第19話 道化

 ある国の街中に馬車がやってきた。

 そして、明日の夜に外の森でサーカスをやる事を宣伝していった。

 大人たちは不気味に思うが、子どもたちはこっそり行ってみることにした。

 次の日の夕方。森に入っていくの子どもたち。

 薄暗い森の奥にあったのは真っ赤なテント。

 怪物の口のような入り口の前には道化師が立っていた。

 道化師に案内されたテントの中は、とても暗くて小さなかがり火があるだけ。

 内装はとてもいびつであちこちに毛が生えている。

 客席に子どもたちが座ると、道化師の合図で闇夜の宴の始まった。

 舞台の上で舞い踊る異形のかいぶつたち。

 悲鳴をあげながらも、心から楽しむ子どもたち。

 宴は終わる頃には、外はもう深い闇に覆われていた。

 子どもたちは、街の灯を頼りに森を進んでゆく。それを見送る道化師。

 子どもたちは、どう親にばれずに帰るか頭を悩ませていた。

 その人数がになっていることに気付く子は、誰もいなかった。

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