第4話

竹下君は私の大好きな笑顔を向けながら挨拶して座った。

私の席は窓側の後ろから二番目、愛はその後ろ、そして私の横には竹下君!!

席替えでこの席順になった時、私は神に感謝した。


お陰で授業中よく竹下君の動作や表情に意識が向き授業に集中できない。

だって、真剣な表情やちょっとした笑み、たまに見せる気の抜けた顔とかもう、たまんないでしょ!!

おかげで見かねた愛が後ろからつつくという事態にもなったわけだけど‥‥


「今日の1限目なんだっけ?」

「え、あ、え、英語だよ、」


はぁ、意識し始めてからどうしてもどもってしまう。

最初は普通だったのになぁ~‥‥


内心落ち込む私を他所に竹下君は話を続けた。


「あ~、俺英語苦手なんだよな~」

「そんなこと言ってこの前の小テスト100点だったじゃん?」

「あはは、まぐれまぐれ、たまたまヤマがあたっただけだよ」

「そ、それでもすごいよ」

「ん、ありがとうー」


はぁ、朝からこんなに竹下君と話せるなんて今日はついてる!!


そのあとも他愛ない話は続き、やがて先生が来たことで話しは終わった。


⭐⭐⭐


ようやく昼休み、カバンからお弁当と取り、愛と一緒にお昼を食べようと声をかけるべく後ろを向くと愛の姿はなかった。


あれ?

さっきまでいたのに‥‥


「おまたせ~♪」

「わっ!?」


またしても私の後ろから抱きつく愛


「もう!!やめてよ!!」

「ごめんごめん~♪、さ、行こ?」

「え?どこに?」

「いいからいいから~♪」


と愛は私を立ち上がらせる。

そして愛につられるがまま私は教室を出た。


しばらくして愛が立ち止まった


「ここだよ!!」

「え?ここって?」


愛が私を連れてきたのは記念会館だった。

ここには柔道場、剣道場、茶道部や華道部の部室などがある。名称春記念会館だが、私達は部活棟と呼んでいる。

愛は迷うことなく二階への階段を上がる。そして華道部と表札のある部屋の扉を開けた。


「やっほー、来てる~?」

「おう、遅かったな」


中から聞こえた声に思わず私の肩がはねあがる。

え?なんでここに‥‥?

彼は私達の姿を見るや笑みを浮かべ片手をあげた。

足を崩して座る彼の足元にはお昼ご飯と思しきコンビニのサンドイッチが数個と飲みかけのペットボトルが置いてあった。


「仕方ないじゃん、購買で頼まれた飲み物買ってきたんだから、ちぇ、あの時ミスがなければ‥‥」

「はは、負け惜しみかな?」

「黙れはげ!!」

「禿げてないわっ!!」


未だ思考が追い付かない私を他所に彼と愛はとんとん拍子に会話を続ける。


ほんとなんなのっ!?


日当たりのいい部屋、畳が引いてあり、いかにも和風の部屋(華道部の部室なのだから当たり前か)その真ん中あたりに座るのは私の想い人、

竹下雅人君だった

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