第2話 エロトリガー💕✨🔫✨
話しは数時間前に戻る。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
僕は、ここ数日逃げ回る親友のアキラを捕まえるため張り込んでいた。
アキラは、僕が貸した借金の返済期日を先延ばしにしている。
連絡しても留守電ばかりだ。
仕方なく帰宅してくるアキラのマンション前で見張っていた。
何時間粘ったことか。
ようやく真っ赤なポルシェに乗ってアキラのご帰還だ。なんて派手な車だろう。
まるでプレイボーイ気取りだ。
彼女とデートでもしてきたのだろう。
まったくこっちの気も知らないで、いい気なモノだ。
このポルシェの頭金のために僕も5万円ほど貸したのだ。
こんなことになるならあの時、貸すのを
「おい、アキラ!!」不意に僕は彼の背後から声を掛けた。
こんな待ち伏せのようなマネはしたくないが、借金の取り立てだ。仕方がないだろう。
「わ、なんだ。ビックリさせるなよ!!」
よほど驚いたのか、数十センチほど飛び
「『ビックリさせるな』じゃねえェよ!!
いっくら掛けても電話にも出ないで!!
仕方ないから
僕は顔をしかめて詰め寄った。
「いやいや、最近デートで忙しいくって。
ほら、お前と違ってオレには彼女が十人くらいいるだろォ✨🤗✨✨」
自慢げに両手で十人を示した。
「知るか!! お前の自慢話しなんか聞いていられるか!!」
「ケッケケェ……✨🤪✨ なんだよ。
そんな怖い顔すんなッて!!
せっかく可愛らしい顔してンだからさ」
ケラケラ笑いながら僕の股間へ手を伸ばした。
「あのなァ……、どこを掴む気だよ!!
なんで僕が怖い顔するのか。
教えてやろうか!!」
「いやいや、わかってるよ。ポチ!!」
「はァ……、誰がポチだよ!! 保志だ!!
僕の名前は!! 保志ヒカルだよ!!」
「なんだよ。マンションの前で待ち伏せなんてェ……!!
ペットフードが欲しくて待っていたのか」
「だからポチじゃねェよ!!
いったいお前、いつ返すんだよ」
「え、ああァ、なんだ借金かァ……」
苦笑いを浮かべ、そっぽを向いた。
「なんだ借金かじゃねェよ。
当たり前だろう!!
借りる時だけ『絶対に約束通り利子を付けて返すから!』ッて、何度も僕に頭を下げただろう!!
利子は取らないから、ちゃんと5万だけは返せよ」
「いやいや、もう少し待ってくれよ。
オレとポチの仲だろう」
馴れ馴れしく肩を組んできた。
「うるさい!! どんな仲だよ!!
今日こそどうしても返して貰うからな」
「良いじゃン……。ポチには彼女がいないんだし。給付金もまだ余ってンだろう。
使うアテもない金じゃん」
「放っとけよ!! 関係ないだろ!!
彼女が居ても居なくても」
ふざけた言い訳だ。
「いやいや、オレ、モテ期到来で、みんなデート代に消えちゃって、さあァ……
ケッケケェ……✨🤪✨✨」
「笑いごとかァ……!!」
「わかったよ。マンションの前で大きな声を出すな。近所迷惑だろう」
辺りを気にするように見回した。
「うるさい!! なにが近所迷惑だ。お前が期日通り金を返せば良いンだよ!!
じゃなきゃ、このポルシェを売り払って借金返済しろよ!!」
「バカ言え!! なんでたかだか5万ポッチでポルシェを売り払わなきゃならないンだよ!!」
有ろうことか、逆ギレだ。
「お前なァ!! たかだか5万ッて、その5万を耳を揃えて返せッて言ってンだろう!!
ぶん殴るぞ!!」
マジで、こっちがキレそうだ。
「わかったよ。じゃ、お前に取っておきの【夢のアイテム】を上げよう!!」
「な、なにィ、夢のアイテム……」
「とにかくここじゃ何だから……✨🤪✨✨
オレの部屋へ入れよ!!」
「ッたく……」
仕方なくアキラの部屋へ入ることにした。
僕の親友の馬場アキラは小さい時から天才だった。
今も部屋の中で、何か可笑しな発明をしているみたいだ。
部屋へ入いると、
なんだか、わからないが身体じゅうがポカポカと熱くなってきた。
「なんだよ。アキラ!!
また可笑しなモノを作ってるのか」
「バカだな。可笑しなモノじゃねえェよ」
「頼むから脱法薬物なんか作るなよ!!
友達が警察に捕まるのは見たくないからな!!」
「バカだな。脱法じゃねェよ!!
魔法だよ。魔法!!」
「な、魔法……?」
「見ろよ!! 【魔法のアイテム】さ」
アキラは笑顔を浮かべ、シルバーメタルのアタッシュケースを取り出した。
「どっちがバカだ!!
なにが【魔法のアイテム】だよ……。
厨二病か。お前は!!」
「ケケッ、ほら、これが夢のアイテム……
【エロトリガー】だよ」
アタッシュケースを開けると中に安物のモデルガン🔫が入っていた。
「あン、これがエロトリガー……」
どう見ても、お祭りの出店の屋台で売っている水鉄砲みたいなチャチなデザインだ。
「これを撃ち込めば、どんな美少女もメロメロになる【魔法のアイテム】だ!!」
自信満々に微笑んだ。
「ウソをつけェ〜ー……!!
百均で売っている水鉄砲だろう!!
こんなオモチャで借金をチャラにする気か!!」
バカバカしくて話しにならない。
「バカだな。こいつを憧れのユリアに撃てば、もう彼女はポチにメロメロだぞ!!」
オモチャのモデルガンを僕の方へ押しつけてきた。
「ええェ……😳💦 マジで厨二病か!!
いくつになったンだよ。お前は!!
そんな夢のような話しを真に受けるほど、おめでたくねえェよ……」
「大丈夫だってェ……✨🤪✨✨
なんならオレがユリアに撃ち込んで
とんでもないことを言い出した。
「バカ言えェ……! なんでお前が!!
ユリアと
仕方なくアキラから【エロトリガー】を受け取った。
「なんだ。これェ……😳」
持った瞬間、あまりにも軽いのでビックリした。
「ケッケケェ…… これでユリアと朝チュンだなァ!! ポチ!!」
嫌らしく笑い肩を組んできた。
「知るか!! マジで危なくないんだろうな」
「平気、平気! ピンク色の媚薬入りの香水が発射されるだけだから!!」
「香水ねェ……」
不満はあるが、こうして僕は借金の代わりにアキラから【エロトリガー】を預かった。
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