TURN19:鉱山の決闘再び【後編】
「追撃のガンウルフでプレイヤーに直接攻撃!!」
「があああっ!!」
タカシ HP:2200→1200
「タカシ!!!」
「ぐはははは!!これがわしの復讐の力だ!ターンエンド!!」
「…!!」
「残りHP1200…ギリギリで何とか踏みとどまったけど…」
「場のモンスターは全滅。対する相手はHP満タンで上級モンスターが場にいる状態。これは奴の負けか?」
「それはどうかな?タカシの目を見てみろよ」
「え?」
「あいつはまだ諦めていないぜ」
「………」
(まさかモブキャラのおっさんにここまでしてやられるとは…だが相手の手札は残り1枚。この布陣さえ突破できれば形成は逆転する…!)
「ここが正念場か…ターンもらいます。ドロー!」
タカシ
HP:1200 AC:3 手札:5枚
牛岡
HP:4000 AC:0 手札:1枚
フィールド:マシンガンウルフ 追撃のガンウルフ
「マジックカード『山掘り機』を発動します」
タカシは山札の上から5枚をめくり、カードを確認する。
AC:3→2
『山掘り機』 マジックカード
自分の山札の上から5枚を確認する。その中にあるカウンターカードを2枚まで選び、相手に見せてから裏側で場に出す。選ばなかったカードは墓地に捨てる。
「この2枚を選びます」
タカシは選んだカードを牛岡に見せる。
「『爆流葬』に『スキルキャンセル』…フン、姑息な。カウンターカードは出したばかりのターンは効果を発動できない。貴様がカウンターカードをいくらだそうとこのターンには何の影響も無い!」
「残りのカードは墓地に送ります」
裏側カード:2枚
「手札のトブゲロゲの効果発動。コストなしで召喚します」
パラシュートを装備したカエルが空から現れた。
『トブゲロゲ』
下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100
効果:相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このモンスターはAC無しで召喚できる。(このターン中にトブゲロゲの効果を既に使っている場合、この効果は無効となる)
「トブゲロゲは相手フィールドにのみモンスターがいる場合はコストなしで召喚できるモンスターだな」
「こちらの場をがら空きにされたこの状況を逆に利用した訳か!やるな!」
「続けてリボンゲロゲを召喚。その効果により墓地のヨブゲロゲを召喚。さらにヨブゲロゲの効果でミラゲロゲをデッキから召喚し、ミラゲロゲの効果で手札のミラゲロゲを召喚」
カエル達は仲間を呼び出し、あらゆる場所から次々と現れる!
「何ィ!?さっきのターンにゲロゲロックは倒したというのにまた次から次へとカエルモンスターが…!?」
AC:2→1
『リボンゲロゲ』
下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100
『ヨブゲロゲ』
下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100
『ミラゲロゲ』
下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100
効果:このモンスターが場に出た時、自分の手札にある名前に『ミラゲロゲ』を1体選び、召喚する。(このターン中にミラゲロゲの効果を既に使っている場合、この効果は無効となる)
「よっしゃ!これでタカシの場にはカエルモンスターが5体!」
「1体1体のパワーは弱くても何度でも大量展開してエクストラ召喚に繋げる!」
「奴のデッキの最大の強みが出ているな」
「さらに『天使の豊札』発動。4枚ドローします」
AC:1→0 手札:0→4枚
『天使の豊札』 マジックカード
自分の手札が4枚になるように山札を引く。
(よし、場はこんなもんだろう)
「2体のミラゲロゲでエクストラ召喚。来い!毒沼のゲロゲポイズン!」
2体のカエル達がデュエルガジェットに飛び込み、毒沼より禍々しいカエルが姿を現す!
『毒沼のゲロゲポイズン』
エクストラ タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:1000 防御力:1000
召喚条件:水タイプ爬虫類下級モンスター×2
効果:1ターンに一度、このカードの素材モンスターを一つ捨ててもよい。そうしたなら相手フィールドのモンスターの攻撃力・防御力を1000下げる。
「残りの3体でエクストラ召喚。本日2体目のゲロゲロック!」
「ゲロゲー!!」
『沼地の支配者ゲロゲロック』
エクストラ タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:1500 防御力:1800
召喚条件:水タイプ・爬虫類・下級モンスター×3
「ゲロゲロックの効果発動。対象はマジックで」
ゲロゲロックのギターから爆音が周囲に響き渡る。
「ふん」
「さらにゲロゲポイズンの効果。エクストラ素材を一つ捨て、相手モンスター全員の攻撃・防御を1000下げます」
ゲロゲポイズンの猛毒により、マシンガンウルフたちは衰弱する。
「小癪な…!」
マシンガンウルフ 攻撃力:2700→1700 防御力:1500→500
追撃のガンウルフ 攻撃力:1000→0 防御力:100→0
「バトル入ります。ゲロゲポイズンで追撃のガンウルフを攻撃」
ゲロゲポイズンの口から放たれる毒液でガンウルフは倒される。
「チッ!」
毒沼のゲロゲポイズン 攻撃力:1000
追撃のガンウルフ 防御力:0
牛岡 HP:4000→3000
「ゲロゲロックでマシンガンウルフを攻撃。ブルブルフィスト!!」
ゲロゲロックの拳がマシンガンウルフに炸裂。
「ぐおおおッ!」
沼地の支配者ゲロゲロック 攻撃力:1500
マシンガンウルフ 防御力:500
牛岡 HP:3000→2000
「よし!牛岡のモンスターを全滅させた!」
「だが残りHPは敵の方がまだ多い。油断は出来ん。」
「次のターン、あのおっさんが何を引くかで勝負が決まりそうね…」
「ターンエンドです」
「フン…わしのターン!ドロー!!」
タカシ
HP:1200 AC:0 手札:4枚
フィールド:沼地の支配者ゲロゲロック 毒沼のゲロゲポイズン
裏側カード:2枚
牛岡
HP:2000 AC:3 手札:2枚
(ふ、勝利の女神はワシをまだ見捨てておらん!)
「狙撃のガンウルフを召喚!」
AC:3→2
『狙撃のガンウルフ』
下級 タイプ:地 分類:獣 攻撃力:1000 防御力:100
「その効果で…」
(む?相手の裏側カードは2枚。どっちを打ちぬけばいいのだ…?裏側カードは『爆流葬』と『スキルキャンセル』。内容は分かっておるが…)
「…ワシは右のカードを選択」
「その効果にカウンター発動。『スキルキャンセル』で効果を無効に」
発砲する狙撃のガンウルフであったが、鉄砲の弾が消えてしまい、不発に終わる。
『スキルキャンセル』 カウンターカード
相手がモンスターの効果の発動宣言時に発動できる。その効果を無効にする。さらにそのモンスターの効果は、次のターンの終わりまで効果を発動できない。
「チッ…打ちぬく前に効果を使いよったか…ならば『サルベージモンキー』を召喚!」
クレーンを背につけたサルがフィールドに召喚される。
AC:2→1
『サルベージモンキー』
下級 タイプ:地 分類:獣 攻撃力:500 防御力:500
「爆流葬を発動」
大波が発生し、場のモンスターたちは流されて消滅する。
『爆流葬』 カウンターカード
モンスターが召喚された時に発動できる。互いのフィールドのモンスターを全て破壊する。
「味方のモンスターもろごと破壊しやがった!?」
「結構えぐいことするわねあいつ…」
「だがここで発動したのは正解だ。サルベージモンキーは自身を墓地に送ることで、地タイプの獣モンスターを蘇生する能力を持っている」
「あのサルを止めなきゃマシンガンウルフが復活してやられてたって訳か!」
「そして敵は全ての手札を使い果たした。このターンはもう動くことはできない!」
(『山堀り機』であの2枚を選択したのは正解だったな。マジックカードはゲロゲロックの効果で使えない。カウンターカードは次のターンにならないと発動できない。つまり相手の戦術はモンスターの召喚と、モンスター効果の発動に限られる。厄介な効果を発動してきたら『スキルキャンセル』で止めればいいし、相手の手札が2枚ともモンスターなら、2枚目は『爆流葬』で破壊してしまえばいい)
「ニチャア…」
「まさか…どうあがいても…ワシは積んでいたというのか…た、ターンエンド!」
「ターンもらいます。ドロー!」
タカシ
HP:1200 AC:3 手札:5枚
牛岡
HP:2000 AC:1 手札:0枚
「相手のフィールドは完全にがら空き!」
「このターンで決めろ!タカシ!!」
「ボムゲロゲとチカゲロゲを召喚」
2体のゲロゲモンスターが姿を現した。
AC:3→2→1
『ボムゲロゲ』
下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100
『チカゲロゲ』
下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100
「そしてボムゲロゲとチカゲロゲの2体でエクストラ召喚!ウォータースナイパー!」
液状の身体の弓兵が姿を現す。
『ウォータースナイパー』
エクストラ タイプ:水 分類:アクア 攻撃力:1000 防御力:1000
召喚条件:水タイプモンスター×2
効果:1ターンに一度、このモンスターの素材カードを1枚を捨てて発動できる。相手に500ダメージを与える。
「ボムゲロゲの効果発動。このモンスターがエクストラ召喚の素材になった時、相手プレイヤーに500ダメージを与えます」
牛岡の目の前で小さな水の爆発が起きる。
「うおっ!」
牛岡 HP:2000→1500
「続いてウォータースナイパーの効果。素材モンスターを取り除いて500ダメージで」
水の弓矢が牛岡に襲いかかる。
「ぐ、ぐうう…」
牛岡 HP:1500→1000
「そしてウォータースナイパーで牛岡に直接攻撃!」
二本の水の弓矢が放たれ…牛岡に命中する!
「ぐ、ぐおおおおおおおお!!!」
ウォータースナイパー 攻撃力:1000
牛岡 HP:1000→0
「ふう…思ったより手強かった…」
「やった!タカシの勝ちだ!」
「フン、まあこれくらいは当然だな。さて…」
大和は倒れている牛岡の元へ向かう。
「おい貴様。ダークワールドについて知っていることを話してもらおうか」
「フン!誰が貴様らのような下民のガキに話すか!ワシは上流階級だぞ!?」
「ならば貴様をカードに封印させてもらう」
「ひ、ひえ!分かった!分かった!ワシの知ってること全部話すから!」
と、牛岡が話そうとしたその時であった。
「な、何じゃ…こりゃあ!?」
「牛岡の身体が…カードに封印されていく!?」
「嫌!嫌じゃ!!ワシは上流階級の人間だぞ!?何故こんな目に…ぐああああ!!!」
肉体は消滅し、カードと化してしまう牛岡。そして牛岡のカードは壁の中に吸い込まれていく。
「どういうことなの…?」
「フン、口封じという訳か。奴ららしい卑劣な手だ」
「だけど今のでこの壁の向こうに何かがあるってことは分かったな」
「壁を調べたら何か分かるかしら?」
「うーん…お?」
壁を触って確かめていると、遊太が何かを見つけた。
「くぼみみたいなのがあるぞ?なんだろこれ?」
「このくぼみ…なるほど、そういうことか」
大和はポケットからバッジを取り出し、くぼみにはめる。
「このバッジ…確かダークワールドの奴らが付けてたのだよな?」
「以前ダークワールドの兵士と戦った時、その一人から拝借した」
「アンタ…発信機といいそういうことに随分手馴れてるわね…」
「これも春奈を救うためだ。…む?」
くぼみにバッジをはめると壁が真っ二つに割れて…
「奥に道が…!」
「よし、行くか!」
一同は鉱山の更に奥へと足を進める…
To be continued…
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