【第3幕】阿呆たちの匣
文学探偵は長い沈黙を破ると、残りの時間を考慮してか、解説も省いてテキパキと指示を出し始めた。
奈々菜には、屋敷のどこかに存在するはずの“ある物”を探すように指示を出し、オウガにはその場に残るよう言って、ひとつ耳打ちをする。
文学探偵の言葉に驚きつつも、オウガは言われた通り、阿呆匣からレコードを取り出そうとした。
「オウガ、どういうつもりですか? まさかレコードを取り出す気では……」
黙っていた真百合が上擦った声をあげた。
いくら冷静な彼女と言えども、あまりにも先走った行動は、見過ごすことができなかった。
「暗号に『鎮魂歌が途絶え、毒蛇に噛まるる』とあったでしょう? 途中でレコードを止めたりすれば、腕輪の毒針が……」
「フッ、常に冷静なお前も毒針は怖いらしいな」
冷静さを失った真百合の反応にオウガが笑う。
しかし、阿呆匣を操作する手は止めない。
「文学探偵に言われるまで気付かないとは、我ながら情けない。レコードの音をキレイに流すには手間がいる……このような操作の勝手も分からない奇妙なプレーヤーで、最初から見事な音が流れた時点で疑うべきだった」
阿呆匣の下の板から、先ほど暗号を解いた時と同様に、レコードが飛び出してきた。
しかし『レクイエム』の旋律は止まらない。
「何故、レコードを取り出したのに曲が……」
「『レコードはミスリード。この楽曲はレコードではなく、阿呆匣自体に録音された音なのでしょう。レコードを入れたことがきっかけで、流れ出す仕組みなのです』と、少女が真相を告げる」
文学探偵は紙に先ほど阿呆匣から流れた暗号を書き綴ると、その暗号を見せながら解説を続けた。
「『ただし、レコードは罠であると同時に、ヒントでもあります。五十一の一生と言われて、思い当たる文学作品はありませんか?』と、少女は問いかけた」
「五十一……ごく最近、その数字を聞いたことがあるような」
「先ほど里海が言っていただろう? 芥川の短編『或阿呆の一生』は、五十一の章で構成されているんだ」
「……!? つまり、そのあとの言葉、『四十一の病を奏でよ』とは――」
「『〈或阿呆の一生〉の第四十一章の名は〈病〉。ベートヴェンの楽曲〈運命〉について言及のある章です』と言葉を繋ぎ、少女は胸を張った」
真百合は文学探偵の言葉に違和感を抱きつつも、自身の記憶を頼りにして、暗号について一考する。
阿呆匣から出てきたレコードと、暗号が指し示す章で語られた楽曲。
文学探偵でなくとも、もう答えは導き出せる。
「あとは、今奈々菜が取りに行ってくれている『運命』のレコードを阿呆匣で再生すれば、今度こそ埋蔵金の在り処が分かるのだろう。よく解明してくれた。感謝するぞ、文学探偵」
「『いえ、時間がかかってしまって、申し訳ないです。阿呆匣からレコードを取り出すのはリスクが高いので、他の線も探っていました』と、少女は素直に安堵の表情を見せる」
感謝するオウガと、素直のその言葉を受け止める文学探偵。
まだ付き合いの短いはずの二人だが、そこには互いの信頼が見て取れる。
その様子を見つめ、真百合は寂しげに、自らの手にはめられた腕輪をまじまじと見つめた。
「文学ちゃん、メイドさんたちがレコードを見つけてくれたよ!」
奈々菜がレコード入りと思われる紙のパッケージを手に、部屋へと戻ってきた。
残り時間は5分弱。
何とか間に合いそうだ。
ところが、そのままオウガと文学探偵の元に駆け寄ろうとした、次の瞬間――
ゴツンという鈍い音と共に、奈々菜が床へと倒れ込んだ。
「奈々菜!」
すぐさまオウガが奈々菜の元へと駆け寄る。
奈々菜はコメカミから出血していて、何か鈍器のようなものを投げつけられたことが伺えた。
と同時に、オウガに向かって何かが飛来――
「くっ……!」
オウガが咄嗟に手を伸ばし、飛んできた何かを掴み取る。
それは、持ち手にクマのマークが書かれた金槌であった。
「今の不意打ちをかわすなんて、流石はオウガだクマー」
幼い少女の声が近くから聞こえた。
視線の先で、床に伏していたクマの着ぐるみが、ゆっくりと動き出す。
頭の部分から露出した顔は、オウガのよく知る天真爛漫な笑顔であるものの、その両手に握られているのは、容姿と釣り合わない武骨な金槌。
クマクマ建託の看板娘――八条ハナが禍々しい空気を発しながら立ち上がった。
「ハナ……奈々菜をやったのは貴様か? 一体どういうつもりだ?」
「殺すつもりに決まってるクマー。今まさしく命を狙われたのに、何とも悠長な発言クマねー」
キャッキャと笑って両手の金槌を打ち鳴らすハナ。
普段の無邪気な様子のままなせいで、一層不気味さに感じられる。
「腕輪の毒針は……などと聞くまでもないな。お前は着ぐるみを利用して、腕輪をはめてないことを隠していたワケか。そして小賢しくも、暗号の入力に失敗して毒針を受けたフリをしていたのだな?」
「変にリスクを背負ったり、争いに巻き込まれるのはごめんクマからねー。最初にパパっと戦線離脱して、美味しいところを掻っさらうつもりだったクマー」
ハナは着ぐるみの内側に腕輪をはめる素振りを見せたものの、実際にはめているかどうかは、本人以外確認できない。
その点を利用し、倒れたフリを続けていたのだろう。
「あとは、奈々菜の持ってきたレコードを阿呆匣に入れてボタンを押せば、埋蔵金はハナたちクマクマ建託のものクマねー。オウガ、大人しくレコードを渡すクマ」
「断る。キサマだけには絶対に渡さん」
オウガは奈々菜の手からレコードのパッケージを抜き取り、すぐ後ろにいた真百合へそっと投げ渡す。
「真百合、そのレコードをどうすべきは、もう分かっているな? お前自身の意志で行動をしろ!」
「真百合ー、ハナにそいつを渡すクマ。年長者の言うことは、大人しく聞かなきゃいけないクマよー?」
「もう真百合を苦しめるな。埋蔵金など、均等に分配すればよいだろう。貴様は、その手を血に染めてまで、独り占めしたいのか?」
「独り占めしたいに決まってるクマー♪」
真百合へ近づこうとしたハナの前に、立ち塞がるオウガ。
その側頭部を、ハナは笑顔のまま、ハンマーで殴りつけた。
「ハナが何才からこの格好をしているか、知ってるクマ? 4才の頃からクマよ? この話し方も、見た目も、パパの言いつけを守って、20年間ずーーーっと守ってきたクマ!」
これまでで最も大きく振りかぶられ、オウガのこめかみに向かって、ハンマーが振り抜かれる――。
「お金をがっぽり手に入れて、ハナはハナの人生を取り戻すクマ! 家族だろうと、邪魔する奴は皆殺しクマ!!」
鈍い音と共に血が飛び散り、オウガの巨体を大きく揺らした。
しかし倒れない。
光の宿ったオウガの眼光は、ハナを睨みつけている。
「オウガ、お前の弱点は知っているクマよ? 露出狂のくせに紳士なお前は、女を殴ったりできないクマ。ハナに殴られ放題クマね~」
「あいにく、オレ様は貴様や真百合と違って、曲げられない信念を有しているのでな」
反抗的な言葉を返したオウガに、ハナがハンマーを振るう。
ハンマーを振るう。
ハンマーを振るう。
ハンマーを振るう。
オウガの鍛え上げた胸板が血で染まるまでに、時間はかからなかった。
「頑丈クマね~。ここまでハナのクマクマハンマーに耐えた奴は、初めてクマよ。誇っていいクマ」
「……阿呆、が」
かすれ気味の声でオウガはつぶやき、血まみれの口角をニッとつり上げる。
「その格好がイヤなら、オレ様たちに……相談をすれば、よかったんだ……今からでも、遅く、ないぞ……」
「……うる、さい。口ではどうとでも言えるクマ。本当に困った時に助けてくれるヒトなんて、誰もいないクマ!」
ハナの振るったハンマーに押されるようにして、オウガの身体は床へと沈んでいった。
遂に部屋で立っているのは、文学探偵とハナ、真百合の三人だけ。
「文学探偵とか言ったクマね。目障りだし始末するつもりだったけど、お前のおかげで埋蔵金が手に入るんだし、見逃してあげるクマ」
「『いいのですか? 私は今見たことを全て警察に話しますよ』と、少女は脅すように言った」
「別にいいクマよ? 『十條』グループの問題に口を出すバカなんて、探偵に頼りきりで腑抜けた今の警察に、いるはずないクマ」
文学探偵の言葉に動じることなく、ハナがハンマーを両手に持ったまま、真百合に近寄っていく。
「真百合、オウガが何かグダグダ言っていたけど、お前はジッちゃんの言うことに従っていればいいクマ。さぁ、ハナにそのレコードを渡すんだクマ」
真百合は自分の腕の中の、オウガから投げ渡されたレコードのパッケージへと視線を落とし、無感情な笑みを浮かべた。
「……ハナさんの言う通りでしたね。私は悩んだりせず、何も考えずに、祖父の遺言をまっとうすれば、それでよいのです」
パッケージから取り出され、真百合からハナへと手渡される『運命』のレコード。
あとはもう、阿呆匣でレコードを再生するだけでいい。
室内に、勝利を確信したハナの笑い声が響き渡った。
「クマクマクマ♪ 素直が一番クマ~! 埋蔵金はハナがありがたくもらってあげるクマよ!」
ハナが鼻歌まじりに阿呆匣へと向かっていく。
阿呆箱にたどり着くと、先ほどオウガが操作するのを覗き見ていたのか、迷うことなく河童型のボタンを操作する。
しかし、なかなかレコードの音は鳴り始めない。
「おっと、レコードプレーヤーの部分も、腕輪をしていないと操作できないみたいクマね。仕方ないから、ちゃんとつけて操作するクマ」
着ぐるみの内側へと潜って腕輪を着けたのち、ハナが改めて阿呆箱を操作する。
それからすぐさま、オウガが『レクイエム』を流し始めた際のボタンを、ハナも押した。
どこかでカチリと、聞き覚えのある音が鳴る――
「ダダダダーーーーン♪ 埋蔵金はハナのものだクマーーーーーーー!」
そう叫んだ次の瞬間、ハナは膝から床に崩れ落ちた。
着ぐるみに包まれた自分の腕を見つめ、目を丸くする。
「え……? い、痛い……? ど、ど、どう、して……?」
腕に痛みを覚えたのか、着ぐるみを脱いで腕の状態を確認しようとするハナ。
だが、よほど痛いのか、上手く着ぐるみを脱ぐことができず、痛みで情けない悲鳴をあげてしまう。
「ど、どういうことクマ!? 腕に何かが刺さったクマ!? まさか、まさかこれ――」
「『Magic Flute――Mozart
彼は咄嗟に了解した。十戒を破ったモッツアルトはやはり苦しんだのに違いなかった』」
文学探偵が冷ややかな声で語りつつ、床で苦しむハナへと歩み寄る。
「『〈或阿呆の一生〉第四十一章からの引用です。作中で言及していた楽曲は〈運命〉ではなく、モーツァルトの〈魔笛〉なのですよ』と、少女は哀れなクマさんに真相を述べた」
「な……!? ど、どういうことだクマ!? 何で、そんなウソを!」
「『私の記憶力を舐めないでください。あなたが腕輪をつけていないことも、数字を入力するフリをしていたことも、記憶をたどれば簡単に見抜けましたよ』と、少女が真実を告げる」
「だから文学探偵さんは、有事の際の打開策として、奈々菜にダミーのレコードを用意させていたのでしょう」
ハナが驚いたような顔で、真百合と文学探偵とを見比べた。
文学探偵の発言はまだ分かる。
問題は、何故その文学探偵の狙いを、真百合が汲み取れたのかどうかだ。
「『一条真百合さんに意図が通じるかは、賭けでしたけどね』と言って、少女は作戦にノッてくれた女性へと微笑みかけた」
文学探偵に微笑みかけられた真百合は、その手に持った紙のパッケージから、中に入っていたもう1枚のレコードを取り出してみせる。
中央のラベルはかすれ気味であるものの、ドイツ語で『魔笛』と書かれていた。
「祖父の芥川好きは知っていましたからね。流石に、『運命』ではなく『魔笛』が正しいことは分かりましたよ」
「ど、どうしてハナをハメたんだクマ!? 遺言に従うだけのロボット人間のくせに、お前! お前ーーー!!!」
「そんなの決まっているでしょう?」
初めて無表情を崩し、文学探偵に微苦笑を返した真百合。
その顔は晴れやかで、以前よりもずっと、目が輝いて見える。
「この私、一条真百合が“そう”したかったからですよ。祖父の埋蔵金へとたどり着くのは、あなたではなく、この私です」
真百合は阿呆匣の元まで走って、『運命』の代わりに、『魔笛』のレコードを入れた。
それから阿呆箱を操作しつつ、これまでになく心のこもった声で語る。
「ありがとう……オウガに奈々菜、そして文学探偵さん。皆さんが私を信じて、私の意志に結末を託してくれたおかげで、気づけました」
阿呆匣から『魔笛』の壮大な旋律が流れ出した。
その優雅な音に浸りつつ、真百合が考えるのは、これからの『十條』のこと。
初めて自分の意志を考えてみて、彼女は気付くことができたのだ。
如何に自分が、この円卓のメンバーたちのことを、大切に思っていたのかを。
「『一条家』という名の匣の中に閉じこもっていた私は、誰よりも阿呆です……今日ここから、私と皆さんの手で、歴代最高の『十條』グループを作り上げましょう」
そんな真百合の想いに応えるように、阿呆匣からしわがれた、一条龍我の声が流れ出す――
「『十條』の次世代を担う者たちよ、暗号の解読おめでとう。しかし、残念なお知らせがある。埋蔵金は、とっっっくの昔に使い切っていてなぁ……不確かな埋蔵金などに希望を託していた者たちは、さっさと滅ぶがいい。さらばだ!」
そこで声の再生は終了。
待てども待てども、続きが流れることはない。
「……は?」
思わず、真百合はそんな一言を漏らした。
そしてしばらく放心したのち、自分の腕輪を力づくで剥ぎ取って、思い切り振りかぶった。
「ざっっっけないでよ!!!
ジジイの阿呆ーーーーーー!!!!」
そして豪奢な洋室に、腕輪の砕け散る音と、真百合が産まれて初めて叫んだ祖父への不満が響き渡るのであった。
◆
それから真百合は、真百合の声に驚いて駆けつけてきた暁星・ロイヤル・里海の三人と共に、怪我人たちの治療に奔走することとなった。
今まで通りの冷静な判断の元、今までにない感情のこもった声で指示を出していく真百合。
その一皮剥けた様子に、真百合に反抗的であった暁星もタジタジで、文句ひとつ言わずに従っている。
「真百合……オレ様も、手伝うぞ……」
「オウガは寝ていてください。あなただから生きているだけで、常人なら三回は死んでいますよ、その怪我」
「私は軽症で済んでよかったー……あ、そうだ! ちょうど近くを先輩の家のヘリが飛んでたらしいから、病院まで運んでくれるって!」
顔中包帯だらけのオウガを無理やり寝かせて、使用人たちと協力し、怪我人を運搬する真百合と奈々菜。
「オラ立てよ、ハナ! 治療ができねえから、その着ぐるみ破くっつってんだろうが!」
「ダ、ダメだクマ! この着ぐるみはクマクマ建託の看板そのもの……! この着ぐるみがなきゃ……ハナががんばらなきゃ……クマクマ建託は……」
「会社がヤベーのは俺も一緒だボケ! 埋蔵金がねぇなら、腹ァ括って俺たち全員で何とかするしかねぇだろうが!」
すっかり弱気となったハナの着ぐるみを素手で破きながら、これからの会社経営に燃える暁星。
「大変だったデスけど、今回の一件でみんなの本音が見えましたし、これからはもっと、連携を強められるデース!」
「各グループの負債金額を調べてみたんだけど、『十條』グループ全体で考えれば全然まかなえる範囲だよ。うひひ、面白くなってきたなぁ……僕がみんなを救う、金策の魔術師になってあげるよ」
怪我人たちを手当しつつ、今後の『十條』グループ内での協力関係について語り合うロイヤルと里海。
不思議なもので、埋蔵金の話がウソだと判明した瞬間、円卓のメンバーの心の距離がグッと縮まったように感じる。
それは問題解決のための奥の手が消えたことで、グループ一丸となって問題に立ち向かう以外に、手段がなくなったからかもしれない。
終わってみると真百合には、奇妙な箱ひとつのことでいがみ合っていた自分たちが、馬鹿らしく思えてきた。
「……阿呆匣と、はよく言ったものですね」
もはや見向きもされなくなった箱へと目を向けた。
改めてその箱の中身を見てみると、小さな箱の中で河童たちに人間が囲まれている姿は、小説『河童』のラストそのもの。
人間社会に馴染めず、精神病院の病室に一人隔離された主人公が、友人の河童が代わる代わる来訪してくれるのだという妄想を語るシーンで、『河童』は終わる。
つまり、自分の世界へと閉じこもって、外の世界を拒絶してしまうのだ。
読者からすれば悲劇そのもの。
しかし、本人はとても幸せそうで、ある意味ではハッピーエンドだと言えるかも知れない。
それほどまでに人間社会――人と人との繋がりというものは、心の負担になりえる。
思えば、祖父の言いなりでよかった頃は非常に生きやすかったと、真百合はしみじみと思った。
「そう言えば、文学探偵さんは……」
部屋中を見渡したが、既に文学探偵の姿はない。
どうやら、暗号が解けた時点でこの場を立ち去ったようだ。
文学探偵は依頼主であるオウガたちと関わりを持とうとせず、口調も主観を交えないよう一歩距離を離していた。
まるで意識的に、自らの感情を抑えるように。
「ありがとう……文学探偵。あなたも私のように、自分の感情を素直に吐き出せる相手が見つかることを、祈っているわ」
なぜ、あの幼さで探偵をしているのか。
なぜ、超人的な記憶力を有しているのか。
なぜ、あれだけ感情を抑え込んでいるのか。
真百合には分からない。
ただ、一緒にハナを罠にハメた時に見せてくれた笑顔は、年相応の可愛さが感じられた。
いつか文学探偵が『匣』の外へと踏み出せる日が来ることを、真百合は願わずにはいられないのであった。
――END
文学探偵と阿呆の匣 日本一ソフトウェア @nippon1
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