序章・エンディングフェイズ そして南北朝へ……。

◆エンディングフェイズ "温泉の街"ルネス


 一行は無事にルネスへと帰還することとなった。そこで、アンナからの重大発表が行われる。


GM:「帰ったそうだな、貴様ら。一体何を考えている、何なんだあの残った連中は!!」まあ、当たり前ですけど、オズボーン伯は大層おかんむりです。

紗綾:正直、残った人たちのことは知らないです。

GM:で、エベントンさんが出ていきます。「やかましい。少しは静かにせい。姫の御前だぞ」と言ってアンナ様の方を見るよう促しますね。

シェルト:「父上! 戻られたのですね! でかしたぞ紗綾——ひ、姫!?」

GM:シェルトくんと一緒にオズボーンも「は? え? いや、いや。これはどうしたことですかな?」と。

マジカルイワシ:「姫様がお前の悪事を見過ごせないってよ」

カイン:「我が主が少しお出かけしたいと」

GM:改めてアンナ様が前へ歩み出ます。「……こほん。我が騎士カイン、此方までの護衛、真にご苦労でありました」

カイン:(聞きましたか! 裏切っても勝てば騎士として認められるんですよ! 見てるか我が祖!)

ミリー:「姫…………!?」(そりゃ切り札としちゃ申し分ないが。一体何の縁でこうなったんだ。)

紗綾:ぜんぶカインさんのおかげだね。

ロット:「(小声)オーサさん、カインさんは姫様の直属の騎士らしいですよ」

GM:アンナ様は恭しくオズボーンに話しかけます。「そしてハドル・オズボーン伯爵。この度のルネス伯代行としての業務、大義でありましたね。この通り、エベントン氏が戻りましたので、その任を解く。自由にするがよいでしょう」と。それはもういい笑顔で。

紗綾:「……みなさん、お疲れ様でした」

GM:「いや、いや、姫、何をおっしゃいます。話が、話が違いますぞ」オズボーンは面白いほど狼狽えていますが、「はて、お前と話をしたことがありましたか」と流されてしまいます。


 実際、オズボーンはアンナと何か話をしていたわけではない。話が違うというのは単に、彼の予定と違うということにすぎない。


GM:「いいえ、いいえ、そうではありませぬ! 私の、私の事情というものが」まあ、何かいろいろ台無しになったんでしょうね。

マジカルイワシ:だろうな。

GM:エベントンさんも見ていられなくなって「ハドル、お前の事情とやらは姫の意志よりも優先されるものなのかね」と。

マジカルイワシ:良いざまじゃないか。

GM:そうしていると、アンナ様は皆の前に立ち、演説を始めます。「さて、旅の労を労いたいのは山々ですが、皆にはもうひと働きしていただきます。そしてギルド、社会保障支援機構の面々はよく聞いてくださいますよう」

シェルト:流石に臣下の礼を取ります。

マジカルイワシ:(耳を塞ぐ)

紗綾:「なんでしょうか?」厄介ごとなんだよなぁたぶん!

GM:「……此処にありますのは、エルーラン王家の継承者を示す秘宝アステリア。そしてわたくしはそれを継ぐ者です」

紗綾:「……えぇ」

マジカルイワシ:(知ってる)

カイン:(そうでしたね)

クラゲカマキリ:(そうだな)

ロット:(王家の証……試練の洞窟に潜って、裸マントの盗賊や両手に盾を持ったカバと戦ったりしたのかな)

GM:「真に、真に口惜しいことですが、我が父は覇気を失い久しく、王都ログレスは貴族たちの陰謀渦巻く坩堝と化しています。甘言を弄し、金品を不正に受領し、私腹を肥やそうという者が幅を利かせているのです。そうでしょう、オズボーン伯」

紗綾:「……なるほど」ベアトリスさんもなんかそんなこと言ってたね。ね。

ミリー:「想像には容易い。」

マジカルイワシ:(これが終わったらヴァンスターに帰ろう)

GM:オズボーンはまあ、「……全く、全く何の話やら見当がつきませぬ!」って言ってますけど……顔に書いてありますね。

シェルト:「おい貴様、不敬だぞオズボーン!」

GM:アンナ様は話を続けます。「ここに王の証があります。ここには正しき者たちがいます。ならばエルーラン発祥の地とは。古き伝承とは。そこまでして固執する必要のあるものでしょうか」

カイン:GM、マジ?

GM:マジ。思いついちゃったぽんぬって人が悪い。

ぽんぬ(野次馬):てへぺろ。

ミリー:「……このルネスを新たなる王都にしようと?」

カイン:(これは流石に止めるべきでは?)

紗綾:「……それは、また」

GM:「父は乱心してしまいました。我がエルーランが抱える、最も大きな膿、悪しき病巣は、王都ログレスそのもの」

シェルト:「お……おい。魔術師。姫は何を言ってるんだ?」

マジカルイワシ:「よし、帰る!」

トリシー:(イワシに回り込む)


 元妖魔志士トリシー。今まで静かだったが、一応この場にいたようだ。


紗綾:「……しかし、確かに、再びこのようなことが起ることは、遠慮したいのも事実ではありますね」

GM:では、アンナ姫は高らかに告げる。「……わたくしアンナは、ここルネスに、新たなるエルーランの誕生を宣言します!」やったね、新王朝だよ!

クラゲカマキリ:(大丈夫か?)

シェルト:「!?」

ロット:「!?」

カイン:(えぇ……本当に裏切りの騎士ではないですか)

マジカルイワシ:「こら、離せ」トリシーを振りほどこうとする。

トリシー:「お話は聞かないと」

マジカルイワシ:「聞いたよ、聞いたから帰るんだ!」

クラゲカマキリ:(そんな大改造するのは人の身体までにしたほうがいい)

GM:さて、大事な話が終わるとアンナ様はまた、年相応の表情に戻ります。「……ここまでは、ベアトリスに貰った台本の通りよ」と。

紗綾:「……あぁ、彼女が」

カイン:「そういう人でしょうね、彼女は」

トリシー:「まだ続いてる」

マジカルイワシ:「はぁ!!!??? あの女がかかわってるならなおさらだ!」

ロット:「国民へのPRのためのマスコットキャラクターとか作ります? おうとくんとかどうでしょう」

紗綾:どうしますか? とエベントンさんに視線を。

GM:エベントンさんは、まだ黙ってアンナ様の話を聞いています。

ロット:「一から国を作るわけではなく、既に民はいるので、いろんな街の宿屋で移民を探す必要はなさそうですね」

シェルト:「ち、父上……エルーランは……いえ、しかし、秘宝アステリアは、ここに……?」

GM:「ここからはわたくしの都合です。あのままあの城にいては、わたくしは殺されてしまいます。……わたくしの持つ王位継承権を無実とし、父を殺害しようともくろむ者がいるのです」俯きがちになりながら、アンナ様はそう説明します。

カイン:それで連れ出して欲しい、ということでしたからね。

GM:「私がここに居ることで、彼らは父に手出しができなくなるのです。……今、父に何かあったなら、王位がどうなるかはおわかりですね?」

クラゲカマキリ:王位継承者の証があるんだよな。

カイン:自動的にマリアが王になるわけですね。なるほど。

GM:「わたくしがここでこうしていることで、エルーランに新たな風をもたらすとともに……お父様を守ることにもつながるのです」王位を狙う者がいても、王様に手を出せばアンナが新しい王になってしまいますからね。王を狙う意味がないのです。

紗綾:「……そうなると、今後はどう動かれる予定ですか?」台本あるなら教えて欲しいです。あとオズボーンさんどうするのか。

クラゲカマキリ:(面白い場所に派遣されたなあ)

ミリー:「なるほど。女王の誕生だ。」

マジカルイワシ:「弟が迷惑をかけた分は返したいと思うが流石にこれは身に余るぞ……」


 マジカルイワシはかつて【ダブルイメージ+】キャンペーンで、自身の弟が邪神の御子、魔人ならぬマイワシとして邪神の復活に利用されるところを阻止したことがある。その際にエルーラン王国と秘石アステリアの力を借りているのだ。

 なお、今、「なんもわからん」と思った方は正常であるので安心して欲しい。


ロット:「今までいろんなところを見て回ってきたけど、新しい国が興ろうとしている瞬間を見るのは初めてですね」

シェルト:「い、いや、違うぞツンツン頭。アステリアと姫がここにあるということは、ここが真にエルーランとなるのだ。姫は、そういうことがおっしゃりたいのだと、思う……」

ミリー:「新しい国というか。分裂だな。」

ロット:「え、そういうもんなんです?」

シェルト:「す、少なくとも僕は、秘宝アステリアについてそう教わった。だが、しかし、いくらなんでも……」

ロット:「あれ、つまりこの宝石がエルーラン王国? ???」

シェルト:「えっと……アステリアを持つものが王になるだろ。王は、王国にいるものだろ。……王がいる場所が、王国であるべきだろ」

ロット:「あぁ、王家の証だからそうなるのか……あれ、つまりエル一三世ではなく姫様がアステリアを持っているということは、国王はお亡くなりに!?」

GM:王の証と呼ばれていますが、実際には王位継承者の証なんです。まあ、ロットくんが勘違いしている分にはいいですけど。


 アンナはここルネスに新たなエルーランを興し、こちらこそが正統なる王朝であると主張しようと言うのである。


GM:さて。ここまで黙って聞いていたオズボーンですが、吐き捨てるように喋るよ。「とんだ夢物語ですな」って。

マジカルイワシ:それな。

GM:「……姫。恐れながら申し上げますぞ! 姫はお若い。お父上に溺愛され、政治についても多くを学んではいらっしゃらぬと聞きます」

カイン:「遺言は以上ですか?」

GM:落ち着け。「実際にどうかは関係ありませぬ。そのように思われているのが問題でありますな。新たなるエルーラン! ええ、ええ、なんと素晴らしい! ですが、一体誰がそれを認めると言うのです!?」

紗綾:よし、ヴァンスターに認めてもらおう!!!

GM:「外交上の承認! 後ろ盾! 実績! 姫はそれらを何一つとしてお持ちではありますまい!!」

クラゲカマキリ:(姫に触手を生やせば尊敬してもらえるか?)

GM:「そうですね。わたくしのごとき小娘がいくら美辞麗句、大言壮語を並べようと、何も変えられないでしょう。今までのように」

クラゲカマキリ:(国を作るのは新たな争乱の種になる。姫の身は一時的には守られるのかもしれないが、苦難の道となることが予期される)

GM:クラゲカマキリがちょっと賢い。

クラゲカマキリ:(たぶん)

GM:あっそうでもなかった。ところで、この辺で来客が現れます。「失礼します。こちらにルネス伯と、アンナ姫がいらっしゃると伺い、ご挨拶に参りました」

紗綾:ふえたー!?

GM:「開けていただけませんか」どうやら女の声ですね。

マジカルイワシ:駄目だ。

ミリー:「誰だ、こんな時に」

紗綾:「あ、えーと……どなたですか?」扉を少し開けて様子を伺います。

GM:じゃあ「こちらルネスの神殿へ赴任した、神官長となる予定の者でございます」と言って、入ってきますね。こんな人です。


 GMがコマを配置する。

 どう見てもベアトリスです。本当にありがとうございました。


GM:「初めまして」

紗綾:「……うわぁ」

マジカルイワシ:「帰る」

紗綾:「…………なんでまたここに? いや、どこかでくるかな、という想像はしてましたけど」

GM:「私、この度ルネス神殿へ赴任が決まりました、ベアトリスと申します」

ミリー:「………………本気か。」

紗綾:「というか、辞令とかの書類、まだもらってないんですが、本人が先に来ますか?」

マジカルイワシ:「(……転送装置使ったことなかったな…適当に触っても大丈夫か……?)」

クラゲカマキリ:「……ここは穏やかな地であったのだがな」

GM:で、ベアトリスさんですが。「……聖都ディアスロンドは、エル十三世とログレスに興った旧制エルーランを弾劾すると共に、アンナ陛下のルネス朝を正統とし、支援することを決めました」と言います。

紗綾:「…………なるほど」

ミリー:「ついたな。後ろ盾。」

GM:「その運営、外交上の用務に当たりまして、わたくしベアトリスが摂政として就任いたします」いやあ、偶然ってあるものですね。

紗綾:「ベアトリスさん。ちょっと打合せしませんか? ここまできたら」

カイン:「見て見ぬふり、事なかれ主義のディアスロンドが、そう動かれますか」

GM:「どうか皆さん、宜しくお願いいたします」ふかぶかとお辞儀しますよ。

ミリー:「少なくともディアスロンドからの、外交上の承認も得られたな。」

シェルト:「(あのご婦人はなんか難しいことを言ってるが、あっちはわからないな)」

マジカルイワシ:「あの女が諸悪の根源だぞ」シェルトに耳打ちする。

紗綾:突発的にいろいろ起こりすぎなんだよお!! こっちに根回ししろよお!!!

GM:エベントンもそう思います。「……な、なんということかね」まあ、「ルネス伯シュペンガー。厚かましいお願いとなりますが、相互に支援、協力関係で在れるよう、宜しくお願いいたします」こちらにもお辞儀します。

シェルト:「な、なに? 悪いやつなのか? ああ言ってるぞ」

マジカルイワシ:「今回の騒動の9割はあいつの自作自演だ」

GM:そこはそんなに間違ってないのが困るんだよなあ。

マジカルイワシ:「あいつをたたき切れば英雄だぞ、やれ」

シェルト:「なに! やっぱり悪いやつなのか!」

トリシー:「シェルト落ち着いて」

シェルト:「むむむ?」

紗綾:「とりあえず、受け入れ……という形で、いいですか?」とシュペンガー伯に。

GM:「ああ……今更あちらに取り入ることもできんだろう」

ロット:「国王が亡くなったってことは、ログレスは今大混乱なのでは??? ルネスの方はどうにか丸く収まったみたいだけれども」

GM:※ご健在です。

紗綾:「じゃあとりあえず、いろいろ準備しなきゃいけないですね、ほんと。……ほんと」

GM:「全く、全くなっておりません! それでは私はどうなるのですか!? 勝手が過ぎるぞ女狐めがァ!!」オズボーンさんはげきおこになっていますね。そりゃそうだ。

ロット:「ベアトリスさんは、とりあえず味方だったんですね」

シェルト:「(;;;`・ω・´)」

クラゲカマキリ:(こういうのなんていうんだっけ。マッチポンプ? 我が組織にありそうだな)

ミリー:「全てが膿を出すための狂言だったと? ……ダシに使われてあまりいい気はしないが。姫の言うことに偽りはないように見えるし、ログレスの貴族共には入れたい蹴りが山ほどある。」

紗綾:ベアトリスの方を見て、次にオズボーンを見ます。で、ベアトリスを見て「どうするんですか?」

GM:「オズボーン伯。あなたには今後ともここルネスで手腕を振るって頂きたいと考えておりますよ」

ロット:「????」

GM:「その傍ら、伯のご友人と連絡を取り合っていただいても結構。ただ、私達にその模様を監視させてくだされば、それでよいのです。何も変わらない、でしょう?」

シェルト:「(`・ω・´;;)≡(;;`・ω・´)」

GM:まあオズボーンさんはすぐに察します。「貴様……私をスパイに使おうと言うのかね」でも、「そのようなつもりはありませんでしたが。そのようなことを考える方がいるのですか?」と。

紗綾:悪い女だなあ。

ロット:(過去に経験したこういう貴族のよくわからない状況、真実を映し出す鏡を覗けば偽物の太閤を暴いたりできたのだけれども)

マジカルイワシ:(何から何まで掌の上じゃないか……かといってこの女に直接手を出すなど出来るはずもないし……本当に帰りたい)

GM:ではそんなギスギスした雰囲気をよそに、アンナ様です。「あの、カイン」って袖を引いてるよ。

カイン:「如何なさいました?」

GM:「もしかして、皆さんあまり仲が良くないのかしら?」

カイン:「少々事情が込み入っているようですが、少なくとも私はマリア様を応援しますよ」(少々事情が込み入っている=何もわからない)。

GM:オズボーンさんのほうは、不機嫌そうに「ベアトリス、勝算はあるのかね。彼らは厄介だぞ」と。ベアトリスさんは、しれっと「それは、社会保障支援機構の皆さんよりも、ということですか?」と答えます。

クラゲカマキリ:(面白いことになってしまった。首領に報告しよう)

GM:「は、ははは! よかろう、貴様の盤面に一口乗ってやるとも!! 待遇は考えておくのだな!」バン、って扉を開けて出て行っちゃうよ。まあ、協力はしてくれるみたいですね。

紗綾:いいキャラになったなぁ。……でもルネスにこの人たち居るのか……。

GM:「それでは、今後のことはゆっくりと議会を設けて決めましょう」と、ベアトリスさんが話を締めくくる。

ロット:(そういえばトリシーがこの人は善良じゃないと言ってはいたけれども……ひとまず今回助けてくれたのは事実だ。美味しいごはんも食べさせてくれたし)

紗綾:「そうですね。いろいろとよろしくお願いしますね、ベアトリスさん」ここで《マスターマインドⅡ》を使用します、ベアトリスさんの信頼を得ておきたいです。

GM:どうぞ。「敬虔なるフロルス伯を頂く社会保障支援機構、その超国家的ネットワークは、他のいかなる国家にも真似のできぬものです」

ロット:(とりあえず実際どうなのかは、時間をかけて見極めることにしよう)

GM:じゃあ、ベアトリスは紗綾ちゃんに語ってくれますね。「……人が人を治める、などと、烏滸がましいとは思いませんか? アンナ様のルネス朝が、このエルーランを統一できたなら。それはきっと、このエリンディルが一つになれるということを意味するのだと思います」彼女の本音はこのへんにあるようですね。

紗綾:実際、それはあるんだよなぁ。「とりあえず神殿の長と、当支部のギルドマスターというお互いの立場ではありますが、うまくやっていきたいですね――ベアトリスさん」

GM:「つまり、狙いは大政奉還じゃな?」なんか横から変なのが割り込んで来ましたが。ベアトリスさんは「意味はわかりませんが、私は国の争いなど、馬鹿馬鹿しいと思っておりますので」と。

シェルト:「父上、父上(ひそひそ) 僕にはよく分からなくなってしまったのですが、つまり悪いやつは誰だったのですか?」

GM:「シェルト、お前は悪くないよ」よしよし、シェルトくんはかわいいねえ。

シェルト:「は、はい! 僕は善き領主となります!」

マジカルイワシ:(ゲフトの兄貴に相談……はしても無駄だろうし、誰に相談するか)


 ゲフトとは、ネオ・ダイナストカバルの怪人トカゲフットマンである。パリス同盟方面の支部を担当している。いろいろあってぶっぱのPCになったが、列伝を書くほど今回の話に関係はない。


ロット:「……とりあえず僕はログレスの治安が悪化していないかが心配だ。一旦そっちに行ってくるよ」(ログレス、優秀な騎士団を持つ軍事国家だけど、過去にそのような剣こそ力とする国が、魔法王国に惨敗して衰退したのを見たことがあるから、もしかするともしかするかもしれないな……)

GM:ロットくんは一体どこをどう旅してきたの?

紗綾:待って、これもしかしてオズボーンさんと一緒に仕事することになる?

GM:そうだぞ。

紗綾:ひいいいい。

GM:「さあ、休んでいる暇はありません。次にやらなければいけないこと、姫様ならお判りですか?」「姫ではないわ、ベアトリス」アンナ様に窘められて、ベアトリスは改まって言うよ。「……失礼いたしました。アンナ女王陛下、腹案はおありですか?」と。

カイン:(死んだことになって追手が来なかった祖って幸せだったんだなぁ)

クラゲカマキリ:(平和な地方に派遣されたと思っていたけど、そうじゃなくなってしまった。とはいえ最近は刀術に磨きがかかってきたし、前みたいに死ぬことはなくなるだろう。いつかは師匠にも出会えるだろうか)

GM:待って。師匠って何。

クラゲカマキリ:わからない。

GM:そっか、じゃあ続けるよ。「ええ、勿論よ。今のわたくしたちは、名のみで実を持たない国。軍事力が必要……それなら、先手を打たなくてはいけません」


 アンナはきっぱりと言った。エルーラン王国は南北に分かたれ、アンナの北朝ルネスは、王都ログレスの武力にも経済力にも遠く及ばない。ならば、今必要な手とは何であるか。



GM:「……赤枝の騎士団を、説得しましょう」



 アンナ新女王は、その難しさを本当に理解しているのだろうか。


ミリー:「全く、本当にどいつもこいつも勝手だ、権力者というのは。姫様もその例外ではないらしい。」

GM:「黙っていては何も変えられず朽ちていくだけだと、わたくしは知りました」

ミリー:「こうなってしまった以上、もうどっちに付くのかは決めなきゃならない。ハンパはナシだ。悩む必要さえ無さそうなのが唯一の幸いってところが、ため息つきたくなるな……。」


 これよりエルーラン王国は、長い歴史で初めての内部分裂を経験する。

 エルーラン南北朝の時代である。

 


◆アフタープレイ


紗綾:所持金が1500Gくらい減ってる。

カイン:ちょっと多めにお持ちください。

紗綾:ありがとう! 《マスターマインドⅠ》の収入もあったし大丈夫ですね。


GM:次回、どうなるかわからないけど大筋は決まってるので楽しみに。

全員:ではでは!




 エルーラン紛争、序章 ―― 完。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る