ゲームもリアルもソロな俺に友達ができる話

@nannbokusakura

第1話 新生活

高校生活が終わり、県外の大学に進学する俺は一人暮らしをすることになった。

普通、県外となれば友達が見送りに来てくれるものだと思うが、俺は今まで友達がいたことがなかったので当然家族だけだ。

「それじゃあ、行ってくるね」

「体には気を付けるんだよ?ちゃんとご飯食べてね。整理整頓はしっかりするのよ?」

俺の母さんはとても心配症だ。毎回一言うるさく、正直その性格が嫌いになることもあったが、今振り返ると俺のことを思ってのことだったのだろう。

「大丈夫だよ、母さん。ちゃんとやっていくから」

そう言うと、母さんは頷いてそれ以上のことは言わなかった。

「おい、晴季(はるき)。ある程度の仕送りはするが、しっかりと成果を残し、アルバイトもして金を稼ぐんだぞ」

「わかってるよ」

父さんは少し怖く、少し苦手だが嫌いではない。むしろ頼りになる。

「お兄ちゃん頑張ってね!たまには遊びに行くからね!」

「ああ、ありがとう。でもまずは自分のことを考えろよ」

妹の悠那(ゆうな)は高校2年生で今後の人生を大きく左右する一番大事な時期だ。そして、大事な妹だ。

「それじゃあ、そろそろ新幹線も出ちゃうから。もう行くね」

俺はそう言い、服などが入っているキャリーバッグを引いて新幹線に乗り込んだ。

それと同時に新幹線は出発した。窓の外をみるといつもの見慣れた風景が一瞬にして流れていく。生まれ育った町を離れる寂しさと、新たな生活への期待を胸いっぱいにし、俺は新生活への一歩を踏み出した。


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