ゆらぎ
街の浅い場所で
また春を迎えること
亡霊みたく移ろいで
透明にたたずむ
生活は
わたしの所作で紡がれる
花の名前を
おぼえることも
生活の一片である
ことばにできないものを
記憶にかえていくことで
生命をしる
春の根が届かない
深くてくらい空間で
痛みを知る
生活は
わたしのいのちで紡がれる
あなたの名前を
わすれることも
一片のいとしさである
幾度も 春に
胸の冱つようなさびしさを感じ
それにも ようやく
慣れてきたけれど
石の枕にたおれながら
今日も春を看取るのは
ただのゆらぎさ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます