人間関係雑記帳

 こんなこと誰にも言えない。傷は癒えない。韻を踏んでる場合じゃないんだけどね。

 例えばAくんの悪口はAくんの前では言えない。それは当たり前だしみんなそう思ってると思うしそう考えてると思う。じゃあAくんの悪口をBくんに言っていいのかどうか。BくんがAくんとつながりがないのならいいのかもしれない。その場合BくんがAくんにあの人があなたの悪口言ってたよって言うことはないと思う。でもつながりがないと思っているのは自分だけで実際はあずかり知らぬところで関係があったとしたらどうだろうか。そんなことが起きないとは限らない。

 じゃあ明らかに知り合いでないと思われる人に言えばいい。だってたまに毒を吐きたくなるときがあるでしょう? そんなときに言える相手。たとえば職場の上司の理不尽な指示の話とかはネットの人に言う。ソシャゲのフレンドとかね。恋人の愚痴とかもSNSで垂れ流し。誰も私のことなんて知らない。


 そう思ってたのも束の間。恋人の友達にきみってキャロットさん? って言われたときは冗談抜きで腰を抜かしそうになった。なんて答えていいか分からなくなって海図マリチャはやってないですよって百パー黒みたいな返事をしてしまった。もちろんマリンチャート、通称マリチャは長谷川さん改めゆうゆうと私がフレンドになってチームを組んでいるゲームである。

 だから六次の隔たりなんていう突飛に思えることを言いだした世界の誰かのことを見直したし同時に追い詰められた気がした。そういえば人間関係について言えば、よく一緒に居る五人の平均を取ったような存在に人はなっているという説があったっけ。誰が言ったかはこっちも覚えていないけれど、じゃあ自分が変わったから交友関係が変わったってのはニワトリが先か卵が先かみたいなものなんだろうか。まあ考えたってしかたない。それにいつも一緒にいる五人なんて申し訳ないけど思い浮かばない。

 ストレス発散って言葉があるけど―—なんか話が脱線してる? 違うよ発散してるの。まあいいじゃん、聞いてよ。これも人間関係についての話なんだから―—あれってストレス移譲だよね。だって友達が私に八つ当たりしたら相手はすっきりするだろうけど私の気分は最悪になる。そうなると私は家に帰って母親に当たったりする。母は機嫌を損ねてお父さんのスープの飲み方について文句を言ったりする。これは悪循環以外にも言える。甲さんが乙さんを頼って、乙さんが丙さんを頼って、丙さんが丁さんを頼ったら丁さんは誰を頼るんだろう。そんな丁さんに頼ってもらえる人になりたいなって思えたからここでしまいにしようかしら。おやすみ。

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