第4話山菜と言えば!

 山菜と言えば、中学卒業まで過ごした月山の麓でのことを、既に60年も経ってしまったが、思い出して語ってみたい。

 地理的言うと南に月山、湯殿山が有り西北に羽黒山が有るが、羽黒山までは小学生でも歩いて行ける距離で言うと7キロ位だが、一部は山道で二時間は要したものだ。


 千葉に移住し知ったのだが、この地域の人は奥州参りと言って、男子40台になった頃に、団体で旅行をするのだそうだ。

 そう言われて見れば千葉の神社のあちこちに出羽三山の石碑が有るのだ。


 羽黒山から登って月山、湯殿山と回るが、月山8合目までバスで行き、バスは湯殿山まで先回りして待って居ると言う事らしい。

 これは山岳信仰に名を借りた、日頃の作業や家族の目を気にしない一つの別の楽しみも有ったのだろう。


 さて、本題の山菜だが、ワラビ、ぜんまいの外にもありとあらゆる山菜が有ったが、家の周りにも季節によってそれなりの山菜が有った。

 当時の民家の屋根は茅葺屋根で、冬の雪囲いにも茅は必要で、近くの山を村の茅山にしていた。

 この茅山に雪が消えた頃に、小さな木などで無いように野焼するが、その後で芽を出すワラビ、ゼンマイ、ウルイ、コゴメ等を採取したものだ。

 なにせ3メートルを超す豪雪地帯でも有ったのだ。

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