【セカイ】篇

1st:回線(short×short ver.)

 私は電話をかける。

 このセカイ世界にはもういない君に。


「よぉ。悪いな、さっきは出られなくて」

「良かった。出撃まだなんだね」

「もうすぐだよ。そっちは」

「君の三回忌が済んだとこ。君の友達も来てるよ。ほんとに仲良しだったんだね」

「あいつか。君からお礼言っといてくれ」

「分かった。今回も危ないの?」

「安全な任務なんてないさ。でも、必ず帰ってくる。君の墓参りにも行きたいしな」

「同じ命日なんてやだよ」

「今もある意味そうだろ」

「それもそっか。・・・ねぇ」

「うん?」

「あの時事故にあったのが、私か君かってだけでこんなに未来が変わるなんてね。もしかして私。何か凄い存在なんじゃない?」

「凄いねぇ。なら今何やってるんだ?防衛大臣か?」

「いいえ。しがないサラリー」

「平和で何より。じゃあ、行ってくる」

「うん。気をつけてね」


 僕は電話を切った。

 この世界セカイにはもういない君からのを。

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