第7話 全てを知る男の脳内無意識領域自動手記より

大いなる船出が待たされていると、僕の兄の妻の伯父にあたる赤の他人が、狂いだすかのような演説を演出しながら狸のような仕草で戦地を練り歩いてる。金と愛と欲望と回覧板が行きかう死体の参列が、空から降り注ぐ鉛の容器を美しく賛美していた。風と風邪の概念が入れ替わるほどのとりとめのない事実の横行が人と蜥蜴の笑いを誘う中で、あなたと共に見出せた夕食の香りがトラウマを呼び覚ます。包丁かナイフかの些細な違いが過ちを回避するように、押されないボタンがこの世にどれほどあっても世界は変わることなく喉を乾かしている。黒と白の傲慢がやがて世界の罪になるのを待ちながら、黄色い民の勘違いした偏見は愚かさを加速させ、それが土台の幸せにいつの間にか値札がつけられた。モノクロの惨劇が金を召喚するただの光明になり下がるのはもはや変えがたい事実であり虚偽であった方が都合も良く、義に悩む者は偽善の仮面を溶接され、ただただ無様であっていつづけるしかない。シャボン玉の憂鬱を理解することに恐怖があることを誰かが知り、誰もが知らないというのに、自動販売機を壊すことで手に入る財産に満たされるものの矛盾が世界の論理を悩ませる。あいにくのこされているのは澄んだ水のような想いであり、その名を持った鏡に人が向かい合うことは死につながることを潜在的に理解することこそ、罪の意識といえるのかもしれず、もしかしてもしかするとしたならば、あるいはありうることなのかもしれないという漠然とする不安と確信の中間地点で中立を保つことこそが、何かを導くものと考えてしまう。役立たずの行進がまたもや更新と上書きを繰り返し許容量を超えての一斉削除にもう誰もが傲慢さと恥じらいを隠せない。もしも、という例え話が真実になるメカニズムを解明しない限り、宇宙の肥大は人間の欲望の深さをも超越した新しい感動と呆れをもたらしかねない。ズボンのファスナーの解放に気がつくがごとくこの世界の馬鹿らしさを見つけ出すことができれば、全ての探求に災害級の祝福と罵声を浴びせ、原液のアルコールを振りまいての宴を催す準備が映画スタッフの喰いぶちになりかねない。嘘の醸す嘔吐物のような嫌悪感と過食症患者の抱く快感の天秤はどちらに傾かは神ですら知らない方がいいことを嘆き神であることを後悔しかねないだろう。どのみち残された寿命にしがみつく滑稽さを回避するのならさらなる滑稽なカモフラージュに人生と愛を注ぐしかない。意味があるか意味がないかの意味の無い話し合いがホテルのスイートルームで行われるのを明日死ぬ確率が9割を超す者たちは興味も持たずに今をやり過ごし未来をねつ造することに意欲を注いでいる。帰り道を忘れていることに忘却を重ねながらの長い旅路の果てに行きつく先は夢か地獄で天国の保証は契約書のない口約束ですらないのに、信じるものの後の絶たなさに爆笑を我慢する28億4761万4996人の顔が方眼用紙のマス目ごとに群がり果て、ゴミか良くて虫ほどの価値しかないことを暴露し続けている。覆面をつけるという卑屈で賢いやり方を罪悪から拒否する矛盾を抱えた群体に値札をつけることを心から望む黒い心がシノギを削る昨今にて、女王蜂に求愛する身の程知らずがごとく、馬鹿の看板がモノの価値を9割以下にまで下降させ、侵略すべき必要性を下げることがこの世界を守る皮肉な力となっている。

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