第26話 迷子

 ロコポートは港町な事もあり人や物の出入りが激しい。


 そして人が多ければ問題も多い。

 勿論街として対策はしているが、どうしても治安の悪い場所や対策が行き届かない場所もできてしまう。


 つまり。


 現在ムメイは治安の悪いスラム街に引き寄せられ出られなくなってしまった。


「さて、どうしようかな」


 顎に手を当てムメイは足元を見つめた。


 普通の人間ならば何の変哲もない表通りへ出られるただの道だが何故か呪いが発生しており、ムメイはここから先へ進む事が出来ない。


 幸い閉じ込められただけで魔力は問題なく使えるが、残念な事に自空間は開けず街の外への転移も不可能。

 更に辺りから微かに女の啜り泣くような声や殴られているような不穏な音も聞こえてきている。


「近くにいるのか近づいているのか」


 どちらにしろ離れた方がいいのだが、あまり奥に進みすぎると呪いが強くなり動くことさえ出来なくなってしまうかもしれない。

 仕方なくムメイは目の前の道に沿うように進んでいった。


「誰が助けに来てくれるかな。イリス、は解呪を知らないし逆に私と一緒に閉じ込められそう。ウィルフとルシアも。シスは……私がここにいるって知らないだろうし難しいかな、来てくれたら嬉しいんだけど」


 自力での脱出が不可能と悟り、助けてくれそうな相手を考えているがムメイの口からトクメの名前が出てくる事はない。


 トクメの場合は勝手に決められた門限の時間が過ぎれば確実に探しに来るだろうが、その際に何を言われるか分かったものではない。

 

 普通に説教かそれともいつもの話が通じない一方的な長話か、どちらも避けたいムメイにとってトクメはいわば時限爆弾みたいなものだった。


 トクメが来るまでに誰かが迎えに来てほしい。

 

 ムメイは心の底から願いながら少しでも呪の弱い場所を求めて歩き出した。


 治安が悪い場所で今いるのは身なりの悪くない永久奴隷のムメイだけ。


 誰に見つかっても終わりである。

 男は勿論女も、子供さえも。


「例外なく敵っていうのは逆に楽だけど……」


 ギュ、とムメイは自分を抱き締めた。

 不安や恐怖からではない、気を強くしていないと呪に意識を持っていかれるからだ。


「ちょっと貴女! ここにいたら危ないわよ! 早くこちらに来なさい!」

「…………」


 当てもなく歩いていると通りの奥から一人の女性がこちらに来るよう手を振っていた。


 辺りを見回すも他に人はいない。


 ムメイは黙ったまま大人しくそちらへと近づいた。


「危なかったわね。ここは貴女みたいに綺麗な人が歩いていたらすぐに襲われるわよ。さ、中へいらっしゃい。ここなら安全よ」


 女性は二十代中頃といったところでムメイと同じ黒い髪に、服は質素だが落ち着いた大人の雰囲気を感じる。

 中へ入るように促している家を軽く見てみると他にも逃げてきたのか呼ばれたのか、十代から二十代の若い女性達が怯えたようにこちらを見ていた。


「……この家に住んでいるの?」

「ええ、そうよ。ここはスラムでも特に危ないからこうして迷い込んだ子達を匿っているの。さあ、貴女も中に入りなさい」


 そう言って女性は中へ入るよう再び促すが、ムメイは何故か動こうとしない。


「どうしたの?」

「うん? そこに必ず入らなきゃいけないわけじゃないんでしょう、なら私は遠慮するわ」

「ダメよ、そんなの。いつ襲われてもおかしくないのよ。せめて一晩でも泊まっていきなさいな、大したものは作れないけれどパンと温かいスープなら出せるわ」

「お、お姉ちゃん。この人は大丈夫だよ、ほら、早く入ろう。危ないよ」


 パンとスープ、という言葉に惹かれたのか家の中にいた一番若い、十歳ぐらいの少女がムメイの服の裾を掴み軽く引っ張るが、それでもムメイは動こうとしない。


「うんうん、ご飯は大事よね。でも結構。私は、その中に入りたくないの」


 そう強くはっきり言うと少女はビクッと体を震わせゆっくり離れた。

 少女はそのまま戻るべきか困ってしまいオロオロと視線を泳がせていると、女性が肩に手を置き優しく抱き寄せた。


「どうしてそんなに入りたがらないの? このままここを彷徨っていては酷い目に合うわよ」

「はっきり言っていいのなら、貴女が信用できないから。怪しい相手の家に入るなんて、それこそどんな目に合うか分からないじゃない」


 ムメイの言葉にシン、と空気が冷え沈黙が流れる。


「……折角の好意をそんな風に疑われては流石にいい気はしないわ。だったら好きにしなさいな、何が起きても私は助けないから」

「い、行っちゃうの? お姉ちゃん、危ないよ」

「そんな奴助けなくていいじゃない! 早くこっちに来て扉を閉めて! 男達が来ちゃう!」

「そうよ! そんな恩知らずな奴放っておいて早く!」


 少女は引き止めようとしたが、中にいる女性達は声を荒げムメイを罵った。


「嫌な言い方。まるで私が悪いみたいじゃない」

「人の好意を無下にするのはあまり褒められた事ではないでしょう?」

「失礼ね、私は選んだだけよ。貴女を信じて中に入るか、貴女を信じず外を歩くか。信じる信じないは私の自由じゃない」

「なら私が言うことはもう無いわ。さっさと何処かへ行きなさい」


 ようやく諦めたかとムメイは立ち去ろうとしたが、少女はまだ引き止めようとしたのか後ろから抱きついた。


「イヴ!」

「まだ何かあるの」

「わ、私も選ぶ。お、お姉ちゃんだけ外は危ないから、一緒に行く。一人は、寂しいよ」

「ちょっと」

「……貴女がそう決めたのなら無理強いはしないけれど……何かあったら、またここにいらっしゃい。貴女ならいつでも受け入れるわよ」

「うん……ありがとう、エルザさん。お姉ちゃん、行こう」

「……私の意思は?」


 流石のムメイもイヴの純粋な笑顔に何も言い返せず、大人しく手を握られトボトボ歩き出した。

 背中から謎の敗北感が漂わせながら。


「着いてくるのはいいけどさあ、私は何にもしないわよ」

「うん、あのね、エルザさん……何で家入らなかったの? 怪しいところ、どこ?」

「……あの家に住んでいると言っていたところ」


 はあ、とため息をつきながらもムメイは正直に答えた。


「中を軽く見たけど入り口はあそこ一つだけしかなかったし、その入り口の扉は外からしか鍵がかけられないやつだった。そんな家に本当に住んでいるのか怪しいし、住んでいてもとても安全とは思えないから断ったの」


 多少早口になったが、イヴは聞いた言葉を頭の中で繰り返しているのかウンウンと唸ったり首を左右に傾げたりしている。

 しばらくすると、納得のいく答えが出たのかパッとムメイを見上げた。


「……本当だ。あの家、鍵なかった。一緒にいた人達、どうなるの?」

「さあ? そのエルザって人があの家で年頃の女性を集める理由なんて大体想像はつくけれど、あくまで想像だしね。……一応言っておくけど、あの家にはもう近づかない方がいいんじゃない」

「うん、ありがとう、お姉ちゃん」


 他意のない心からの感謝にムメイの顔が何とも言えない複雑な顔になった。

 人からの純粋な好意に慣れていないらしい。


「なにも知らなかったのによく私に着いて来る気になったわね、相手を簡単に信じすぎじゃない?」

「だってお姉ちゃん、いい人に見えたから。エルザさんより、優しそう」

「……どういう目してんの」

「?」

「いや、いい。それより、ここから先は一人で行って。はい、さようなら」


 先程とは違う境界線まで出るとムメイはそこからイヴを出そうと背中をグイグイ押すが、イヴは言われた言葉が理解できないのかそれともまだ離れたくないのか必死に抵抗した。


「何で、お姉ちゃん? お姉ちゃんも一緒に行こうっ」

「あ、コラ。手ぇ掴まないでっ」


 境界線を一歩踏み越えた時、イヴは咄嗟にムメイの手を掴んだ。


 その瞬間バチンッと大きな音が響き先程まであった筈の壁が消え、その向こう側から見知らぬ男達が現れた。


「え? 何、どうして?」

「だから手を掴むなと言ったのに……」

「おいこっちだ! 女を見つけたぞ!! そっちまわれ!!」


 髭面の男がそう叫ぶと、近くにいた男達がニタニタと笑いながらムメイ達の方へと手を伸ばしてきた。


「お姉ちゃん……!」


 イヴが慌ててムメイの元へ戻ると手を掴んだまま必死に走り出した。

 ムメイはそのまま引きずられるように後へと続く。


「何で急に人が……!」

「境界線越しに、私に触ったから……魔力の壁が消えたの。あの家から離れて、すぐに後をつけられて……いたから、誤魔化していたんだけど……」


 元々体力がない上に間接とはいえ呪いに触れてしまったムメイの消耗が激しい。

 魔力の壁を再び作ろうにも今の状態では難しく、たとえ作れたとしても長くは保たない。


 一度振り切る為なのかイヴが角を曲がった時だった。


「おおっと、自分から飛び込んでくるなんて積極的じゃねえか」

「あっ……!」


 待ち伏せされていたのか違う男が現れ、先を走っていたイヴは勢いのままぶつかってしまい捕まった。


「…………」


 これは、助けないといけないのだろうか。


 既にムメイは限界が近く、頭もグラグラして上手く働かない。

 男も近くにいる筈なのに声は遠くに聞こえ、ついでに体も重く目を開けているのも精一杯の状態だった。


「……何か、しないと……何だっけ……子供? 夢……石?」

「子供? 子供が欲しいのか、じゃあ頑張らないといけねえなぁ」

「俺たちゃ優しいからな、あんたみたいな美人のお願いは全力で叶えてやりたくなるんだ」


 そう言って一人の男がムメイの肩に手を置いた瞬間、男はそのまま真横へ勢いよく吹っ飛んだ。


「え」

「ムメイ! 無事か!?」

「う……誰……? シス?」


 重い目蓋をこじ開け何とか相手を確認できたが、それ以上考える事も出来ずズルズルとムメイは倒れるようにシスにもたれかかった。


「わ、わわっ、ムメイ!?」

「ちょっと無理……休ませて、動けない……」

「お姉ちゃんっ!」

「いでっ! こいつ!!」


 イヴが男の手に思い切り噛みつきムメイの元へと駆け寄ってきた。

 必死に何か話しかけているが、ムメイは「あー」とか「うー」などの返事ばかりで会話が出来ていない。


 シスが来たことで完全に気が抜けたらしい。


「テメェふざけやがって! 俺らに勝てると思うなよ!!」


 イヴに噛まれた男が仲間達と囲むように距離を縮めてきた。


 男達がいくら集まったところでシスには問題ないが、ムメイが動けない状態で守りながらは少し厳しい。

 厳しいというよりも、男達の相手をしている間だけとはいえムメイを汚い地面に寝かしたくない。

 ついでにムメイにくっついている金髪の少女はどうするべきなのか。


「……逃げるか」


 最優先はムメイの安全。

 そう判断したシスはムメイを肩に担ぎ、ついでにイヴも小脇に抱えると目の前に立っていた男の顔面へ飛び蹴りを食らわしそのまま走り出した。


「は? ……この、逃げんのか腰抜けが!!」

「待ちやがれ! 追うぞ!!」


 一瞬呆気に取られた男達だが、獲物を横取りされた上に仲間も二人倒された怒りでシスを大声で罵りながら後を追いかけた。


「うわ、お兄ちゃん凄い、速い……!」


 ムメイとイヴを抱えているにもかかわらず、シスは男が追いつけない程の速さでドンドン奥へと走っていく。

 オルトロスのシスにとって、誰かを抱えていようと足の速さも身軽さも然程変わらない。


 変わらないが、ずっと走り続けているわけにもいかず適当な廃屋の前で止まると扉の前で座り、ムメイを負担のかからないよう抱えなおした。


「大丈夫か?」

「さっきよりは……少し。それよりここの解呪、できない?」

「ああ……呪い自体は弱いが、それが無数に集まっているから一つ解呪してもすぐに別の新しいのが出来てキリがない」


 既に試した後だったのかシスが悔しそうに呻いた。


 現状ではムメイをここから出すことも、体調を治すことも出来ない。

 更には遠くから男の声と足音が聞こえこちらに近づいて来ている。


「お姉ちゃん、お兄ちゃん……」


 イヴが泣きそうな顔でムメイの服を掴んできた。

 ムメイはシスの体に頭を預け目を閉じたまま動かず、一応返事はするがほとんど意識はないようで荒い呼吸の音が目立つ。


 この状態のムメイを抱えて出口も無しに走るのはかなり躊躇われる。


「……仕方ないか。子供、絶対叫ぶなよ」

「? うわぁ……!」


 ため息と同時にシスがオルトロスの姿に戻るとイヴは驚きこそしたが叫ぶことはなく、それどころか瞳を輝かせて手を伸ばしてきた。


「ケルベロスっ」

「オルトロスだ。後尻尾を触るな」


 尻尾を掴もうとしたイヴを制しながらシスはムメイを体にもたれさせる。

 座っていた時よりかは圧迫されず楽になったのか、ムメイの呼吸も少し落ち着いてきた。


「し、尻尾以外なら、いい?」

「…………肉球も触るなよ」


 言われた事は守るが、遠慮なくベタベタと頭を触るイヴにシスはまたため息を吐いた。


 幸い男達はシスの思惑通りオルトロス、と言うよりケルベロスと勘違いして遠巻きに見るだけで近づこうとしてこない。


「(……ウィルフかイリスが来い。出来ればウィルフ)」


 一応ムメイの窮地を助けたと言えなくもないが、ここから脱出できない以上助けたとは言えない。


 ウィルフとイリスに呪いに対する手段があるかはわからないが、とりあえず絶対に来て欲しくない相手が来ない事をシスは必死に願った。


 しかし願うだけで願望が叶う程この世界は甘くない。


「何故役立たずの貴様がここにいる」

「第一声がそれかよ」


 フワリと何処からともなく風が吹いた次の瞬間、トクメが目の前に現れた。

 転移魔法でここに来たらしい。


 そのままトクメはムメイを優しく抱き上げると出口へ歩き出した。


「あ、おいっ呪いはもう大丈夫なのか!?」

「……大丈夫、と言うには語弊があるな。この場所は無数の怨念が呪となっている故に解呪してもすぐに新しい呪が発生する。だからムメイがここから出るまで新たな呪が発生しないよう私が抑えているからそれまでなら大丈夫だ」

「あ、お兄ちゃんっ」

「勝手に乗るな、降りろ」

「丁度いい、お前はその姿のまま子供を運べ。いくら私が呪を抑えているとはいえムメイに影響が全くないわけではない。一秒でも早くここから出るべきだ」

「……チッ」


 シスが急に立ち上がった為、ずっともたれていたイヴは咄嗟にしがみつきそのまま背中に跨ってきた。

 当然シスは嫌がったが時間の無駄と悟り、渋々トクメの言葉に従った。


 追いかけていた男達はトクメが何かやらかしたのか、壁に話しかけたり何か叫びながら腕や服をはたいたりと追いかけてくる様子はない。


「なあ、あいつらは何をしているんだ?」

「……少し脳を弄った。奴らは私達ではなく自分の脳内にいる存在しない敵を相手にしているだけだ」


 嫌そうな顔をしながらも質問には答え、そのまま無事に呪いの境界線から出るとムメイは意識を取り戻したのか緩く頭を上げゆっくり周りを見回した。


「……ん……んん?」

「ムメイ!」

「きゃっ」


 それに気づいたシスが急いで人型になり、イヴは脇に抱えて駆け寄った。


「シス。ああ、助けてくれたんだっけ……ありがとう」

「いや……無事で良かった」


 呪いから離れたとはいえまだ回復は出来ていないのかシスに礼だけ言うとムメイはまた目を閉じ眠ってしまったが、先程より顔色は断然良くなっている。


 これなら大丈夫だろうとシスが安堵の息をついた時だった。


「……ほう」


 トクメの冷たい声にビクッとシスは固まった。


 よく考えなくともトクメはムメイの父親だ。


 その父親を無視して娘が他の男に礼を言えば機嫌も悪くなる。


 しかも相手がシスなら尚更。


「…………」


 トクメは話さず足を進めるがその沈黙が怖い。


 元々シスもトクメを嫌っていたが首を切られてからは恐れて距離を取り、ムメイの父親と知ってからはどう対応すべきか悩んでいた。


「……ゼビウスに」

「っ! ああ」


 いきなりゼビウスの名前が出たのでシスは思わず返事をしたが、トクメは話しかけたつもりはないのか視線は前を真っ直ぐ見たまま動かない。

 何となく気恥ずかしく気まずい空気だがシスは必死に耐えた。


「シスは殺すな、傷つけるなと言われたが……攻撃するなとは言われていないな、そういえば」


 声色が変わった。

 殺す気はないのだろうが殺気が凄まじい。


「そういえばっ。この子供はどうするんだ? このままずっと連れて行くわけにもいかないだろう?」


 シスは咄嗟に話題を変えた。

 今話題を変えたところでトクメを誤魔化す事などできないが、イヴをどうするか気になっていたのも確かだった。

 少しでも気をそらしたいというのもあっただろうが。


「……ムメイが助けようとしていたみたいだからこの場から連れ出したがさてどうするか。このまま放ってもよいが、娘が途中で残した仕事を仕上げるのも親の務め。ならば……」

「む、むすめ? お兄ちゃん、お姉ちゃんのお父さんなの?」

「! そうだ、その通りだ。見ての通り私はムメイの父親だ」


 トクメの機嫌が明らかに良くなった。先程までの殺気も完全になくなりシスはこっそり安堵の息をついた。


「お、お父さんが一緒ならお姉ちゃん、大丈夫だね」

「ほほう、お前は歳の割に賢いな。お前の言う通り私がいる限りムメイはもう大丈夫だ、心配する事は何もない。よし、気が変わった。シス、お前はこの子供をこの街の西にある教会まで連れて行ってやれ、あそこは孤児を受け入れるだけでなく教育もしっかりしているからな」

「何で俺なんだよ」

「私は一刻も早くムメイを宿で休ませたい。親が他者より娘を優先するのは当然の事だ。それとも何だ、まさか体調不良の娘をこのまま連れ回せと? もしくはこんな子供を治安がいいとは言いきれない場所に一人で歩かせるつもりか? 常識を疑うぞ」

「お前がそれを言うか?」


 あまり常識などに詳しくない事は自覚しているシスだが、トクメにだけは言われたくない。

 しかし言っている事はまともなだけにどうにも反論しにくい。


「……送ってくる」

「オルトロス、なる? 乗っていい?」

「ならないし乗せない。ほら行くぞ」


 それでも律儀にイヴの手を繋ぐとシスは西にある教会へと向かい、トクメは宿へ向かって再び歩き出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る