誘拐されちゃった。

「ぁうう・・・」

 俺は目を覚ました。けたたましい音がするからゆっくり眠れないよ。


「開けなさい!!裏切者!!!!」

 美麗お姉さまが扉をガンガン叩いてるがビクともしない、いつもならこのくらいのドアは吹っ飛ぶはずなのに。


「美麗お姉さま何してるのですか?」


 イライラした顔でこっちを睨みながら叫ぶ。


「アンタさえ居なければ、こんな事にならなかったのよ!!あんたさえ拾わなければよかった!!!あんたさえ居なければパパも、あんたに夢中にならなかったし・・・家から追い出してもう一度振り返ってもらうんだから!でも、もう無理よ・・・あたしの方が捨てられるのよ」

 大声で泣き出した。


 ??捨てられる??何故に?後継者は一人娘の美麗お姉さまのはず、それはお父様も確定しているし娘の事も溺愛している。元父親だった俺ならわかる、ならば俺はどうすべきか、このまだかまりを解決しなければならない。この道は、千里の道になりそうだけど1歩づつ近づいていくしかない。


「美麗お姉さま落ち着いてください。大丈夫です、ここは僕がどうにかします。死んでも逃がしますから、安心してください」

 この言葉で落ち着いてくれるといいんだけど・・・


「なら私が死ねと言えば死ぬの、ねぇ死んでよ」

 いやいや、しなないよ。身をていしてでもね守ると言うことだからね。


「家無駄死にはしません。美麗お姉さまを守るためならです。大好きなお姉さまを守ることは当たり前です、僕はお姉さまを愛していますから、無事にここを脱出しお父様の元に帰りましょう」

 キリッとした顔で(したつもり)お姉さまを抱きしめようかしたが・・・あれ?椅子に縛られている。


「フン。もしパパの所に帰れたら、今回の事は見直してほんの少し優しくしてあげてもいいわ。その束縛どうにかするのね」


「美麗お姉さまの力で壊せませんか?」


「無理よ。この首輪で力が制御されてるの」


 ふむそうか、このくらいならすぐに切断できるな。


『ガチャ』


 すぐに、手錠を斬ろうかしたら扉が開いたから中断。


「タイト様きつい思いさせてますがしばらくお待ちください」


 そこに、ハイネが現れた。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る