茉莉、玲奈、咲、梓乃を紹介するね
この子たちを紹介するね。私がメイクしたの。かわいいでしょ。私もかわいいと思うの。このきれいなまつ毛。ほんのりとしたチーク。この子の名前は茉莉。かわいいでしょ。長めの黒髪と少し尖ったあごがチャームポイントなの。こっちの子はボブ、茶髪。玲奈ちゃん。瞳が青くてきれい。その横の子は咲ちゃん。ツインテールがかわいいでしょ。おでこを出してて聡明そうなのもいいよね。こっちのおかっぱの子は梓乃。フチなしの眼鏡が似合ってるでしょ。私が選んであげたの。
全員、私と同じ部屋で寝起きしてるの。すっごく幸せな気分。いつもみんなにおやすみって言って、朝、起きたらおはようって言うの。でも、私は朝ご飯を食べるけどみんなは食べないの。私は食べてほしいんだけど、お母さんがご飯あげちゃいけないっていうから、いっつもみんなが見てる中で一人で食べてるの。お母さん料理上手だから本当にみんなに食べてほしいんだけど。そうだ、私が大人になったらみんなにお料理つくってあげよ。それならお母さんもとやかく言わないと思うし。
あとね、お母さんこの子たちは学校に行く必要もないって言うの。意地悪だと思わない?みんなもお勉強したり、クラスメイトと遊んだりおしゃべりしたいと私は思うんだけどね。いつも私とばっかりしゃべってても退屈だと思う。でも、その分、私が学校であったこととか、クラスメイトのみんなとしゃべったこととかを教えてあげるの。いっぱい、いっぱい教えてあげるの。それにね、クラスのみんなにも茉莉ちゃん、玲奈ちゃん、咲ちゃん、梓乃ちゃんの話をしてるの。こうすれば学校に行けたときに最初からお友達になれるでしょ。
私は学校から帰ってきて、茉莉ちゃん、玲奈ちゃん、咲ちゃん、梓乃ちゃんとおしゃべりして、おやつ食べて宿題したらお風呂に入るの。もちろん、お母さんおやつも許してくれないからみんなの前で一人ぼっちで食べるんだけど。それに、お風呂もねお母さん一緒に入らせてくれないの。私がお風呂に入るのは体をきれいにするためなんだから、みんなも入った方がいいと思うし、入りたいと思うんだけど、入んなくていいわってお母さんが譲らないの。だから仕方なく、4人にはごめんねって言ってさっと入ってすぐ上がるようにしてるの。
こうやってこの子が私たちに茉莉、玲奈、咲、梓乃の4人のことを紹介しているとき、4人は本棚の一番上から仲良く横に並んで私たちを見下ろしている。この子たちの髪が伸びることはない。
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