プロローグ3 《神宮寺那織の独白》
私は実にみにくい人間であります。
それは
ざまぁみろ、とまでは思っていない。そこまで性格
二人が付き合いだした時、私は一晩中泣いた。文字通り、一晩中泣いた。
泣けばすっきりする。
そんなの
落ち着いたと思っても、また
その晩はいつまでもそんな調子だった。明け方、こんなに
そうやって小さな部屋に一人で居ると、自分の姿が余りにも
これはまごまごしていた私への
だからこうして
お姉ちゃんが
だって、お姉ちゃんと言い合いしてる時の
それを知っていた私に、気持ちを伝えるなんてことは出来なかった。
でも言いたかった。伝えたかった。お姉ちゃんじゃなくて、私だけを見て欲しかった。
けれども──そういうことを言ったら、こうして幼い
私たちは
理性と感情の
そうして私は、ある
ありがちなのはテストで一位を取ったら……みたいなヤツだけど、それじゃつまらない。
だって、私が本気で
そんなとき、テレビのクイズ番組を
これだ。運と実力のいいバランスだ。
トップを
でも、そんな
私は
もっと言えば、あれこれ理由をつけて問題を先延ばしにしただけだ。ただの言い訳だ。
つまり、私はただ──
試験結果や
私は、時機を待った。いつまでも落ち込んでなど居られない。
待てば海路の
これが中学三年にあがる前、春休みに起きた最大の事件。
そして、もう一つは高一のゴールデンウィークに起きた。
それは私にとって正に
そう来るか、と思った。何ということだ。向こうからやってきたではないか。
なんとあの
これぞ
お
英語読みならユリーカ! テストに出るので覚えておくように。出ないけどね。
四年生……つまり高校一年のゴールデンウィークに、私は
私だって馬鹿じゃないから、どうしてそんなことになったのか、
だって、そうじゃなきゃおかしいでしょ?
お姉ちゃんと別れたばかりの
付き合ってる二人の間に入る
ぴったり一年で別れる辺りがお姉ちゃんらしい。ほんとに。
余計なお世話だけどね。それこそ、これ以上ないほどに余計なお世話。
まったく、私たち
だけど、そんな事情は横に置いておいて、
順番が回ってきた。開き直ってそう考える。
私はそんなお姉ちゃんの意図に気付かない
ところで私は、どうやら
私は幼い
思い通りになんてなるか、この
私は
私に
その結果、お父さんの
だから言わせてもらおう。
大体、お姉ちゃんと付き合っている時に
それなのに、
説得力の差?
いえいえ
改めて言わせてもらうなら、やっぱり
あ、私の
まぁ、
そうであるが
お姉ちゃんは
どんなコミュニケーションをとっていたんだろう、と。
あの
なんとなく想像は付くけれど、それは想像でしかない。
いつだってお姉ちゃんは私より先を行く。
友達を作るのも、服が小さくなって着られなくなるのも、ブラジャーを着けるのも。
そして、
全部、お姉ちゃんが先を行く。
私はそこに出来上がった道を
でも、
私には私の勝ち方がある。
テストの順位は私のが大分上だし、胸だって今や私の方が大きい。
私には、私のやり方がある。細工は
ペンギン? いやいや。私は飛べなくなんかない。
私は
私の
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