恋は双子で割り切れない
高村資本/電撃文庫・電撃の新文芸
プロローグ1 《神宮寺琉実の独白》
わたしの大きな
小学生の
初めて
切れ長の目で、でも目付きが悪い感じじゃなくて、鼻筋も通っていて、ちょっと生意気そうな
性格も見た目通り落ち着いていて、何かあっても
わたしはどちらかと言えば活発なタイプだったから、余計に
子どもの
そんなわけで、
でもさぁ。
やっぱり、小学生の女の子に対して、何の照れもなく
「
それは、わたしと
わたしには
でも、両親と
わたしたちは
そんな外見と同様、わたしたちは性格も似ていなかった。子どもの
そして……
しかも、
そしていつの
そんな小学生時代を経て、今では
それはともかく、そんなわけで、
だけど、好みは似ていた。と言うか、子どもの頃は
好きなお
そんな感じで、小さい
そして、好きな人も。
けれど、わたしたちは
わたしはと言えば、中学生になって、思春期が始まって、
それが
わたしだって、
わたしが部活にのめり込んでいる間、二人がどうしていたか知らない。
だから、わたしは──
二年生にあがって、
でも、同じクラスになって、教室でも話すようになって、やっぱり
そして休み時間、
ああ、
断られてもいい。ほんの少しでもわたしのことを意識して欲しい。
いつしかそう考えるようになっていた。
わたしは
三年生になる前の春休みの夜、
照れや
メッセージを送る時は、やばいくらい
なんてウブで
何も知らない
その
家を出ると、めんどくさいなぁという顔を張り付けた
そういう顔が似合うんだよね、また。困ったことに。
コンビニまで何を話したか、どこを歩いたか思い出せないほど、わたしは
帰り道、「久しぶりにあの公園寄ろうよ」と
この思い出の公園こそが、告白の場に
それなのに……
わたしは
というか、
そう、わたしが言い出せずにいた一番の理由──
小学校の五年とかそれくらいの
それでも言うって決めたでしょ!
何度自分を奮い立たせたかわからない。
そう決めても、断られたらって考えるとどうしようもなく
ああ、わたしに告白してきた男の子たちは、こんな気持ちだったんだなんて
ダメだ。弱気になるな。やれる。わたしはやれる。
……ここで言わなきゃ
言える。うん、
人生で一番
なんてカッコつけても、
「いきなりどうしたんだよ」
ずっと好きだったって言いたかった。
わたしには言えなかった。
マジになるのが
「四月から三年生だしさ、高校に上がる前にそういうの経験してみたいじゃん。うちらは受験も無いし、ちょうどよくない? 周りでも
付き合おうと言った同じ口で、お
「ほら、
ダメだ。わたしはもうダメだ。ちょー情けない。自分で言ってて悲しくなってくる。
もちろんそう言ったからって、
ううん、思うじゃないね。
「わかった。いいよ」
あれは人生で一番
だって、だって──わたしの
家に
罪悪感──そして、
部屋に
お似合いのカップルだと思った。自分で言うのもアレだけど、運動が好きで明るい女子と学年トップの
でも、そんなことを言う必要なんて無くなった。
だって、
わたしだけの
キスをする時にわたしの頭を支える、細長い指。
そういう時、
だからわたしは、いつしか
最初は気をつかって
あの子はいつもの調子で相手をしてくれていたけど、今考えるとわたしは最低だった。
罪悪感を
わたしは悪い姉だ。
わたしは、姉失格だ。
だから。
こんな
わたしは
そうして、
自分の
わたしの
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