序章・ミドルフェイズ1 濡れ衣
◆ミドルフェイズ1 "温泉の街"ルネス街門
https://drive.google.com/file/d/1fkZt-GA2IdlJ-Ss858XBhJ9IuT5kUi7V/view?usp=sharing
南向きの街道に向かう門には、2本の柱がある。その外は開けており、騎士たちがまさに、ルネスを包囲せんと布陣している。
GM:マップはこんな感じ、円卓の騎士がたくさんいます。南側に散って布陣しているよ。
紗綾:たくさん。
カイン:「これはまた、困った話になりますね」
GM:あと貴族らしき男と、高位の神官っぽい女が居るよ。君たちの方は、5人に加えて、エベントンさんも出て来ています。
マジカルイワシ:「多いな……正面から戦うのは面倒そうだ」
GM:あ、複数体を1体として扱うモブエネミーです。剣を持ったのが9グループ、クロスボウを持っているのが3グループ。
紗綾:貴族モブなの?
GM:騎士だよ!
カイン:「(小声)えっ、どうするんです? 祖ならこういう状況慣れてますよね?」
GM:カインが虚空と対話し始めた。
カイン:「(小声)おーい。聞こえてますか?」
紗綾:紗綾ちゃんはシュペンガー伯の発言を待つ。
GM:では先に貴族らしき男が喋ります。「これは、ルネス伯シュペンガー様とお見受けしますが相違ありませんね?」
https://platycodon.wiki.fc2.com/upload_dir/p/platycodon/2e01025274bffa5dd3dd8d440d7c7d5e.png
この貴族はログレスの伯爵、ハドル・オズボーン。ヒューリンの男性で、見るからに神経質そうな男である。
GM:で、エベントンさんが「いかにも。それで、これはどういう事かね」と。
紗綾:あ、まって。GM。下準備でメジャー2回使いたい。《ピューリファイ》と《クリアバスケット》。
GM:あー。オープニングで使ってたということでいいですよ。
紗綾は魔術判定を2回行い、《ピューリファイ》で聖水を2本入手。また、《クリアバスケット》で携帯品の重量上限を増加させた。このシーンに入る前に使用していたという体で処理を認めた形である。
マジカルイワシ:(我等が大首領に歯向かう腹積もりらしいが…果たしてどれだけの見込みがあるのやら)
GM:「私はハドル。しがない貧乏貴族でしてね」「知っとるよ。オズボーン、貴様伯爵になったそうだが」エベントンさんが口を挟む。
カイン:知り合いなのですね。
GM:「ええ、私は伯爵位を賜りましたハドル・オズボーンであります。それで、本日こうして出向かせて頂いたのは」と、言い終わらぬうちに「ワシが謀反を企んでおるなどと抜かしているそうだな」と、またエベントンさんが被せます。しかしオズボーンは笑って、「耳がお早い。いいえなるほど。つまり身に覚えがおありと」と。エベントンさんは「……笑えない冗談だが」と、露骨に嫌な顔をするね。
NPC同士の会話は、GMの発言が連続するため、ダレやすいのが欠点である。描写もダラダラしがちなので、適宜配慮を行うことにする。
クラゲカマキリ:おお……。
GM:ハドル・オズボーンはエベントンさんを無視。君たちの方を向いて言う。「そちらに集っておいでは、ギルド社会保障支援機構の面々。何でも、かのギルド、ヴァンスターの成り上がり貴族が仕切っているのだとか」
カイン:成り上がりで悪かったですね。
紗綾:紗綾ちゃんは一応知ってるんだよなぁ。
GM:聞いてはいるでしょうけど、ちゃんと知ってるかは紗綾ちゃん次第ですね。
紗綾:聞いてるけど知らない。つよい。
マジカルイワシ:(成り上がりなのは否定できないな)
GM:「そちらは知らんよ。支部ごとに自治が任されておるそうだ。紗綾くんは本当にこのルネス、そしてエルーラン王国のために力を尽くしてくれとるよ」エベントンさんは不愉快そうですね。
紗綾:では、それについてはハドルを見て、こくりとうなずこう。
GM:支部ごとに任されているから本部の方針は知らないってことね。そうすると、「なるほどなるほど。社会保障支援機構、そのエルーラン支部はルネス伯の腹心として誇られ、民の支持も篤いというのは事実」と。
マジカルイワシ:あ、温泉を出たので【魔法防御力】が戻る。「はっ……俺は、何を……」
GM:勝手にしてくれ。ここからしばらく、シュペンガー伯とオズボーン伯の会話が続きます。
「何か文句があるのかね」
「いいえ、いいえ。しかしね、神聖帝国を僭称する者の野望を共に牽制し、並び立つ盟友であったはずのパリス同盟。彼らがかの国と手を結んでしまったのですよ」
「聞いておる。争いが無くなったのなら喜ばしかろう」
「そのような時世。我がエルーランは孤立無援、薄氷を行く情勢です。王は、伯がパリス同盟、いやさヴァンスター帝国に」
「黙らんか、オズボーン」
「いいえ黙りませんとも。王は憔悴しておいでだ。不安に苛まれていらっしゃる。伯が我が国を売ろうとしてはいないかと。いいえ、いいえ、まさにそうしたからこそ現在の情勢になっているのではないか、と」
オズボーンはエベントンが社会保障支援機構を通じ、神聖ヴァンスター帝国に国を売っていると言いがかりを付けているのである。
マジカルイワシ:「妄想の激しい男なんだな」
紗綾:紗綾ちゃん的にはエベントンさんが喋ってる以上、あまり口を挟まない気がするんだよな……。
GM:要するに、パリス同盟とヴァンスター帝国がつるんだ以上、エルーランは四面楚歌なわけですね。それで今回の疑いが掛かったと。「オズボーン。それ以上の侮辱には、相応の返礼を用意せねばならなくなるぞ」エベントンさんとしては怒りますよね。
紗綾:「——シュペンガー伯、少々落ち着いた方がいいと思いますよ」
GM:オズボーンがずいっと出て喋ります。「いいえ当然の懸念でしょう。パリス同盟は、妖魔の侵攻、内部の政争に弱っていたと聞きます。そして、何やら如何わしい、未知の新兵器の開発を行っているとさえも。力を失い帝国に取り込まれた同盟が、その兵器を我らに向けない保障などどこにありましょうや」何やらわけのわからないことを言い出しますね。
カイン:何もわかりませんね。
紗綾:知ってるけど気づいてない伏線なのか忘れてる伏線なのか知らない伏線なのかがわからない。
GM:ゴールデンウィークのオフ卓でやった内容ですね。パリス同盟の"機械の街"カナンで機構が噛んでるプロジェクトがあって、それが新兵器を開発しちゃって。まあ知らなくて大丈夫です。
紗綾:参加してなかった伏線だ!
GM:「我がルネスとは何の関係もない話ではないか!」
マジカルイワシ:本当に関係ないんだよな。
GM:「それが、あるのです。それら激変する情勢の陰に、社会保障支援機構あり。超国家的な転送網を持ち、謎多きロダニア、フロルスガルトを拠点とする軍事集団。このような爆弾を後方に抱えていては、王も安心して眠れますまい!」
紗綾:うっかり「じゃあ貴国にも支部を作りましょうか」とか言いそうになった。紗綾ちゃん的ではあまりない。
マジカルイワシ:「こじつけが過ぎるなぁ……」
GM:ここで隣の神官、ベアトリスさんが「失礼、オズボーン伯。口を挟んでも?」と。
マジカルイワシ:うわっ。
GM:「構いませんよ、マドモアゼル」オズボーンが芝居がかった感じで退く。
ベアトリスは公式のNPCである。パーフェクト・ワールドガイド59ページに掲載されている、エルーラン大聖堂の責任者にして、王国枢機卿の一人。身なりの整った、ヒューリンの女である。公式での年齢は37歳。
GM:さて、ベアトリスさんが言うところによると「我がディアスロンド、その極秘任務に当たっていた小隊が、反神殿組織の構成員による妨害に遭いました」と。オズボーンはやっぱりわざとらしく「ほおう! それは、それは、実に不穏当な」と驚いて……。
マジカルイワシ:(……やば)
GM:お、察しがいい。まあ。イワシの方を見ていますね。
紗綾:どれだよ! どのシナリオの奴だよ!!
GM:「その抗争の最中、敵に魚面の男ありと」と、ベアトリスが続けます。
マジカルイワシ:前回のやつじゃん。これはハメでしょ。
GM:はい、火の精霊王の武具の一件ですね。オズボーンはいい笑顔で「ほほう、ほほう。それは面妖な! そのような男、世に何人もおりますまいな。シュペンガー伯もそう思われませんか!」って迫ってくるよ。
マジカルイワシ:「ギルマンと見間違えたんじゃないのか?」
GM:「つまり貴様は、ワシを嵌めにきたのだな」「いいえ、王に背く不忠の臣を捕らえにきたのです。さあ、ログレスまで同行願いましょう」この二人、仲悪いですねえ。
紗綾:ところで真面目な話、ひらいちさん生きてる?
GM:なんか寝てるっぽいので、ここで切って次回にしましょう。ベアトリスさんも、「社会保障支援機構、どの程度のものかお見せいただきます」って言って下がるよ。
紗綾:「シュペンガー伯、ひとまず下がっててください。あちらも、どうやらこちらの腕を見たいようですので」
GM:では次回戦闘から!
セッションはだいたい1日では終わらないので、適当なタイミングで次回に回すことになる。いつも普通に3~6日くらいかかるので結構大変。
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