逃げるの簡単だけど・・・ハイネさんの言い訳聞いてみよう。

「お気づきになられましたか?タイト様、美麗様こんな狭い部屋で申し訳ございません。美麗さまはもうすぐ出発の時間になりますのでそのままお待ちください」

 ハイネに襲い掛かるが、全く通用していない。どうも、何かの制限されて本来の力が発揮できてないみたいだ・・・。


「ハイネ裏切ったわね!パパに言いつけてやるんだから!!」

 ぎゃぁぎゃぁと叫びながら短い腕をぶんぶんと振り回すが、残念届かない。


「美麗さま少し静かにお願いします」

 そう優しく話すと、ぶつぶつと呪文みたいなのを呟くとそのまま、美麗お姉さまが椅子にすとんと座る。目は虚ろになっている。


「お騒がせしました。タイト様、私は貴方様を東条院家の跡継ぎになっていただきたいと思っております。聡いタイト様ならお判りでしょうが美麗さまでは将来この由緒ある家は到底継げません。なので我らの主になっていただきたい」

 そのまま、膝を付き敬礼をする。


 そう深々と・・・


「え~~~そんな事言われても僕は子供だし、拾われっ子だし・・・それじゃ血が絶えてしまうし・・・お断りします。このまま帰してくれるならこのことは黙っておくからさ、ねっ!もう帰ろうよ」

 そう思いっきり会い今日振りまいて懇願してみる。


「いえいえ、血は絶えることはありません。わたくしは、これでも分家の身であります。わたくしの娘と子を持ち存続していただければ良いかと、ちなみにわたくしの娘は親の目から見てもかわいらしい子であります。タイト様に気に入ってもらえるかと。ほかにも、無能に見せようとか子供だから分からないとかは通用しないので悪しからず」

 なんだか、俺は分かってるんだからね!無駄なあがきしないでね!みたいに言われてもなぁ~。


「でも、美麗お姉さまを見捨てたり蔑ろにするつもりはない。こんな扱いされてはいるけど僕は、今の家族を愛している。その家族に敵意を向けるのならハイネ・・・君は敵だ。第一に、まだ美麗お姉さまは若いし経験も少ないこれから変われると思っている。それは、大人の役目だと思うのだが」

 ここで俺の意思をハイネに告げる。これで手を引いてくれたらお父様に何も言わずこの件はないことにしようと思う。


 何せ、こんなお金持ちたちにはいろいろあるだろうからね。多めに見ようじゃないか。


「仕方ありませんね。早急に美麗さまを護送し海外へ行っていただきます」

 ハイネが内ポケットから人型の紙を出し投げた。


 すると、その紙は人間?になった!マジ凄いんですけど!!何それ?俺も使いたい!!陰陽師なの!!


「さぁ皆さん、美麗様を外の車までお連れして。」

 その人間?人形が正しいのか?


「触るな、触ったらもう許さない。ここは引いてくれ引いてくれたらこのことは黙っているから、どうかな?もうやめようよ」

 いつものエンジェルスマイルを使う。が・・・


「無理ですね。やれ」

 人形どもが、大事な美麗お姉さまに触れようとする。


『バチっ!』

 人形の一体が火花がはじけて人型の紙に戻り燃えている。


「????」

 ハイネは不思議そうに燃えてる紙を見ている。


「触るなと言っただろうが!!殺すぞ!!今のうちに手を引けこれ以上は許さんぞ!!」

 チョット切れそうになるが、少しこらえる・・・


「何なんでしょう?タイト様の能力ですか?」

 ハイネはもっと人形をだし、美麗お姉さまを連れ出そうとした。


『バチバチバチバチ!!!!!!!!!』

 美麗お姉さまに当たらないように人形たちをお燃やす。


「触るなって言っただろうが!!」

 縛られたままだったが結んであったロープを斬り立ち上がる。


「もう許さねえからな!命はないと思えよ」

 俺の大事な家族に手を出す奴は許さないよ。


「ふむ、私も本気を出すしかないですね」

 ハイネはまた新しい紙を出し人形出すのかと思えば五芒星みたいな印からドラゴンみたいな蛇が出てきた。かっけ~!


「これは、紙じゃありませんからね。そんな簡単に燃やせませんよ」


『シャ~~~』

 威嚇してくる。ドラゴンもどき・・・


「もう、後には引けないか・・・。見た目が子供だからって油断したら痛い目に・・・いや、加減もできそうにないな」


 そのまま、ハイネに向かい合い大人と子供のバトルが始まるのであった。






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