用、対象を6体までに変更します。「纏まっているとは好都合!」

フォニエ:こっちが範囲攻撃だったー!!

ミナカ:ああー。

ミリー:おい、これまずくないか。

GM:対象はミリー、シェンメイの2人です。当然《スタイル:ザ・ラウンド》を乗せるよ。

シェンメイ:まずいですねえ!

ゲッカ:ここで《カウンターショット》切る?

フォニエ:いや、大丈夫。私もう仕事ないから、《カバームーブ》して倒れてもいいし。

ゲッカ:いいのかなそれ。いいならいいや。

GM:命中判定は26です。リアクションー1Dでどうぞ。

ミリー:……当たったら死ぬな。「いざって時に動きやすいんだ」『ヴァーナパンツ』の効果を使って+3。《ドッジムーブ》も入れる。3D+19で……24。

GM:あっ。

ミリー:フェイトを使って振り直し!! 35!! よし避けたぞ!!

GM:ではミリーは回避成功。「任せたまえ! 影も踏ませないさ!」ユニコーンもご機嫌です。

シェンメイ:《セイクリッドダンス》分で2D振れますけど……8。流石にこっちは無理ですね。

フォニエ:では予定通り《カバーリング》を、《カバームーブ》で。

GM:はい、ダメージロール……105点ですね。

フォニエ:54点抜けで、【HP】マイナス34。「あれ?」予定通り倒れます。

シェンメイ:「ごめんなさい……っ」

GM:「おのれ狡兎! 味方を盾にするとは!!」騎士はミリーの卑劣さに激怒しているよ。

ミリー:「お前もうちょっと真面目に目を開けろ」


GM:「まあよい、次の一撃は必ずや貴様の胴を両断してくれよう」と剣を構え直します。でも、メジャーアクションを行ったのでさっき貰った[衰弱]のHPロスが入る。「くっ、これは……呪い!?」

ミナカ:そういえば入れてもらってたね。

GM:弓二人はメインプロセスで離脱して、『フレイムシューター』の使用不可を解除するよ。クリンナップです。

シェンメイ:《セイクリッドダンス》継続コスト払う。

GM:[衰弱]は《リカバリー》で解除します。



■ラウンド3


GM:さて、セットアップです。「悪知恵ばかり回る兎めが……貴様の首、必ずや王の御前に供してくれる!」[衰弱]も解除したので、気合を入れ直しました。

ミリー:「盲信もここまでくると呆れ果てるな……」《ランナップ》で離脱する。

GM:あー離脱ね。じゃあ……「アンナ姫を拐かし、王家転覆を図ろうという賊の言葉など聞く耳は持た……ぐわあ!?」

ミリー:ああ。ユニコーンの効果でそいつに10点のHPロスだ。

GM:「はい乙女通ります」って蹴って行ったよ。他にセットアップがないならゲッカからね。


ゲッカ:いつも通り《ファニング》ね。位置が悪いから今回は剣2体。シェンメイに繋ぐよ!

GM:はい。当たるし痛いよ。【物理防御力】も【魔法防御力】も、酷いことになってるしな……。騎士たちの鎧や服はボロボロです。

ゲッカ:2ラウンド目以降は《バレットマーク》に《ワンコインショット》が重なるからね。

GM:「うわあ、破れて……見たくないものが見えてしまったね」ってユニコーンが顔を背けるよ。

ミリー:「ずっと裸の馬がそれ言うの、どうなんだ」


シェンメイ:では連携継続。《アーマーブレイク》が入った剣持ちに《ハンマーストライク》です。

GM:「お前たち、わかったぞ。さてはそこの兎に騙されているのだな!?」

ゲッカ:「えっ、もしかして撃っていいの嘘だった!?」

GM:「そいつは君たちが思っているような輩ではない、もっと狡賢く、凶悪で、悪辣で……」

ゲッカ:「うん。」

GM:「? 清い乙女だよ?」ユニコーンも口を挟むよ。あ、命中判定どうぞ。

シェンメイ:はーい。命中判定……25です。

ゲッカ:「そう。いやね。私が聞いてるのは、お前を撃っていいのかどうかだよ」

GM:「駄目だって! もう撃たれたけど!!」回避振るね。失敗。

ゲッカ:「あ、後ろ殴ってきてるよ。気を付けてあーーー……」

GM:「ぽげ」騎士くんの後頭部にシェンメイのハンマーがめり込んだね。

シェンメイ:ダメージロールします。61点。

GM:(しーん) 動かなくなっちゃったよ。

ミナカ:かわいそう。


ミリー:「お前らの横暴を咎めるのに、手段などいちいち選ぶか」連携継続だ。

GM:「貴様ら……特にそこの兎、貴様はエルーランの臣民であったのではないのか? 何故このような不忠を……!」残った剣の方が言います。

ミリー:「よもや卑怯とは言うまいな」《フェイント》を入れて白兵攻撃だ。

GM:「卑怯!!」って言うよ。

ミリー:知らん。命中判定は19な。

GM:回避は……13で失敗。まあミリーなら非力やし……。

ミリー:2D+54で64点だ。

GM:《ファイアスミス》《ホーリーウェポン》《バレットマーク》まで乗ってればそうなりますよね……。うん、こっちも倒れました。

フォニエ:「ぐえ。ちょっと、上に倒れてこないでよ」

ゲッカ:「生きてんじゃん」

フォニエ:「鎧が邪魔で一人じゃ起き上がれないの」


 この時点でエネミーは弓をまともに持てない弓兵が2体。ミリーが適切に動けば完封可能となった。GMは戦闘続行に意味はないと判断する。


GM:そうですね。では、剣持ちがやられたのを見て、弓を持った子たちは砦の方へ撤退していきます。戦闘終了です。

ミリー:追うことは?

GM:ドロップ品は置いてったことにします。どうしても逃がしたくないなら戦闘続行してもいいけど。見送るなら4ラウンド、好きに行動していいですよ。

ミナカ:荷車は?

シェンメイ:戦闘不能もいるし、立て直す時間が欲しいです。

ミリー:仕方ないか。


GM:「ううう……おのれ狡兎……貴様らの悪行、必ずやアーケンラーヴの光の下に晒される日が来るぞ……」倒れた騎士がうめいています。

ミリー:こっちの台詞だ。

GM:じゃあ、ユニコーンが「私はそのアーケンラーヴの霊獣であるわけなのだが……フフッ、大丈夫だよ我が乙女。君の純潔と純粋は私が保証するとも」と言ってくれるよ。

ミリー:「潔白を証明しろ」


 尤もである。


GM:「私はブリガンティアの使徒ではないから、予言はできないのだよ。ただ、君の清らかな魂を愛でることしか、私には許されない……悲しいことだね」

ミリー:「お前の創造主に直接会ったら、お前の趣味について徹底的に追及してやるからな。一体何の冗談で僕はエルーラン北朝独立のために恋愛禁止を貫くハメになっているんだ」

GM:ではフフッと笑って、「心配はいらないよ、君に近づく羽虫は私が蹴飛ばしてしまうからね」と誇らしげにしているよ。

ミリー:「どっちも話にならん!!!」


 なお、こうしてユニコーンとミリーがイチャついている間に、シェンメイはてきぱきと仲間の負傷を癒していた。


シェンメイ:『山の寵愛』を置いて『高位聖印』に変えて《ヒール》して《ファーストエイド》して《ヒール》して……。

フォニエ:「ちょっと手を引っ張ってもらっていい?」

シェンメイ:「分かったわ」

フォニエ:「よいしょっと」

ミナカ:【エネミー識別】もできるのかな。

GM:いいですよ。


 この【エネミー識別】判定は弓だけ通り、「エルーラン騎乗弓兵」のデータが公開された。大体戦闘で見えている通りである。


GM:ではドロップ品ロールも終えて、皆さんは荷車を引いて街道をさらに進んでいくことになります。

ミナカ:はーい。

ミリー:どうせ追ってくるんだろ。

GM:ははは。それでは、シーンを切り替えましょうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る