悪役令嬢とは

先だって、次はその事について触れてみるとぶち上げた手前、拙い言葉ながら書いてみよう。


筆者…と書くのもそろそろ面倒になって来たので、以降は『私』と表記させて頂く。

ここで性格の一端が分かりきってしまうが、まあ、それもそれ。


少し前に考えたことがある。

例えば自分が悪役令嬢ものを書くとなったら、果たしてどのように書くのだろうかと。

いや、正直に言えば、以前から自身が書いているものは、大半以上がダークファンタジーなので、ある意味では、ざまぁ系や悪役令嬢ものこそは、自分が書いているものとは真逆に近い…ような気がする。

だからこそ考える。


結論として、候補としては2つ出た。


まず先に思い付いたのは、まさに私の性格が反映されていると言われるであろうそれだ。

先に書いておくが、これだけは誤解しないで頂きたい。私個人としては、他の方の書いた悪役令嬢ものをどうこう言うつもりは全くない。

ただ、あくまで、自分が書くとなったら、の、仮の話なので、その辺りは充分にご理解頂きたい。


さて前置きが散々に長くなってしまったが、そのひとつめ。

もう何と言われようと、正直、物足りないのである。

これは本当に、ひとえに性格が見事に反映されているからこそなのだが。


悪役令嬢ものといえば、まず最初に来るのは婚約破棄。そしてそれをヒロインが望んでいるか否かで、その後の展開が変わる。

この場合の私は、ヒロインに感情移入する方なので、相手…、仮に王子としよう。その王子がアホのような言い分で、ヒロインに婚約破棄など宣言しようものなら、その時点で脳内では、『さて、どうしてくれようこの王子』となるわけである。

パターン的に、最終的に王子側にざまぁがもたらされたとしても、そんなもので私が満足するはずもない。報復として、とことんまで囲い、追い詰め、泣きと詫びを入れさせ、土下座させる展開まで行かねば気が済まないのだ。

(この時点で相当危ない人種に見られるらしいが、

自分にとっては今更以外の何物でもないのがまた…)


つまり、私の性格の前では、ぬるい『ざまぁ』や、単純な『悪役令嬢』では、到底物足りないのである。

相手を失墜させ、失脚させ、赤っ恥をかかせ、社交界に出られなくし、ひいては社会的に抹殺する…と、こういうブラックな考えがぽんぽん出てくる辺り、やはり私の書く小説のジャンルは、ダークが性に合っているのだろうと思われる。

そんな私が畑違いとはいえ、悪役令嬢ものなど書いたらどうなるか。

…友人に話したら、『それは鉄槌ではなく拷問だからやめておけ』と、あっさり両断された。

うまいこと言ってくれる。言い得て妙とはこのことか。


そして2つめ。これも、考えそうでいてなかなか考えない盲点かも知れない。

この場合の悪役令嬢イコール転生ものだと仮定すると、さて、何故に当然のように、話す言葉が標準語ばかりなのかと。

小説という媒介の上でだからこそ、分かりやすくするために、そう書くのは分からなくもない。

しかし、ここで多少なりとリアルさを追及するならば、異世界転生する者が必ずしも全員、標準語を喋る人物とは限らないのではないかと。


そう考えた私は、断罪イベントなど、感情が高ぶった時に、方言が出る令嬢が居れば面白いのではないかと思った。

認識不足や読書不足で、既にそういった話が両手両足で数えられないほど出ていれば、とうに既出になってしまう話で申し訳ないが、一時期は本当に、悪役令嬢ならぬ方言令嬢が居れば…

それも、自分のいる都道府県の方言を話す令嬢がいたら、これはそれだけでも興味が先立ち、読み漁ってしまうだろうな、と。


しかしよく考えてみると、当然ながら方言というのは、他の都道府県の人には分かりにくいのもさることながら、何より難しいのは、『意図して使うこと』だ。そこで台詞などを考えてみたりもしたが、やはり中々に難しい。というより、自分の使っている方言となると、何より東北訛りがきついかも知れない…

その時点で浅知恵だと気付く。まあ、そんな話も、あれだけの小説の中に、ひとつくらいあってもいいんじゃないだろうか。


しかし、いつかどちらかはチャレンジしてみたくもある。

前者は、それだけの話の展開が出来るかの力量が問われ、後者は通訳必須状態だから、いずれにせよ相当に大変なことは明白であるが。


…次回あたりでテスト的に、短編中の短編でやってみる、という形でなら少しは書けるかも知れない。

拙いのは百も承知だが、無理のない程度にやってみる価値はありそうだ…



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