第5話 童貞ボーイは毎晩、ソロ活動に

 家の中へ入ると熱が籠もって蒸すようだ。

 下手をすると、四十度くらいはあるだろう。一気に全身から汗が滲んだ。



「キャァァ〜……ッ

 熱ッついィィィ〜……😖💦」

 堪らず、ユリアは悲鳴を上げた。



「ちょっと、悪いけど早く窓を開けてェ!!

 すぐにエアコンつけるから」

 熱を逃がすため窓を全開にして換気をした。



「ン……、ポチのママさんは?!」

 ユリアはキョロキョロと家の中を探している。



「え、お母さん……。あァ、親父さんの方に行ってるよ。名古屋の方に!!

 僕は大学があるから、こっちに残ってるけど」



「じゃ、ポチは一人でお留守番なの?

 偉いわねェ〜ーー……✨😜✨✨

 良く出来ました。

 ヨチヨチィ、ポチ……✨💕」

 まるでペットをあやすみたいに頭を撫でた。



「いやいや、僕はポチじゃねえェよ……」



粗相そそうして部屋の中でウンチとかしちゃダメだからねェ……✨🤭✨✨」


「しねえェよ……。粗相なんか!!

 ペットか!!」


「夜中にオシッコを漏らしたりしないの?」

 また股間に手を伸ばしてきた。



「するか! ペットじゃねえェンだから…… そこを触るな!!」

 敏感なんだから。



「大丈夫なの? ウンチは一人で出来るの。

 ちゃんとトイレシーツでウンチをするのよ」

「だから、ペットじゃねえェよ……!!」



「でもママが居ないと寂しいわね。

 夜になったら、一人でなぐさめているの」

 またユリアは僕の太ももへ手を這わせた。


「ッるさいな。何をなぐさめるんだよ!!

 いいから、そこを触るな!!」

 ただでさえ敏感なのに、これ以上、可笑しな気分になると取り返しがつかない。



「フフ……、だって童貞ボーイは毎晩、ソロ活動ライブに余念がないンでしょ!!」



「あのね……」僕は汗だくて逃げ回った。


 ようやくエアコンが効き始めた。

 涼しい風が頬を撫でていく。



「ふゥ……😞💦」

 ひと息ついてリビングのソファでくつろいだ。












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