TURN26:タカシ死す
タカシ
HP:800 AC:0 手札:1枚
フィールド:
『沼地の支配者ゲロゲロック』
攻撃力:1500 防御力:1800 素材:0個
『沼地の守護者ゲロゲガード』
攻撃力:1000 防御力:2100 素材:1個
『ジャイアント・ギガ・スライム』
攻撃力:4000 防御力:4000 素材:8個
裏側カード:1枚
ザキダリ
HP:1500 AC:3 手札:1枚
フィールド:
『ドラゴニック・ネクロ・シャーマン』
攻撃力:0 防御力:2400 素材:2個
『ブラックホール・ロータス・ドラゴン』
攻撃力:4000→0 防御力:4000→0 素材:3個
『テンペスト・ストーム・ドラゴン』
攻撃力:4000→0 防御力:4000→0 素材:3個
『タイムウォーク・スパイラル・ドラゴン』
攻撃力:4000→0 防御力:4000→0 素材:3個
『
攻撃力:4000→0 防御力:4000→0 素材:3個
「「グルルルオオオ……」」
束縛された四体の神竜がタカシの目の前に並ぶ…!
「ッ…!カウンターカード『エクストラアクアゲイン』を発動します!」
神の威圧感にひるみながらも、タカシはカード発動を宣言する!
「このカードは相手がエクストラ召喚した時に発動でき、自分フィールドのモンスター1体を墓地に送ります。俺はジャイアント・ギガ・スライムを墓地へ送る!」
「エースモンスターを墓地へ送った!?」
「正気かタカシ!?」
「その後、墓地に送ったモンスターが水タイプのエクストラモンスターだった場合、そのモンスターのエクストラ素材の数×600、俺のHPを回復する!」
「ジャイアント・ギガ・スライムの素材の数は8個…つまり4800回復!」
タカシ HP:800→5600
「エースを墓地へ送ったのには驚いたけど一気にHPを回復したな!」
「これだけHPがあればザキダリが何を出そうとこのターンは凌げるだろうな」
「フ…無駄な足掻きを。ならば見せてやろう!!神の本当の姿を!!」
「神の…」
「本当の姿だと!?」
「ザキダリはデュエルの前に究極の神竜のカードを作ってると言っていた…まさかそいつが来るのか!?」
「………!!」
「我はブラックホール・ロータス・ドラゴン、テンペスト・ストーム・ドラゴン、タイムウォーク・スパイラル・ドラゴン、蒼炎の混沌爆竜の4体でエクストラゾーン展開!!」
「グルオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
束縛が解かれ、雄たけびをあげる四体の神。
「エクストラモンスターを素材にエクストラ召喚だと!?」
「それに4体の神を素材にした!?」
「炎・風・水・闇!四天竜が集いし時、世界は終わりと始まりを迎える。絶対なる神の力で破壊と創造をもたらせ!!」
天へ飛び立つ四体の神。すると世界の時空が歪んでいき、天変地異が巻き起こる。そして時空の爆発と共に究極の神が降臨する…!
「ネオエクストラ召喚!!爆誕せよ!!覇王神竜ボルヴァーク!!!」
「ボルヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!」
空を覆いつくすほどの巨大なドラゴン。雄たけびをあげると、時空を歪ませ、惑星自体を大きく揺るがす!!
『覇王神竜ボルヴァーク』
エクストラ タイプ:神 分類:ドラゴン/ゴッド 攻撃力:7000 防御力:7000
召喚条件:蒼炎の混沌爆竜+ブラックホール・ロータス・ドラゴン+テンペスト・ストーム・ドラゴン+タイムウォーク・スパイラル・ドラゴン
「あ…ああ…」
覇王神竜ボルヴァークの威圧感に思わずしりもちを付いてしまうタカシ。
「で…でけえ…デカすぎる…!!」
「これが…神の真の姿…!?」
「攻撃力7000ってどういうことよ!?」
「ただ攻撃力が高いだけでは無い!覇王神竜ボルヴァークの効果!デウス・エクス・ゼロ!!」
「ボルヴァアアアアアアアア!!!!」
覇王神竜ボルヴァークが雄たけびをあげると…タカシのカードに異変が!
「…!?」
「見ろよ!タカシのカードが!」
「カードの効果が…」
「消えていく…!?」
「神の前では全てが無力!覇王神竜ボルヴァークが存在する限り、あらゆるカードの効果は消滅する!」
「そんな…!」
「じゃあモンスターの効果もカウンターカードも効かないっていうのかよ!?」
「不幸中の幸いなのはジャイアント・ギガ・スライムを先ほど墓地に送ってHPを回復したことだな」
「あ、そっか。効果が無くなったらジャイアント・ギガ・スライムの攻撃力と防御力はゼロ。攻撃されたらやられてたわけか」
「フン、悪運の強いデュエリストだ…あるいは覇王神竜の効果を知っていてエクストラアクアゲインを発動したのか…?まあいい。いずれにせよ我の勝ちは揺るがぬ!覇王神竜ボルヴァークの更なる効果を発動!素材モンスターを1枚墓地へ送り発動。1ターンに一度、このカードのエクストラ素材となっているモンスターの効果を一つ選び、このモンスターの効果として使用する!」
「何だって!?」
「四天竜の効果まで使えるというの!?」
「だがアイツは先ほど『スキルサイレンサー』を発動した。覇王神竜の第一の効果は自動的に発動するタイプだが、第二の効果は宣言して発動するタイプ。よって発動宣言はできないはずだ!」
「言っただろう。神の前では全てが無力だと!既に発動している効果も例外ではない!」
「そんな…!!」
「そして我はタイムウォーク・スパイラル・ドラゴンの効果を選択!タイムレス・スパイラル!」
覇王神竜ボルヴァークの身体が輝き、タイムウォーク・スパイラル・ドラゴンの幻影が現れる。そして周囲の時間を揺るがす!
「そして覇王神竜ボルヴァークで沼地の守護者ゲロゲガードを攻撃!!」
「ゲロゲガードの効果…」
「無駄だ!その効果も既に消滅している!!」
覇王神竜ボルヴァークは天空に向けてブレスを放つ!するとブレスは宇宙を貫き、異空間より巨大な隕石のようなエネルギー弾を飛来させる!!
「森羅万象終焉砲!!」
惑星を揺るがす程の攻撃がゲロゲガードに、その余波がタカシを襲う!
「うぎゃああああああああああ!!!」
「タカシ!!」
覇王神竜ボルヴァーク 攻撃力:7000
沼地の守護者ゲロゲガード 防御力:2100
タカシ HP:5600→700
「我はこれでターンエンド」
「よし!ギリギリ耐えた!まだ逆転のチャンスはある!」
「いや…俺の負けだ…」
「え…?」
「その少年の言う通り。タイムウォーク・スパイラル・ドラゴンの効果。それはこのターンが終わった後にもう一度自分のターンを行う!この効果は2ターン連続では使用できないという制限はあるが…とどめを刺すのには十分だ」
「そんな…!じゃあ…タカシのターンはもう回ってこないっていうのかよ…!?」
「…ああああああああああああん!!!やっぱり死にたくねえよおおおおお!!!!」
タカシが突然座り込んで号泣しだした!
「た、タカシ…?」
「フン、この期に及んで死を恐れて泣き出すとは…情けない男だ」
「うぐうう…最初は前世の記憶を活かしてイージー人生送るつもりだったのによお…前世でアニメを見た時は遊太の事は別にどうとも思ってなかったのによお…ぐずん…遊太は俺の事どう思ってるかは知らねえけど…俺は何度もデュエルしてお前の事友達だって思うようになったし…ずずっ…お前には生きて欲しくなったし…俺もお前みたいなヒーローになりたいって思うようになったんだ…」
「タカシ…」
「だけどよお…俺はお前と違って主人公補正も無い!命がけのデュエルとかはっきり言って怖いし逃げたい!俺みたいな陰キャでオタクでコミュ障なモブはヒーローになるなんて出来なかったんだ…」
「そんなことはないよ!!!」
「…遊太?」
「お前が何を言ってるのか、詳しいことは分からないけど…俺にとってもお前は友達だ!それに怖くたって勇気をもって立ち向かったじゃないか!それに何よりカードのことを大事にしてる。お前は立派なヒーローだよ!!」
「本当に…?」
「ああ!俺はウソをつかない!!」
「…ありがとう。ちょっとは報われたよ。よし…」
泣き止んだタカシは立ち上がる!
「…か、かかってこい!!」
「死ぬ覚悟はできたようだな。行くぞ!再び我のターン!ドロー!」
タカシ
HP:700 AC:0 手札:1枚
フィールド:
『沼地の支配者ゲロゲロック』
攻撃力:1500 防御力:1800 素材:0個
ザキダリ
HP:1500 AC:6 手札:2枚
フィールド:
ドラゴニック・ネクロ・シャーマン』
攻撃力:0 防御力:2400 素材:2個
『覇王神竜ボルヴァーク』
攻撃力:7000 防御力:7000 素材:15個
「素材モンスターを墓地へ送り覇王神竜ボルヴァークの効果発動!我は蒼炎の混沌爆竜の効果を選択!ボルメテオ・バースト・ブレス!!」
蒼炎の混沌爆竜の幻影が現れ、業火でフィールドを焼き尽くす!!
「貴様の手札、そして沼地の支配者ゲロゲロックを破壊!!」
「ゲロゲロック!くっ!!」
タカシ 手札:1→0枚
「これで終わりだ!覇王神竜ボルヴァークでプレイヤーに直接攻撃!!」
「…!遊太!!」
タカシは振り向き、遊太に告げる。
「あとは任せた…!頼んだぜヒーロー…!」
「タカシ…ああ!!」
「森羅万象終焉砲!!」
超巨大な隕石がタカシに襲いかかる!!
「うわああああああああああ!!ぐっ!!!うわあああああ!!!あああッ!!!」
「タカシィィィィ!!!!」
覇王神竜ボルヴァーク 攻撃力:7000
タカシ HP:700→0
「この私を追いつめた時はまさかとは思ったが…やはりこの世界の運命とは無情。選ばれし者のみが勝利できる…その摂理を変えることはできない…!」
周囲を巻き込むほどの巨大な爆風。爆風が止むと同時に遊太はデュエルフィールドへ向かうが…そこにタカシの姿はなかった。
「タカシ…」
「フ、奴も他のデュエリストと同様にカードとなり、覇王神竜ボルヴァークの一部となった。そして更なるデュエルエナジーを吸収した事により、神竜は真の力を手に入れたのだ!!さあ顕現せよ!!」
右手を上げるザキダリ。しかし覇王神竜のカードはデュエルが終わるのと同時に消滅し、カードに戻ってしまう。
「何?デュエルエナジーを吸収し、完全体となったボルヴァークはデュエル時以外でも実体化し、神の力を振るうことができるはず…まさか…あのデュエリストのエナジーがあまりにも少なく、全くの足しにならなかったとでもいうのか…!とんだ無駄足だったな…」
「………」
「我に勝つこともできず、新世界の礎とすらならない。全く…とんだ無駄足だったな。双方にとって何もメリットのないまさに無駄なデュエル。その上命まで落とすとは…所詮オーラを持たないデュエリスト。存在も無駄ということか」
「無駄なんかじゃない!!!」
遊太は大きな声で叫んだ。
「タカシ…お前の頑張りは絶対に無駄にしない!ザキダリ!俺とデュエルしろ!!お前を倒して野望を喰いとめて…タカシのデュエルが無駄じゃないことを証明してやる!!」
「フ、いいだろう。貴様のデュエルエナジーさえ手に入れれば今度こそ神は完成するからな…!」
「遊太!!」
「愛良…大和…!それに春奈も!」
「このデュエルが世界の運命を決めるのね…負けたら許さないんだから!絶対に…勝ってよね…!」
「あの…兄さまと一緒に戦ってくれてありがとうございます。私が今できることは応援するくらいですが…どうか総帥を止めてください…!」
「遊太…認めてやる。貴様は俺の最強のライバルだ。だから勝て。そうしたら…一人のデュエリストとして、お前の相手をしてやる」
愛良と春奈と大和が遊太へ激励を送る。
「皆…ありがとう!行ってくる!!」
デュエルフィールドへ向かう遊太。そんな彼はデッキの一番上に置いたタカシから託されたカードを見つめる。
「タカシ…それにカードにされたデュエリストの皆も…絶対に助け出すからな…!」
遊太とザキダリはデュエルフィールドで向かい合い、デュエルガジェットを構える!
「行くぞ!ザキダリ!!」
「さあ始めようか!本当の最終決戦を!!」
「「デュエル!!」」
遊太とザキダリ、交じり合わない考えを持つ者たちのデュエルが始まる!
「我の先行!ドロー!!」
遊太
HP:4000 AC:0 手札:4枚
ザキダリ
HP:4000 AC:3 手札:5枚
「フッ…やはりこの世界は無情なものだな…」
手札のカードを確認した後、ザキダリは遊太に告げる。
「宣言しよう。このデュエル…貴様のターンは一度も訪れずに終わる!」
「何!?俺のターンは来ないだと!?」
「どういうことだ…?」
「まさか、先行ワンターンキルでもするつもり!?」
「我はダブルマジック『サモンゲート・ゼロ』そして『サモンゲート・インフィニティ』を発動!」
「ダブルマジックだと!?」
「フッ。ダブルマジックは連動する2枚のカードを同時に発動することで、強力な効果を発動できるマジックカード!まずサモンゲート・ゼロの効果で白鱗の海竜を召喚!この召喚ではACおよび進化前は不要となる!」
白き鱗を持つ竜が水しぶきと共に姿を現す!
AC:3→2
『
上級 タイプ:水 分類:ドラゴン 攻撃力:2200 防御力:2700
『サモンゲート・ゼロ』 マジックカード
効果:次に自分がモンスターを召喚する時、支払うACを1減らす。
ダブルマジック:このカードを発動する時に自分の手札の『サモンゲート・インフィニティ』を見せることで、このカードは以下の効果を得る。
・次にモンスターを召喚する時、進化元モンスターがいない場合でも進化モンスターを召喚することができる。
「続いてサモンゲート・インフィニティの効果!サモンゲート・ゼロの効果で召喚したモンスターと同じモンスターを手札から好きなだけ選び召喚する!この効果による召喚も当然、進化元およびACは不要となる!」
「同名カードを好きなだけ!?」
「ということは…まさか!?」
「我は手札の白鱗の海竜2体を更に召喚!!」
白鱗の海竜の鳴き声に共鳴し、さらに2体出現する!
AC:2→1
『白鱗の海竜』 ×2
上級 タイプ:水 分類:ドラゴン 攻撃力:2200 防御力:2700
『サモンゲート・インフィニティ』 マジックカード
効果:なし
ダブルマジック:自分が『サモンゲート・ゼロ』を発動した後にこのカードを発動してもよい。その場合、このカードは以下の効果を得る。
・自分フィールドのモンスターと同名のモンスターを手札から好きなだけ選び、召喚する。この召喚はACを払わずに行うことができ、進化元も不要となる。
「これで奴の場には水タイプの上級ドラゴンが3体…」
「来るよ!遊太!!」
「っ!」
「我は白鱗の海竜3体でエクストラゾーンを展開!!」
白鱗の海竜たちがデュエルガジェットに吸収され…時間の流れが大きく乱れ始める!
「水の流れも…空気の流れも…時間の流れさえも我が手のままに!顕現せよ!水の神を冠する四天竜!タイムウォーク・スパイラル・ドラゴン!!」
大波と共に蒼き神竜が姿を現す!
「グギュグオオオオオオオオオオン!!!」
『タイムウォーク・スパイラル・ドラゴン』
エクストラ タイプ:水 分類:ドラゴン/ゴッド 攻撃力:4000→0 防御力:4000→0
召喚条件:水タイプ・ドラゴン・上級モンスター×3
「先行1ターン目から…」
「神を召喚しやがった…!!」
「これがこの世界の運命だ…!フッフッフ…はっはっはっ!!!」
To be continued…
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