お願いだから
いっつも君はさびしいって言ってるよね。僕は知ってるんだ。君がいつもさびしいってことを。多分、本当に君はさびしいんだと思う。僕には君の周りには人がたくさん居て、さびしさなんて感じないんじゃないかって思えるけど、おそらくそうじゃないんだろうね。もし僕が君の立場ならさびしくないだろうとも思うんだけど、そういう話じゃないんだと思う。暇なときは「ねぇねぇ」と話しかけたり、スタンプを使ったりして誰かとおしゃべりをしたり、コミュニケーションをとったりして君は心の虚を埋めている。本当に君は満たされていそうに僕には見える。でも、僕には一つ心配なことがある。
君はいっつも人にさびしいって言ってる。でも、それはまだそんなにさびしくないときなんじゃないか、と僕は思うんだ。本当にさびしいとき君は遠慮しちゃうんじゃないか。いつもみんなにはさびしいって言ってるし、こんな重いこと言えないや。いつもは軽いノリみたいなところもあるけど。そう君は思ってるんじゃないかって僕は思うんだ。だから、だから本当にさみしくてどうしようもないときは僕を頼ってくれないかな。そうしたら僕はどうしたんだろう、いつもは僕なんかに連絡してこないのにって思うから。何か重大なことがあるんじゃないかって気づくから。だからさ、お願いだからさびしいときは僕の名前を思い出して、僕を思い出してさびしいって言ってくれないかな。文字にするのが大変だったら、通話をタップするだけでもいいから。
夜だろうと深夜だろうと早朝だろうと僕は出るよ。だからいつでも掛けてきてほしい。賭けてもいい。僕は絶対出るから。通知に君の名前が浮かんでたら絶対に出るから。何があっても出るから。だからクスリや自傷に走らないでほしい。いや、なんかそれは違う。こんなことをしないでほしい、なんてのは僕のエゴだ。僕に君の人生を縛る権利なんてない。別に君が何をしてようと僕は君を責めることはしないから。だから、こんなことをしたから怒られる、だから連絡しないでおこう、なんて思わないでほしい。お願いだから何かあったら、話したいことがあるんだったら、僕でいいんなら連絡してほしい。ね、分かってくれたかな。いつも君はそうやって理解したポーズをして、実際は聞き分けがいいだけで、肝心なときに僕を頼らずに解決しようとする。人に頼ることは恥ずべきことじゃないんだよ。寧ろ、なんで自分を頼ってくれなかったんだって周りの人を後悔に陥れることの方が恥ずべきことだよ。
だから、君にはその冷たい石の下で恥じてもらわなきゃいけない。今の僕には花を差し替えることしかできないんだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます