プロローグ2 《白崎純の独白》
僕はこれから、あまり世間に類例がないと思われる僕と
親が家を買ったから
そうしたら、たまたま
言ってしまえば、ただそれだけのこと。確率論とか運命論とか、そういうものを持ち出して語ったとしても、そこに大して意味はない。観測された事実が横たわるのみだ。
なんて格好つけて言ってみても、当時の僕は喜んだなんてもんじゃなかった。ちょっとクールぶって、悪くないなんて自分を
その
そんな二人が僕に
女子と仲良くしていると、小学校低学年のうちはまだ
それでも二人がいつも
今でこそ、
二人が明確に
だが、
それを思い知ったのは、出会ってから
その日も僕は、本で得た知識を得意気に語っていた。進化とかそういう話だった。
「
こいつはいったいなんだ、と思った。
本の知識も、
僕は
あの
そんなある日、どういう人がタイプなのか
それを聞いて、
理想のタイプになるためと言うより、僕の中では
当時は勉強の
もし自分のことを
今なら分かる。これは僕の
当時の僕は、それを
僕は別に
そうやって
そんなある日、男友達から「
気になる? それはどういう意味だ? 気になるを
その質問に僕は「いない」と答えた。
本当か?
ん? だったら僕は、どういう意味で
もしかして、僕は
小学六年生の夏のことである。
かくして僕は、
しかし、観測された
ただ、
これはただの意地だ。
当の
この質問に対する
「んー、目指してないことはないけど、今は自分にルールを課してるの。あのね、私は絶対に見直しをしないの。入試の時からずっとそう。それで、
──マジかよ。
僕は思わずそう口にした。そんなこと、考えたことも無かった。
「もうちょっと時間かけて……と言うか見直しすれば一位は取れると思ってる。あとは問題文をちゃんと読むとか、ね。でもさぁ、結果の分かり切った勝負はつまらないじゃん。別に宣戦布告するつもりはない──おっと布告すべき公衆がいないから、宣戦布告は適当な表現じゃないね──って言いたいのはそこじゃなくて、うん、つまるところ学年主席だとしても油断は禁物だよってこと。あ、もしかして私に勝ったと思ってた?」
……なんだよそれ。僕はずっと手の平の上で
そんなやり方で、学年五位以内をキープし続けることが出来るのは、
「ま、この学年には私より
信じていたものが
自分の方が上だと思っていたのに、ようやく
それが意味するのは、僕は「私より優秀な人」にはなれなかったということ。
告白なんて出来なかった。気持ちを伝えることなんて、とても出来なかった。
負けを認めるのは、
こうして僕の
それなのにこのゴールデンウィークから僕は、
一ヶ月前までは
この事実だけを述べると、僕はとんでもなく不誠実
中学三年に上がる前の春休み、
それは
僕なりに敗北感を味わい、
つまり、
女子から告白されたのは初めてじゃなかった。手元を
そうしたら、
真意を
「
少し間をおいて、
僕らは、その日から
今にして思えば、敗北感に
なんてああだこうだ言っても、単純に彼女が出来たということが
そんな訳で付き合い始めた僕らは、
そうやって季節が移ろう中で、僕は
物事を余計に考えすぎてしまう僕とは対照的に、
それに何度助けられた──救われたかわからない。
だから僕なりに、
そうやって少しずつ変わっていく僕に対して、「それ、お姉ちゃんの
それもそのはず、僕と
そもそも、
とは言え、そこは中学生。親は別として、彼女の存在を
何も考えずに、その言葉を額面通りに受け取るくらい、僕は
どうして
僕は
告白された時と同じように、僕は春休みの夜、
もちろんそんなことを言われても
だけど
別れるなんて考えられなかった。もう
だって、
『最後にお願いがあるの。彼女としての、これが最後のお願い。
そして、
それは
僕はその
こうして僕は、
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