十一月、瞳を見て
いつもの体育館がまるで様変わりしている。重々しい黒のカーテンが引かれ、電灯は消され、光という光は侵す場所を失っているようだ。その闇はどこか宇宙を連想させた。
その陰影がステージの概観を捉える。シルエットが四つ。そのシルエットの一つは私もよく知る人物だ。しっかし周りと比べて見ると、本当に痩せてるなあ。バンドの一員としてこのステージに立つことは教えてもらったが、立ち位置までは教えてもらっていない。それでも分かるのだから相当だ。
暗転したフロアは静まりかえっている。ただ永久を感じさせる静けさではない。何か些細な拍子で暴発しそうな、嵐の前の静けさともいうべき雰囲気が熟成されつつあった。
うわあ、胃がキリキリしてきた。こんなに大人数を前に何かをするという経験は私にはない。けれど親友である筒井雛乃が所属する吹奏楽部の定期演奏会に行くようになってから、こういう親しい人の大一番にばかり緊張するようになってしまった。仕方のないことだとは思うが、私は他人を心配しすぎるきらいがあるようだ。
今日は文化祭。うちの高校の文化祭は二日に渡って行われ、今日はその一日目。
午後は知り合いがいるバンドがライブパフォーマンスするということを教えてもらったので、義理は果たそうと思い、体育館にやって来ていた。
ちなみに知り合いとは後輩。その要素が尚更私をひやひやさせるのだ。通常は頼りなさそうだから。誘ってきたのは彼なので、自信があるという見方もできるかもしれないが、とにかく不安の方が勝る。
そんな私を尻目に、雛乃は呑気にあくびなんかしている。興味がない訳ではなかろうが、ステージ上の彼と関係性が深い訳でもないので、その分気楽でいられるのだ。
その時、前方でパッと明かりが点つく。シルエットが実像になる。それをはっきりと認識する前に、巨大なアンプから甲高い楽器の音が鳴り響く。
あ、知ってる。このイントロは雛乃がよくカラオケで歌う曲のそれだ。雛乃もピンと来たらしく
「へぇ」
と嘆息している。私もそれに似た感想を抱くが、同時に疑問も覚えた。彼自身はパンク・ロックが好きだと言っていた。しかしこの曲は王道なロックに聴こえる。なぜ一発目がこの選曲なのだろうと思った。
まあ、なんと思おうが、全部素人目の意見だ。詳しい彼に言わせてみれば、これもパンク・ロックなのかもしれないし、そもそもジャンルなんて本当は気にしていないのかもしれない。
ならどう考えても野暮だし、彼らの本意でもなかろう。私、というか観客に与えられているのは、彼らのしたいことを一緒になって楽しむ権利だけだ。それに疑問なら後で訊けばいい。そのくらいには仲良いでしょ。
始めはステージと距離を取っていた生徒たちだが、一曲目が終わる頃には彼らの立つステージに密着と言えるくらいに接近していた。それだけではなく、スタンディングオベーションでリズムに乗っている。ライブハウスのようだ、行ったことないけど。
既に熱狂と言える空気を更に盛り上げるため、バンドの面々は二曲目で魅みせのパフォーマンスをしたり、コールの要求をしたりしている。
「元気だねぇ」
「そうだね」
「涼ちゃんもあの輪に加わったら?」
「ノリ方が分からない」
雛乃はクスクスと笑いながら、水を向けてくる。私たちは少し遠い所からその光景を見守っていた。他にもこうしている人がそこそこいる。
ああいう「陽キャ」とか「パリピ」とか言われる人たちの空気感にあまりついていけない。特殊な訓練を受けているとしか思えないのだ。だからこうしていた。
「ノリ方が分かるなら、入るんだねぇ」
「ま、まあ、仮にも可愛い後輩ですから」
「涼はたまに残虐だよね……」
「え?」
バンドとオーディエンスから放たれる轟音でよく聞こえなかった。雛乃がげんなりした様子で、ため息を吐いたことだけは分かった。
まあいい。私には私の楽しみ方がある。なんてことはない、じっくり傾聴し、この景色を目に焼きつけることだ。音楽は分からないが、彼が奏でる音はなんとなく分かる。彼が本気でこの場を楽しんでいることも。
彼の持つベースが唸りを上げる。一般的には縁の下の力持ち的な存在のベースだが、テクニックさえあれば、主役ように音を響かせることもできる。……彼からの受け売りの言葉。他の三人に負けず劣らずの音をかき鳴らす今日のパフォーマンスは、まさしくそれを体現していた。
ぽうっと体の芯が暖かくなった気がした。夢現のようにふわふわした気持ちになる。なんだろう、これは。今まで味わったことのない感覚だ。
そんな熱さと共に、ある思いが急に沸き立つ。沸騰したそれは私にはどうにも止められず、ぽろっと口に出していた。
「……やっぱり私もあの輪に入ろうかな」
「お、ホントに?」
「う、うん。頑張ってみる。不安だから雛乃も来てくれる?」
「涼ちゃんのお願いなら喜んで」
私たちも熱狂の集団の最後列に混じることにする。ステージはちょうど四曲目に差し掛かりつつあった。
見よう見まねでそのノリに合わせる。羞恥心はとりあえず捨てよう。内側に沸き立つこの思いさえあれば、この空間でもきっと楽しめるはず。冷静になったらダメだ、ぬるくなってしまう。
コールを要求されれば、その通りにする。良いと感じたところでは歓声を上げる。ビートに合わせて、大きく腕を振る。曲が終われば、拍手を鳴らす。
あ、思ったより楽しいな。
その瞬間、ステージ上の彼と目が合った気がした。光をそのまんま写した彼の瞳に引き込まれそうになる。
いや、やっぱ勘違いかもしれない。彼が顔を自然と動かしてたら、自分の瞳とかち合っただけだ、……たぶん。同時そうだと言える確証もないけれど、そうに違いないよ。
目が合ったことは勘違いかもしれないこと、もし勘違いじゃなかったらのことを考えると、頭がぐちゃぐちゃになりそうだ。本心が口を衝つく。
「なんだか恥ずかしいね」
「そう? あたしはめっちゃ楽しいけど」
雛乃は首を傾げている。上手く意図が伝わらなかったみたいだ。この感覚が分かりそうなのは、きっと私だけだからいいけど。
スポットライトが目まぐるしくステージの色彩を変える。機材は学校購入のはずなので、大した代物ではなかろう。にも関わらず、この演出。担当した生徒の練度を感じる。
そこら中で振られているサイリウム。直前で色を示し合わした訳でもなかろうに、同色の光がフロアを照らし、不思議な一体感が生まれていた。
それに呼応するように彼らは会場のボルテージを上げていく。ライトが暖色系やパステルカラーを混ぜて、激しく点滅する際には、ボーカルは熱く声を張り上げ、逆にゆったりとした寒色系の光が自分たちに当たっている時は、情緒たっぷりに歌い上げる。八面六臂。そんな言葉が思い浮かぶ。
いや、もしかしたら光の方がバンドに呼応して、色を変えているのかもしれない。それくらい彼らのパフォーマンスには周りを巻き込むような、力強さを感じさせた。
なるほど、ライブと言ったものには今日まで足を運んだことがなかったが、これは中々にいいものだ。
自分の内部にある血という血が沸き上がる感覚。十一月、既に肌寒い季節のはずだが、体は汗ばみ、髪はしっとりと濡れていた。
その音を聴いているだけで熱く燃え上がりそうになる。ここにいる観客全員が少なからず感じていたことだろう。
そうさせているのは間違いなく彼らだ。この小さな宇宙を完全に支配していた。
そして彼は、その光の中心にいた。
*
「あ、先輩」
「よう、後輩。お疲れ様」
あの歓声溢れる空間から一転、閑静な図書室で休憩していた所、さっきまでスポットライトの中心にいた人物がやって来る。
檜木爽太。先ほど言った私の後輩だ。図書委員の方のね。今は「あざまっす」と軽く会釈をしている。
いつもはきっちり学ランを着込み、実直そうな風貌ふうぼうをしているが、今日はオレンジのTシャツにジーンズ。この文化祭期間だけは、学校が指定する以外の格好をすることも許されている。そのためいわゆるクラスTのようなTシャツを着ている人も多い。
まあ、彼が着ているのが何のTシャツかは知らないけど。彼の場合、バンドTという線もありえるか。
「一人っすか」
「そうだけど、何?」
「宇治川先生は?」
「ここにはいないけど、何?」
どうしてそんなに宇治川先生を気にするのだ。宇治川先生と檜木くんの繋がりは図書委員会しか浮かばないのだが、何か他に用事でもあるのだろうか。
ちなみに宇治川先生は私も見つけていない。司書室にもいなかったので、校内をふらふらしているか、そもそも休みかのどっちか。校内にいるなら、一緒に文化祭を見て回りたいなあ。
まあ、図書館司書の先生が文化祭で何かする姿は想像できないので、普通に休みだと推測している。……無念だ。本当に無念だ。
「いやあ、別に」
周りをキョロキョロしながら、曖昧な笑み。彼が少しなよっとしているのはいつものことだが、あんなにカッコいい姿を見せつけられてからのこれでは少し幻滅したというか、感動を返してくれという気になる。
ていうか質問に答えてないよね、これ。
「文化祭っていう学生なら誰でも浮き足立つイベントで、ボッチなのをいじってるの?」
「いじってないですし、何でそんな卑屈なんすか。先輩、普通に友達いるじゃないですか」
「君が嬉々として、一人であることを訊いてくるからだよ」
一応言うなら、先ほどまで一緒にいた雛乃は吹奏楽部の方へ行ってしまった。吹奏楽部のパフォーマンスは明日なのだが、ミーティングやら楽器の運搬やらで前日から集まりがあるらしい。
手持ち無沙汰になった私は他の友達を見つけ、合流しようとも思ったが、こういう時に限って、中々出くわさないものだ。仕方なくこの図書室に漂着した次第。
檜木くんは忙しなく顔を触っている。何もついていないけど、どうしたのだろう。
「そんなに顔に出てました?」
「……それを君が認めたら、私がショックを受けるけど」
「ああ、すんません! 出てたら、その、少し困るので」
「嬉々としてはジョークだよ」
あっさりネタバラシ。それに対して彼は嬉々とした笑顔を見せる。こういう単純さは彼の長所だと思う。
「というかバンドの仲間とは、一緒にいなくても大丈夫なの? こういうのってライブ後に打ち上げがあったりするもんじゃない?」
「行きますよ、たぶん。文化祭の二日目が終わった後に」
「翌日なのね」
「当日は演奏もして、疲れてますし」
「それもそっか」
あれだけ周りにエネルギーを振り撒いたのだ。疲れて当然。本来エネルギーを受け取った側である私まで疲れているのは不思議だけど。
「先輩はここで休憩ですか?」
「まあね~。午前中は色々歩き回ったし、疲れた」
前述の理由により、雛乃が文化祭を堪能できる唯一の時間だったのだ。そのため行きたい所にあちこち連れていかれた。もちろん楽しいのだが、疲れるのもまた確か。更にはライブに積極的に参加したのも効いている。
目の前の机にぬべーっと身を投げ出す。檜木くんはくくっ、と可笑しそうに喉を鳴らす。
「委員長が一番ここを休憩室として有効活用してますね」
この文化祭期間、図書室は自由に休憩できる場所として開放されている。かなり広い空間なので、それなりに需要があると考えてのことだ。……というのが建前。
「そうかもしんない。本当はここで何か企画したかったけどねぇ」
「そうなんすか? 言ってくれたら手伝ったのに」
「手伝えないでしょ。忙しいから」
「僕は手伝いましたよ」
何かそう言える根拠でもあるのか、やけに確信めいた言葉を口にする。頼もしい言葉だが、そうじゃない。
「君だけの話じゃないよ、皆の話。図書委員って部活してる人も多いから、どうしてもそっちを優先したいでしょ」
「うーん、それは何とも言えないっすね」
檜木くんは言葉を濁すが、言外に肯定したようなものだ。結果的に軽音部の方を一生懸命やってたから、強く言えないのだろう。
多忙な図書委員会と言えど、所詮はただの委員会。当たり前だが、部活に入りながらの活動も認められている。文化祭は自分が目立てる絶好の機会だ。そんなチャンスを地味な裏仕事で浪費したくはないだろう。
更に言うなら、十月に全国読書週間、読書の秋にかこつけて、図書館で様々なイベントを行った。その時はそれなりに人員を割き、もうこれ以上の召集は反発がありそうだったので、文化祭の企画は諦めたという背景もある。
まあ、文化祭は毎年図書委員会、お茶を濁しているようだし、これでもいいだろう。むしろ広大な図書室を休憩室として開放するという、人的、金銭コストが全くかからず、かつ活動している風を装える案を出した私を褒めてほしいくらいだ。
「あの、聞きたかったんですけど、ライブどうでした?」
話の谷間で檜木くんがおずおずと訊いてくる。今まで世間話ばかりだったが、口振りから察するにこれが本題か。正直に伝えてあげよう。
「良かったよ。凄いエネルギーを感じた」
ぐっーとガッツポーズを両手で掲げながら、檜木くんは伸びをする。「よっしゃー」と小さく声を上げる。
「檜木くんはベースだよね?」
「そうっす」
「うん、カッコ良かった」
「……そうストレートに言われると照れますね」
頭をポリポリと掻かく後輩。この程度で恥ずかしがってもらっては困る。今日は訊きたいこと、褒めちぎってあげたいことがたくさんあるんだから。
とりあえず。檜木くんを質問責めにする。ライブ中に抱いた疑問である披露した何曲かはどうしてパンク・ロックっぽくない王道なロックっぽい曲だったのかとか、あの幻想的な光の演出は自分たちで考えたのかとか、どのくらい練習したら、あんなにいい演奏になるのかとか、とにかく思いついたことを口にする。
押し寄せる褒め言葉に時々恥ずかしそうにしながらも、彼は真摯にそれらの質問に答えてくれる。たまに熱く饒舌になるが、ライブ終わりで気持ちの昂りが抑えられないといった感じだ。その様子は見ていて、とても微笑ましい。
一通り語り終わった時、ふと思い出したというように彼が言葉を発する。
「そういえば先輩、ノってましたね」
「……見えてた?」
変な汗が吹き出る。おかしいな、もうすっかり秋だし、ライブも終わってるんだけどな。
「ステージに立ったら分かりますけど、観客の姿ってよく見えるんですよねぇ。……そういえば先輩の友達もいましたね。ええっと名前なんだったかな」
ふふんと自信ありげに言い放つが、全然良くない。あの姿をじっくり見られるなんて恥ずかしさの極みだ。それに檜木くんの言葉が意味するのは、ライブ中目が合った可能性がより濃厚になったということ。あれは勘違いじゃなかったのかも。
まあ、今日は楽しかったから、ギリギリ自分を許せそうだ。フフ、と幸せな笑い声が自然と浮き出る。
彼もそうやって笑っていた。楽しい時間っていうのは連鎖するものなんだな。その瞬間はそう思い込んでいた。しかし突然、彼は笑顔を真面目そうな顔に早変わりさせる。
「実は大事な話があって来ました」
おや、ライブの感想は本題ではなかったのか。なら何が大事な話と考えた瞬間、確信めいた答えが浮かんできてしまう。
「あっ」
小さく声が漏れる。幸い檜木くんには気づかれなかったみたいだ。分かってしまった、この雰囲気は勘違いじゃなければ、告白されるやつだ。
逃げ出したくなる。こういうの、私、苦手なんだ。小説とかドラマで見ても、落ち着かないのだ。腰をあげかけるが、「大事な話がある」と先手を打たれてしまっている。ここで去るのは、あまりに不誠実のように思えた。
彼が真っ直ぐ私を見つめる。余計に逃げられない。さっきまでフロアの輝きを写し、魅力的だった瞳が今は恐ろしい。
太ももと太ももをぎゅっと強く付け合わせる。私はただ待つしかなかった。勘違いであってほしいと願いながら。
「あの岸辺先輩っ」
びくっと震える。威勢のある言い方だったが、それに驚いた訳じゃない。次にその言葉が来るのは分かっていた。更に次の言葉も、次の次の言葉も既に分かっている。
もう言わなくていいよ。傷つきたくないでしょう。
「岸辺先輩の頼りがいのある性格、アンニュイな雰囲気、そして、時折見せる優しい笑みに惹かれてしまいました。だから、その……」
目を見返す。さっきのようにはつき合わなかった。彼も勇み足で周りが見えていないのだ。恋は盲目とは言うが、目の前さえも全く見えないとは。
けれど彼は何かの拍子で私の目を見る。驚いた顔をしていた。何をそんなに驚くことがあるのだろう。ただ心なしか言葉もそれに引っ張られ、いつの間にか威勢をなくしていた。
「好きです」
「…………それで?」
「付き合ってください……」
メインディッシュともいえる告白の言葉は、最後には尻すぼみになっていった。ギラギラと輝きを湛えていた目は、いつも通り優しさを帯びた目に。どこか頼りない彼に逆戻りだ。
浅く息を吸う。本当は深呼吸をしたかったが、上手く空気を吸えなかった。何か言葉を返さないといけないという義務感だけが私に呼吸をさせていた。
「ごめん、今はそういうの無理だから。本当にごめんなさい」
ペコリと丁重に頭を下げる。ここで立ち去っていいものなのか、よく分からなかった。告白なんて、されたことないし。
でもここで去らないと、むしろ取り返しがつかないことになりそうで。言葉を紡げば紡ぐほど、ぼろが出そうな恐怖感があった。別れの挨拶もそこそこに図書室を飛び出した。
彼の顔は見ていない。というか見れなかった。
また逃げてしまった。去る日の夕立を思い出していた。あの時たとえ涙を零しても、全て雨が流し去ってくれただろう。今は涙が出ているのに、自分の袖で拭き取るしかない。
泣くなよ、私。辛いのは私じゃないでしょ。悪いのは私でしょ。
彼に恋できる要素を持ち合わせていない私が駄目なんだ。どんな甘言を投げ掛けられても、首を縦に振れない私が駄目なんだ。駄目なのは私で、彼は勇気を出した。私には告白なんて大層なことはできない。
だから檜木くん、落ち込まないで。そう強く願うしかない。こんなこと言われても嬉しくなんかなく、欲しい言葉はもっと別にあるんだろうけど。もちろん私も分かっている。でもそれだけは言えない。それを言うことは大嘘を吐くことだ。
こんな時でも宇治川先生の顔が思い浮かぶ。次の瞬間にはこんな私を見て、彼女はどうしてくれただろうだなんて、酷い妄想が浮かんできてしまう。
叶わぬ想いだなんてとっくに分かっているのに。諦めてしまった方が楽しい青春を送れるに違いないのに。宇治川先生から私は離れることができない。何も否定されていないけど、常に未練が付きまとっている。
普通に男性に、……いや檜木くんに強く惹かれれば良かったのになぁ。
どうして私の興味の行き先は宇治川先生に向いてしまったのだろう。今はそればかり後悔していた。
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