第18話 この『エロトリガー』を使え

「金は取られるわ。中絶手術の同意書にサインはさせられるわ!!

 どこにメリットがあるんだよ!!

 踏んだり蹴ったり殴られたりだろう!!」

 まったく割りに合わない。



「いやいや、踏んだり蹴ったりなんて……。

 そんなに悪い話しじゃないッて!!」

 アキラも何とか丸め込もうとして躍起だ。



「はァ……、これ以上、悪い話しはねえェよ。金輪際、お前のことは親友とは思わないからな……」

 こっちだって、もう我慢の限界だ。



「ケッケケェ……、そんな事、言うなよ!!

 祐真だけが頼りなんだからさ」



「頼りッて、どんだけ危ないとこでリリーフさせる気だ。九回裏、一点差。

 ノーアウト満塁で火消しなんか出来るか。

 炎上必至だろう!!」


「いやいや、ここで抑えるのが守護神じゃン!!」


「なんで僕が、火だるまのお前の火消しをしなきゃならないンだよ。

 そんな義理はないだろう!!」


「解った。じゃ、こうしよう……」

 おもむろに、アキラはナイショ話しをするように顔を近づけた。



「ン……、なんだ」



『この【エロトリガー】を使え!!』

 アキラは、そっと耳元で囁いた。








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