序章・ミドルフェイズ2 逆臣と代行

◆ミドルフェイズ2 "温泉の街"ルネス、シュペンガー邸


GM:ではシュペンガー伯の家です。社会保障支援機構の面々は居ますが、デイジーさんはエリオットが水際で食い止めています。

紗綾:エリオット、出来る男だ。

GM:で、オズボーンさんは赤枝の騎士団のルートくんをを見つけるなり難癖を付けてるよ。「うん? そこの騎士は何者だ。素性の分からん者が居ては困るな」って。

マジカルイワシ:お前の方が困るが。

カイン:彼の素性は赤枝の騎士では。

GM:「私は赤枝の騎士団に所属する、ルートと申します。社会保障支援機構の皆さんと縁を持つ者です」と言ったら、「はははは、なんだ、数合わせの赤蛙騎士団か。ケロケロ鳴かれては煩くて敵わぬな」って笑っています。

カイン:ああ、「カエルの騎士」の誓約。

GM:はい。赤枝の騎士団の団長ルーシディティが、かつて魔族の呪いで蛙の姿にされていた件で煽っています。「伯」って、円卓騎士の隊長は宥めていますけども。

ロット:(嫌味な人だなあ)

GM:ひとしきり笑ったら話を進めますね。「まず、エベントン・シュペンガーの身柄はこちらで預かるものとさせていただく。謀反の容疑について、王都ログレスで然るべき手続きのもと、裁きがなされましょう」と。エベントンさんはムっとして「然るべき手続きを踏んだのならば、裁かれる謂れなどないがな」と。

ミリー:僕も事情は聞いた感じかな。「……なるほど。そういうことか。」

紗綾:シェルト君はいるの?

GM:居てもいいですよ。


▼PC列伝 シェルト・シュペンガー

https://platycodon.wiki.fc2.com/upload_dir/p/platycodon/32a9b00ce1f7df9767098384a9d54c6c.png

 ぽんぬのPC。黒い短髪のシーフ/グラディエーター。エベントン・シュペンガーの嫡男、つまりルネス伯の跡取り息子。愛多く自由に育てられたためのびのびと素直に育った。知能はだいたい5歳児。

 武者修行としてエルーラン王国の妖魔討伐合同部隊に従軍。赤枝の騎士団の隊長やその友人に伸び上がった鼻柱を丁寧にだるま落としされ、ようやく丸くなってきた。

 今回NPCとして出演しているが、GMではなくぽんぬ本人が演じている。

 

シェルト:じゃあ出る! 「只今戻りました父上! これは何の騒ぎですか! 僕の凱旋の祝祭ですか!」

GM:うわホントに来た。「シェルト。お前は何も気にしなくていい。今まで通り、ルネスを頼む」

トリシー:「何が起きてるの?」

GM:お、賑やかになってきましたね。


▼PC列伝 トリシー

https://platycodon.wiki.fc2.com/upload_dir/p/platycodon/d9910a61e43978499046b58ae59d6667.png

 yktnのPC。赤毛で大柄、白い翼を持つ妖魔(オウガ)。今回NPCとして出演しているが(略)。冒険者に虐げられる妖魔の権利のために立ち上がった妖魔志士のオウガ。デイジー達に討伐されたが、後に当時の仲間が人間を襲っている噂を聞き、再会した社会保障支援機構メンバーと協力して阻止。その志を認められ、デイジーとは和解した。その際に共闘した放浪の剣士ロットとは深い絆で結ばれており、現在はともに社会保障支援機構に所属している。天翼族(オルニス)のドゥアンがベースのオウガであるため、データ上はドゥームガードで、セージを経由して《ラーニング》から《ホバリング》を取得して浮いている。PLyktnが、風情なく安易に飛行状態になれるアームズクリスタルを嫌う経緯の一端と思われる。


シェルト:「どういうことですか父上! 先程から聞いていれば、謀反の疑いなどと……!?」

GM:「おや……ああ、ご子息様ですか」オズボーンはシェルトの噂は知っているようですね。「無論、ワシにそんな覚えは全くない。それを証明したら帰ってくる」

シェルト:「何だ貴様は! 悪趣味な服を着おって、さては田舎貴族だな! 父上に何をするつもりだ!」

GM:「シェルト」

トリシー:「まって、落ち着こ?」

マジカルイワシ:(ただでさえ疲れてるってのに、なんでこう面倒ごとに巻き込まれるんだ……かえって眠りたい)

ミリー:「ようやくヴァンスターとの冷戦状態から解放されたと思いきや。どこにでも沸くんだな。この手合いは。」

紗綾:カインさんがお姫様の手紙を出すかどうか。

カイン:せっかく無記名で出してもらった手紙を見せるのはダメでしょう。

GM:ベアトリスもいます、話を進めてくれます。「社会保障支援機構については、このままルネスに駐留。ルネス伯代行の私兵として指揮下に入ることになります」で、オズボーンが「うむ! ルネス伯代行とは、すなわち私である。目下当たってもらいたい任務について説明させてもらう」としゃしゃり出てくる。

シェルト:「ルネス伯代行だぁ〜〜〜〜〜???? 貴様がか?」

GM:「私だ。この通り、国王陛下の正式な書状がある」

マジカルイワシ:「待て待て、俺たちはルネス伯の私兵じゃない、そこは許容できねえ」

トリシー:「何が起きてるの?」

ミリー:「今この街は兵士に包囲されている。走り回って確認してきた。」

紗綾:「さすがにそれは承服できかねますが。私たちはあくまでも、シュペンガー伯に善意で協力しているだけなのですので」

トリシー:「何もかも穏やかじゃないね」

ロット:「……とりあえず、その説明を聞かせてください」

クラゲカマキリ:(どうして私が一番触手が多いのに議論に参加できないんだ。2本しか同時に動かせないからか)

GM:脳みそスライムだからじゃないかな。で、オズボーンですけど、君たちを民間人とは扱っていません。「君たちはこのルネスの治安維持に重要な役割を果たしていると聞いているが?」って。

カイン:「:thinking: 」

GM:そこは自信もって欲しいなあ。

紗綾:「えぇもちろん。ただしそれも、善意で協力しているだけですね」

マジカルイワシ:「あくまでも冒険者としての活動の一環だ」

GM:「まず、君たちはヴァンスター貴族との繋がりを持っているな。それを利用して我がエルーランを陥れようとされては堪らないが、王はその繋がり自体は得難いものと考えておいでだ」

ロット:「正直僕、また冒険に出る予定だったのであまり長期間拘束されるのはちょっと」

カイン:「(小声)ギルドマスター、ヴァンスター貴族とのつながりとは事実なのですか?」

紗綾:「私たちが持っているわけではないですよ。確かに、私たちのギルドには持っている人はいますが」

カイン:「(小声)なるほど」

GM:「君たちを信頼してよいとわかれば、これはエルーランにとって大いなる恵みをもたらす」

トリシー:「そう、こんな風に力で解決しようとする人たちからみんなを守るために私は頑張ってきたよ」

シェルト:「おい、そこをどけお前ら。その田舎貴族をもっと伊達男にしてやる」

GM:「シェルト」

シェルト:「父上!」

GM:じゃあお父上もそろそろ怒る。「オズボーン。きさま彼らを戦争の道具にするというのか」しかし、「いいえ、いいえ。外交の要として重用させていただくのです。よいかな、社会保障支援機構の諸君。君たちはこれまで通り、ルネスのために尽くすのだ。その上で、君たちのギルドの他支部とも連絡を取ってもらいたい」オズボーンはどうあっても君たちを利用したいようです。

マジカルイワシ:「冒険者としての正式な依頼であれば協力はするが、都合のいい私兵扱いされるのは困る……いや、迷惑だ」

GM:「特段、命令をしようなどというつもりはない。何も、そう、何も変わらないよ」

紗綾:「だからお断りします。あくまで善意の協力ですから、それを強要されて、はいそうですと従順になるつもりは流石にないですね」

ミリー:「ああ、シュペンガー伯を人質に取られなければいつも通りに過ごせるな。」

GM:「その連絡のやりとりはこちらで監視させていただく。それだけだ。どうかね、何も変わることはないだろう? 今まで通り、治安維持や妖魔の掃討に腐心してくれればそれでいいのだ」

クラゲカマキリ:「隷属状態になるのは困るな」

紗綾:「あなたがたに協力できない、と言っているのですけれど……」

シェルト:「き、さ、まぁ〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

GM:「君たちが協力してくれる気になるのであれば、他国へ出向などしてもらうこともあるかもしれないが、今のところそういったつもりはない。ただ今まで通り、フロルスガルトの領主と連絡を取り合い、善良なる冒険者として過ごしてくれればよい」まあ要するに、スパイ回線として使いたいんですね。

紗綾:「そうですかそうですか。じゃあ善良なる冒険者として、あなたがたに協力はしないでおきますね」

カイン:「(小声)ねえ祖。裏切りのプロフェッショナルとして、今の円卓の騎士のうち誰を懐柔できそうか分かりませんか?」

トリシー:「あなたたちは善良じゃない。協力できない」

ロット:←連絡不精なので本当に状況が変わらない

GM:じゃあ、このへんでベアトリスさんがまた出てくるよ。「オズボーン伯、少し私からも」「ふむ、何かな」「……先ほどの街門での戦闘に当たった5名、更科紗綾、ロット・ポーカーパマーズ、カイン・ライヴァン、それから……ええと、何ですかこれは。ああ、サーディンにドロシィ、でよろしいでしょうか」よろしいんだっけ? 何もわからないんだけど。

マジカルイワシ:「は?」

ロット:「はぁ」

紗綾:すげぇ、ドロシィの本名を把握してる!

GM:真名だぞ。「彼らには、私とともにシュペンガー伯に同行していただき、ログレスへ向かってもらいます」「何だと!? 何故かな、ベアトリス女史」オズボーンは狼狽えているようですね。

紗綾:「……それは、よい提案かもしれませんね」と、もともとそのつもりはあったので興味を示す。

GM:「シュペンガー伯の裁判が正当に行われるかどうか、彼らには見届ける権利があります」「ふん、何を考えている?」「伯のご同意が頂けないのであれば、エルーラン大聖堂の名のもとに、円卓の騎士団に被害を加えた狼藉者の冒険者5名を、逆臣シュペンガーと共に王都ログレスへ護送します。物言いはありますか、代行」ベアトリスはめっちゃ平然としているよ。

ミリー:(どういうことだ。ルネスの戦力をログレスへ割かせるための方便じゃないのか。何故ここであいつが焦る。)

カイン:「(小声)もしかして、あの騎士じゃない人が裏切るんですか? どう見ます?」

ロット:「自覚していることとして僕はあまり鋭い方ではないんだけど、勘のいいトリシーがそう言ってるんだ。正直警戒してるよ」

マジカルイワシ:(俺達を同行させて、あいつに何のメリットがあるんだ?)

GM:オズボーンは、「話が違うぞ」って言うんですが……。「何もお話ししたことはありませんね」「女狐め、勝手にしろ。どうせログレスでは、貴様の勝手など通らんのだ!」と。

紗綾:じゃあ、オズボーンさんにデイジーさんとエリオット君つけていい?

GM:そうですね。ベアトリスさんも「では、残りのメンバーに関しては、代行の預かりということでよろしいですね」って言うよ。

ロット:「……でも、眼のつかないところで話を勧められるのも不安だ。僕は行くよ」

シェルト:「あ!? 待て、僕は納得した覚えはないぞ!」

紗綾:「いえ、それは流石に。こちらにも都合がありますので、こちらの人員についてはこちらが動かさせていただきます。あくまでも、私たちはシュペンガー伯に協力している善意のものです。そこの動きまで指図されるのは承服しかねますね」

カイン:「参りましょう。このような謀反の濡れ衣は、見過ごせません」

マジカルイワシ:(あの女の掌のうえで転がされるのは気に食わないが…着いていかないことには妨害もできない、か)

GM:「皆さんは、シュペンガー伯は潔白だとお考えなのでしょう? ログレスの裁判は、大聖堂から見て、公平なものであるとは思えません」まあログレスですからね。

マジカルイワシ:そりゃログレスだからな。

GM:ベアトリスさんは、何でか「神殿は、国家権力に直接の口出しは致しませんが……彼らに機会を与えます。私の権限でも、これは可能ですね、代行?」と主張しています。オズボーンは「その口、ログレスで聞けると思わんことだな」と忌々し気に吐き捨てる。

ミリー:「要するに、シュペンガー伯にあらぬ疑いをかけ、空いた席にお前が座ろう、というわけだ。……いい度胸だな。僕の前でこのような狼藉を働くとは。」

シェルト:「そうだいいことを言うなミリー」

ミリー:「このままお前の意のままに事が済むとは思わないことだ、オズボーン。」

シェルト:「そうだそうだ」

GM:異存がなければ、PCたち5人はベアトリスの申し出により、ログレスへ連れて行かれることになる。ではシーンを変えるよ。


 そう。

 PC達がルネスを後にするためには、まだやらねばならないことが残っている。

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