TURN25:神に抗う者

(前回までのあらすじ。カードゲーマーだった前世の記憶を持ったまま、カードアニメの世界のモブキャラに転生してしまった俺、タカシはなんやかんやあってラスボスとデュエルすることになった。そして俺の目の前には…神と呼ばれるドラゴンが立ちはだかる!)

「…ターンもらいます。ドロー!!」


タカシ

HP:1300 AC:3 手札:3枚

フィールド:

『沼地の支配者ゲロゲロック』 素材:残り1個

『沼地の守護者ゲロゲガード』 素材:残り2個

裏側カード:1枚


ザキダリ

HP:1500 AC:2 手札:2枚

フィールド:『蒼炎の混沌爆竜』 素材:残り2個


「何とかHPは残して手札も場のモンスターも残ったけど…」

「ザキダリの場には神のカード。そして奴の場に神を倒せるモンスターはいない」

「がんばれタカシ!!お前ならきっと乗り越えられる!!」


「…リボンゲロゲを召喚」

 リボンを付けた小さなカエルが姿を現す。


AC:3→2

『リボンゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100

効果:このモンスターが場に出た時、自分の墓地にある名前に『ゲロゲ』と付く下級モンスターを1体選び、召喚する。(このターン中にリボンゲロゲの効果を既に使っている場合、この効果は無効となる)


「リボンゲロゲの効果発動。墓地のヨブゲロゲを復活させ、さらにヨブゲロゲの効果発動。ドロゲロゲを召喚して1枚ドロー!」

 リボンゲロゲに呼び寄せられ、さらにカエルモンスターたちがやってくる。


手札:2→3枚

『ヨブゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100

効果:このモンスターが場に出た時、自分の山札にある名前に『ゲロゲ』と付く下級モンスターを1体選び、召喚する。(このターン中にヨブゲロゲの効果を既に使っている場合、この効果は無効となる)


『ドロゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100

効果:このモンスターが場に出た時、場に水タイプの爬虫類モンスターが2体以上いるなら、自分の山札から1枚ドローする。(このターン中にヨブゲロゲの効果を既に使っている場合、この効果は無効となる)


「よし、いつもの大量展開!」

「これで水タイプ爬虫類モンスターが3体…エクストラ召喚はできそうだな」

「でも神のカードに効果は効かない。アイツが使うゲロゲポイズンやウォーターサーファーでも倒せないけど…どうするつもりなの?」


「…!!」

 タカシはドローしたカードを確認して驚いた。

「俺はヨブゲロゲ、リボンゲロゲ、ドロゲロゲの3体でエクストラ!」

 3体のカエルモンスターたちはデュエルガジェットに飛び込む!そして…

「あらゆる力を呑み込んで降臨せよ!ジャイアント・ギガ・スライム!!」

「ウオオオオオオオオオオ!!!」

 タカシのフィールドに巨人型のスライムが姿を現した!

「ジャイアント・ギガ・スライムの攻撃力と防御力は素材にしたモンスターの数×500になります。素材にしたのは3体、よって1500アップします」


『ジャイアント・ギガ・スライム』

エクストラ タイプ:水 分類:アクア 攻撃力:?→1500 防御力:?→1500

召喚条件:水タイプ下級モンスター1体以上

効果:このモンスターの攻撃力・防御力は素材モンスターの数×500となる。このモンスターが破壊される時、素材カードを2枚取り除くことで、破壊を無効にする。


「遊太…あんたの力を貸してくれ!!」

「…え?俺?」

「ウォーターチャレンジャーを召喚!」

 小さな人型の液体モンスターが姿を現す!

「ム…?オーラ無しのデュエリストなのにオーラを持ったカードだと…?」


AC:2→1

『ウォーター・チャレンジャー』

下級 タイプ:水 分類:アクア 攻撃力:0 防御力:0


「あのカードって確か…」

「ああ!俺がタカシに託したカードだ!」


「ウォーターチャレンジャーの効果!自分の場の水タイプエクストラモンスターを1体選び、このカードをそのモンスターのエクストラ素材に加える!素材が増えたことでジャイアント・ギガ・スライムの能力はアップします」

 ウォーターチャレンジャーはジャイアント・ギガ・スライムの中に飛び込む!


ジャイアント・ギガ・スライム

素材:3→4個 攻撃力:1500→2000 防御力:1500→2000


「さらに!自分のデッキの上から4枚を墓地に送り、その中にある水タイプモンスターも全て、エクストラ素材に加える。この効果で引いたカードが水タイプ以外のモンスターだった場合…俺は1枚につき500ダメージを受ける…!」

「なるほどね!ウォーターチャレンジャーの効果で引いたカードが全て水タイプモンスターなら攻撃力は2000アップして4000!」

「神と互角になる訳か…だが4枚ともモンスターである確率はかなり低い」

「いやいける!!タカシ!!俺とキミの絆パワーで引き当てるんだ!!」

「行くぞ…主人公補正お借りしますドロオオオオオ!!!!」

 想いを込めて引いたカードは…!


『チカゲロゲ』『ボムゲロゲ』

『エクスゲロゲ』『トブゲロゲ』


「4枚ともモンスターカードだ!!」

「これでジャイアント・ギガ・スライムの攻撃力は2000アップ!」

「神に並んだ!!」


ジャイアント・ギガ・スライム

素材:4→8個 攻撃力:2000→4000 防御力:2000→4000


「さらにゲロゲロックの効果を発動。対象はマジックカード!」

 ゲロゲロックの騒音がフィールドに鳴り響く!

「続いてゲロゲガードの効果を発動。このターン俺の場の水タイプモンスターは戦闘で破壊されない!」

 ゲロゲガードの水の盾が分身し、他のモンスターたちの目の前にも現れる。

「さらに裏側カードを1枚出します」


沼地の支配者ゲロゲロック 素材:1→0個

沼地の守護者ゲロゲガード 素材:2→1個

AC:1→0

裏側カード:2枚


「バトル入ります。ジャイアント・ギガ・スライムで蒼炎の混沌爆竜を攻撃!」

 ジャイアント・ギガ・スライムを腕を大きく振るって攻撃体勢に入る!

「スライムインパクト!!」

 ジャイアント・ギガ・スライムの巨大な拳と蒼炎の混沌爆竜のブレスが激突!周囲に大爆発を引き起こす!!


ジャイアント・ギガ・スライム 攻撃力:4000

蒼炎の混沌爆竜 防御力:4000


「ジャイアント・ギガ・スライムの攻撃力と蒼炎の混沌爆竜の防御力は互角!」

「だがゲロゲガードの効果によってこのターン、ジャイアント・ギガ・スライムは破壊されない!」

「つまり破壊されるのは…」

「蒼炎の混沌爆竜だけ…!」

 ジャイアント・ギガ・スライムの巨大な拳は蒼炎の混沌爆竜の身体を貫く!

「ブルーフレイム!!バカな…神が敗れた…だと!?」

「これでザキダリのフィールドはがら空きになった!!」

「次の攻撃が通ればアイツの勝ちね!」

「決めろ!タカシ!!!」

「沼地の支配者ゲロゲロックで直接攻撃!!」

 ゲロゲロックがザキダリに迫り…振動する拳で攻撃を仕掛ける!!

「ブルブルフィストォ!!」


沼地の支配者ゲロゲロック 攻撃力:1500

ザキダリ HP:1500


「オーラ無しのデュエリストが我をここまで追い詰めるとは…流石だと褒めてやりたいところだ。だがこの世は弱肉強食…歪んだ摂理は簡単には覆らない!!我は手札のネクロ・ガード・ドラゴンの効果発動!!」

「な!?」

「竜の怨念を力に変え、フィールドに現れよ!」

 ゲロゲロックの前に固い身体で覆われた漆黒のドラゴンが姿を現す!


ザキダリ AC:2→1

『ネクロ・ガード・ドラゴン』

上級 タイプ:闇 分類:ドラゴン 攻撃力:0 防御力:2000


「ネクロ・ガード・ドラゴンは我の残りHPが2000以下の時、相手モンスターから直接攻撃を受ける時に、墓地にドラゴンのエクストラモンスターが2体以上存在する場合、墓地のエクストラモンスター1体をエクストラゾーンに戻すことで手札から効果を発動できるモンスター。進化前カードを経由せずにこのモンスターを召喚できる!!」

(手札誘発…しかもまた凄まじくピンポイントな発動条件を満たしているだと…!?)

「そして新たなモンスターが召喚された事により、攻撃対象はこのモンスターに変更される!」

 ゲロゲロックがネクロ・ガード・ドラゴンを攻撃すると、闇のトゲが背中から発射され、襲いかかる!

「…っ!ゲロゲガードの効果により破壊はされない!」


沼地の支配者ゲロゲロック 攻撃力:1500

ネクロ・ガード・ドラゴン 防御力:2000

タカシ HP:1300→800


「…ネクロ・ガード・ドラゴンの効果により、蒼炎の混沌爆竜はエクストラゾーンに戻させてもらうぞ」

「っ…ターンエンド」

「我のターン!ドロー!!」


タカシ

HP:800 AC:0 手札:1枚

フィールド:

『沼地の支配者ゲロゲロック』 素材:0個

『沼地の守護者ゲロゲガード』 素材:1個

『ジャイアント・ギガ・スライム』 素材:8個

裏側カード:2枚


ザキダリ

HP:1500 AC:4 手札:2枚

フィールド:『ネクロ・ガード・ドラゴン』


「チッ!とどめを刺すことは出来なかったか…!」

「でもゲロゲロックの効果でマジックは封じたし、アイツの場にはエクストラモンスターが3体もいて、しかも裏側カードも2枚もある!」

「このターンさえ乗り越えれば反撃のチャンスは来る!がんばれタカシ!!」

「フ、次のターンなど訪れぬ…!我はタイラント・デス・ドラゴンを召喚!」

 巨大な牙を持つ狂暴な竜が姿を現す!


AC:4→3

『タイラント・デス・ドラゴン』

上級 タイプ:闇 分類:ドラゴン 攻撃力:2000 防御力:0


「また上級モンスターを進化前無しで出してきた!?」

「タイラント・デス・ドラゴンは相手フィールドにエクストラモンスターが3体以上いる場合、進化前を経由せずに召喚できる。ただし、召喚に成功した時、我は山札の上からカードを10枚墓地へ送らなければならない」

「上級のわりには出しやすい代わりにデメリットが重い訳ね…」

「………」

(墓地肥やしはまずい…!)

「我はネクロ・ガード・ドラゴンとタイラント・デス・ドラゴンの2体でエクストラゾーンを展開!!」

 2体の黒きドラゴンがデュエルガジェットに吸収され…

「死霊を操りし魔導竜よ!その禁術で愚者に裁きを下せ!エクストラ召喚!現れろ!ドラゴニック・ネクロ・シャーマン!!」

 身体中に怪しげな呪文が書かれた竜が姿を現した。


『ドラゴニック・ネクロ・シャーマン』

エクストラ タイプ:闇 分類:ドラゴン 攻撃力:0 防御力:2400

召喚条件:闇タイプ・ドラゴン・上級モンスター×2


「ドラゴニック…ネクロ…シャーマン…!」

「ドラゴニック・ネクロ・シャーマンがフィールドに存在する限り、我は墓地の効果を持たないドラゴンモンスターを素材にエクストラ召喚できる!」

「な!?」

「墓地からエクストラ召喚だって!?」

「インチキ効果もいい加減にしなさい!」

「なんとでも言うがいい。我は墓地の黒牙の紅竜ブラックファング・レッド・ドラゴン3体でエクストラゾーンを展開!!」

 地中から黒き牙を持つ紅の竜が現れ、デュエルガジェットに吸収される!

「黒牙の紅竜!?いつの間に墓地へ!?」

「そうか…タイラント・デス・ドラゴンを召喚し、山札のカードを墓地に送った時、黒翼の紅竜3体を墓地に送っていたのかッ…!」

「宇宙の彼方より降臨し、我に無限の力をもたらせ。闇の神を冠する四天竜。ブラックホール・ロータス・ドラゴン!!」

 突如現れたブラックホールの中から漆黒の竜が降臨する!


『ブラックホール・ロータス・ドラゴン』

エクストラ タイプ:闇 分類:ドラゴン/ゴッド 攻撃力:4000→0 防御力:4000→0

召喚条件:闇タイプ・ドラゴン・上級モンスター×3


「………!」

(また神のカードかよ…!)

「春奈に使わせていた闇の神…!」

「でもあいつ…鎖で身体を縛られているわよ?」

「ドラゴニック・ネクロ・シャーマンの効果で召喚したモンスターの攻撃力・防御力は共に0となる」

「いくら神のカードを出したといっても攻撃力ゼロじゃ…」

「いや、神の恐ろしさは高い攻撃力だけじゃない…!」

「その通り。ブラックホール・ロータス・ドラゴンの効果を発動!!」

(…今だ!!)

「カウンターカード『スキルサイレンサー』発動!」

 怪しげな機械が現れ、命令を妨害する。


『スキルサイレンサー』カウンターカード

相手がモンスターの効果を発動する直前に発動できる。このターン、相手はモンスターの効果を発動させることができない。


「ほう、相手プレイヤーがモンスター効果を発動宣言することを妨害するカードか…」

「よし!神にカード効果は通用しなくても、神を操ってるプレイヤー自体を対象にする効果なら通用する!」

「危なかったな…奴にこのまま効果を使われていたら確実に負けていた」

「大和はブラックホールと戦ったのよね。どんな効果を持ってるの?」

「奴は1ターンに一度、素材カードを1枚墓地へ送り、ACを3増やし、さらに3枚ドローする効果を持っている」

「ACを増やす効果!?」

「そんなの使われたらもう1体神を呼ばれかねないわね…」

「フ…大人しくやられていれば痛い目に会わずに済んだものを…ならば続いて我は墓地の金翼の空竜ゴールドウイング・スカイドラゴン3体でエクストラゾーンを展開!!」

 金翼の空竜が地中から現れ、デュエルガジェットに吸収される!

「また墓地からエクストラ召喚だって!?」

(その効果1ターンに一度制限ないのかよー!?)

「その翼は厄災を起こし、その風は更なる破滅を呼び起こす!飛来せよ!風の神を冠する四天竜!テンペスト・ストーム・ドラゴン!!」


『テンペスト・ストーム・ドラゴン』

エクストラ タイプ:風 分類:ドラゴン/ゴッド 攻撃力:4000→0 防御力:4000→0

召喚条件:風タイプ・ドラゴン・上級モンスター×3


「今度はアタシが戦ったテンペスト・ストーム・ドラゴン…!」

「でもスキルサイレンサーの効果で効果の発動は…」

「フン、効果が発動できないことも承知の上でだ。さらに我は墓地の白鱗の海竜ホワイトスケイル・シードラゴン3体でエクストラゾーン展開!」

 白鱗の海竜も地中から現れ、デュエルガジェットに吸収される!


「水の流れも…空気の流れも…時間の流れさえも我が手のままに!顕現せよ!水の神を冠する四天竜!タイムウォーク・スパイラル・ドラゴン!!」


『タイムウォーク・スパイラル・ドラゴン』

エクストラ タイプ:水 分類:ドラゴン/ゴッド 攻撃力:4000→0 防御力:4000→0

召喚条件:水タイプ・ドラゴン・上級モンスター×3


「タイムウォーク・スパイラル・ドラゴン…!」

(ってかさっきのタイラント・デス・ドラゴンの効果で神の召喚に繋がるドラゴン3枚ずつ、合計9枚も必要札を墓地に落としたってことかよ!?いくらラスボス補正ありといえどご都合主義にも程があるだろ…!!)

「そして我は墓地の蒼炎の銀竜ブルーフレイム・シルバードラゴン3体でエクストラゾーン展開!再び我がフィールドに降臨せよ!蒼炎の混沌爆竜!!」


蒼炎の混沌爆竜ブルーフレイム・カオスバースト・ドラゴン

エクストラ タイプ:炎 分類:ドラゴン/ゴッド 攻撃力:4000→0 防御力:4000→0

召喚条件:炎タイプ・ドラゴン・上級モンスター×3


「「グルルルルルルウ……」」

 束縛された四体の神竜がタカシの目の前に並ぶ…!

「攻撃力と防御力はゼロにされてるとはいえ…」

「4体の神が…全て揃った…だと!?」

「さあ!本当の絶望はこれからだ!!!」


To be continued…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る