第4話 童貞ボーイは すぐに入れたがる

 僕は彼女の手を引き家路を急いだ。




「さァ…、早く家へ入れよ!!」

 これ以上、この美少女に屋外で騒がれると面倒だ。一刻も早く彼女を家の中へ入れたい。



「ンゥ……、痛いよ。もう……」

 しかしユリアは暴れて僕の手を振り払った。


「あ、ゴメン……」

 素直に頭を下げて謝った。少し強引だったかもしれない。

 


「もうポチッたらァ……、初めてなんだから優しくしてよ。すぐに入れたがるんだから」

 ユリアは、すねたような顔で文句を言った。



「あのね……。人聞きの悪い事を言うな」

 慌てて辺りを見回した。

 まるで僕が屋外で悪さをするような口ぶりだ。



 家の近所のオバさんに今の会話を聞かれたら誤解されるだろう。

 



「だから童貞ボーイは嫌われるのよ。

 自分勝手に無理やり女子の中へ入れようとするから」



「いやいや、ユリア! 童貞ボーイッて!

 変な事を言うなッてェ……。

 そう言う意味じゃないよ。

 早く入れッて言ってンだろう」

 僕は、周辺の目を気にして焦っていた。



「……」通りすがりの通行人ひとらは見てみぬ振りだ。



「ちゃんと入れる時は、ゴムを付けなきゃダメよォ〜……✨😜✨✨」

 ユリアは茶化すようにウインクをした。



「いやいや、その入れるじゃないから」

 困ったモノだ。どんどんみだらな方向へ話しが展開していく。



「早く入ってくれよ!!」

 僕は、なかば強引にユリアの背中を押して家の中へ放り込んだ。



「やァ〜ン……」





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