第8話

結局その後も私は授業に集中することはできなかった‥‥


だって春斗の笑顔が頭からはなれなかったんだもんっ!!

え?なんで?

なんで春斗が出てくるの!?

私が好きなのは竹下君でしょ!?


そう言い聞かせ竹下君の笑顔を想い浮かべようとすると出てくるのは春斗の笑顔


なんで?

なんで?なんでなのよ!!


考えて考えて、そして‥‥


「‥‥気持ち悪い‥‥」


私は口を押さえながら机にうつ向いた。


「大塚さん!?」

「真理ちゃん!?」


私の異変に竹下君と愛ちゃんが気付き駆け寄って来る。だが、今の私に二人の対応をしている余裕はなかった。


「せ、先生っ!!」

「ん、大杉さん、どうかしましたか?」


ちょうど次の授業の先生が教室に入ってきた。愛ちゃんはすかさず先生を呼び止める。


「ま、真理ちゃんが気分が悪いようなので保健室に連れていきたいんですがいいですか!?」

「え、大塚さん大丈夫ですか!?」


先生が慌てて私達へ近づいてきた。

私は声があげるのもおっくうで首を左右にふる。それを見た先生は私を保健室まで連れていくと私の体を支えるように立たせる。愛ちゃんも付き添ってくれた。


そして私は保健室に向かったのだった。


⭐⭐⭐


保健室に到着するや熱を測られた。

結果熱はなかったが体調が良くなるまで保健室のベッドで休むように言われ、横になった。

愛ちゃんは先生に許可を取ると自販機で飲み物を買ってきてくれた。そのあと先生と一緒に教室に戻っていった。


はぁ、みんなに迷惑かけてしまった。

愛ちゃんや先生はもちろん、私のせいで授業が遅れてしまう。


クラスメートへの罪悪感を感じながらも私の頭の中には春斗の事が未だに渦巻いていた。


はぁ、やめよ、

今は体調の改善に勤めないと‥‥


この調子では自力帰宅は難しい

今日の帰りの送迎は春斗のお母さんだから私の母は仕事でいないし、たしか帰りが遅くなると言っていた。迎えを頼むのも忍びない


というかそうよ!!

今日は春斗の家族が送迎なのに肝心の春斗がいないじゃない!!

もー!!どうすればいいの!!


春斗への怒りが込み上げてきた所で私の脳が限界を迎えたらしい、

私は意識を手放した。

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