第2話
「ふぁ~おはよ‥‥」
「はよ」
「おはよう春ちゃん!!」
朝私が乗る車に春斗が乗ってきた。
私達の家から駅までかなりの距離がある。
その為私達の両親が交互に送迎してくれる事になっていた。今日はうちの番
後部座席に乗った春斗は未だに眠そうだ。
挨拶そこそこにドアに寄りかかり目を閉じてしまった。運転席にいる母は特に何も言わない、春斗がこんな感じなのは昔から知っているからだ。
しばらくすると最寄りの駅に到着した。
「二人とも行ってらっしゃい!!」
朝から元気な母に見送られ私と春斗は車を降り改札を通りホームで電車を待った。
私はこの朝の静かな時間が案外気に入っている。
あたりはまだ薄暗く誰もいない、聞こえてくるのは鳥や動物達の囀ずる音や遠くに聞こえる車の走る音
そう、今はこのホームに私と春斗しかいない、
なぜって?
始発だからね!!
現在朝の5時50分!!
なぜこんな早くから行くのか?
私達が通う水橋高校には普通科、商業科、スポーツ特進、そして特進S、特進SSが存在する。
そして私はその特進SSクラスに在籍しており、このクラスでは朝7時半からLHRと言う名の授業がある。これが事実1限目となる。
そして8時にHRがあり8時半から他のクラス同様1限目が執り行われる。
私達の最寄りの駅から学校の最寄り駅まで大体1時間、駅から学校まで約30分、これでもギリギリなのだ。ちなみにこのLHRにでないと遅刻扱いという理不尽さ‥‥はぁ、行きたくない、毎日こんな感じなので朝の雰囲気が好きだ、とか言っておかないとほんと気が滅入る。ちなみに春斗は商業科で朝7時の電車で余裕で間に合う。
なぜ春斗はこんな早くにいくのか、それはまぁ家庭の事情というやつだ。
そうこう考えてるうちに遠くに乗る電車が見えた。
あ~、行きたくない‥‥
「真理、」
これからの登校に重い重いため息を吐いていると春斗が話しかけてきた。
めずらしい、
朝は弱く、いつも学校近くまでぼーっとしてるのに、
「ん?」
「昨日の話、竹下って奴の事好きなんだよな?」
ああ、昨日の、ね
なんか朝から言われるとあれだね、
照れるね‥‥
「う、うん、そうだよ」
「本気なんだな?」
「え?あ、うん、本気の本気!!本気と書いてマジと読むよ!!」
「‥‥わかった」
春斗はそう言うや黙り込んだ。
え?
終わり?
私はわけが分からず春斗を見る、
だけど春斗はもはや興味がないかのように大きなあくびをするやちょうど来た電車にさっさと乗り込んでしまった。
なに?
なんなのよー?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます