白野って誰だっけ

なあ、今、白野がどうしてるか知ってる? 既読2


知らないけど、お前は知ってんの?


私も知らない~


僕は知らないよ


じゃあみんな知らないのか 既読2


っていうかそもそも白野って誰だっけ


真田くん、誰は酷いよ


だって思い出せないんだもん


佐々木は覚えてんのかよ


私も覚えてないけど、、、


溝口くんは覚えてるでしょ


まあ覚えてはいる近況を知らないだけで 既読2


どんなやつだっけ


白野は中3当時、身長168cm、体重59kg。 既読2


クラスで男女含めて6番目に背が高かった。 既読2


視力は両目ともDでいつもふちが茶色でレンズが四角い眼鏡を掛けてた。 既読2


あのブランドを取り扱ってるのは国道沿いのチェーン店だけだから家から割と遠いお店で購入していたことになるね。 既読2


彼は3年生でも風紀委員だった。委員長からの信頼も厚くいつも大事な仕事は任されていた。でも、本当はあんまり乗り気じゃなくて担当の先生に愚痴をこぼしていた。それを先生がやんわりと委員長に告げると、白野は進んで僕の仕事を手伝ってくれるんですよ。前も僕が憧れって言ってましたしと返り討ちにあった。 既読2


好きな食べ物は目玉焼きの乗ったハンバーグ。子どもっぽいと本人は隠したがっているけれど、小学校低学年のときから白野はずっと好き。嫌いなものはしいたけ。あのぐにゅぐにゅした食感が嫌らしい。あと甘い味付けの人参。これも歯ごたえがなくて柔らかい。それに彼は甘党というよりは辛党だから、この好みも理解できる。 既読2


「多分」が口癖でいつも弱気な感じだった。授業で指名されるときはもちろん多分とどこかで言う。俺と話していても大体最後は多分と言って保険をかけている。自分に自信が無いのだろうか。 既読2


それでいて、心理学みたいな話題には強くて、聞くと色々と解説してくれた。何とか理論とか何とか効果とか何とかの法則とか何とかの実験とかたくさんの用語を白野は使いこなしていて、そういった用語一つひとつも噛み砕いて説明してくれた。 既読2


さらに白野は心理学と関係する分野に関しては医学的な知識も持ち合わせてた。科学の発展により脳科学研究が進みいそがしくなっているのだという。 既読2


中でも特に虚言癖については詳しかった気がする。つまり自覚なく嘘をついてしまう病気、というか症状のことだ。 既読2


なんであんなに虚言癖について詳しかったは分からないけど。だって脳科学と心理学にまたがる現象はたくさんあるだろうに。 既読2


虚言癖がまるですごい身近みたいな口ぶりだった。家族とか友達とかに虚言癖を持っている人がいるんだろうか。 既読2


でも、それ以上、事情を訊いても教えてくれなかった。 既読2


なんで白野は虚言癖について詳しかったんだろ? 既読2


分かる?

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