カメラ
写真はいつも
生活のゆらぎ
シャッターを切り
きみはわたしの横顔を笑う
四月 桜はすこし散って
あまりものの花びらがけなげ
写真は
たまに見返すくらいがいい
と、きみははにかみ
遠い太田川のせせらぎに耳を澄ます
あまい生活の音がする
そしてそれはゆらぎ
春という魔法である
音は線をえがく
ゆるい呼吸をしながら生活に満ちる
外気はきみのためにあるのだと
なんとなく思う
気まぐれのように わたしたちは
たまに歩きだす
広島の四月は冷える
そしてきみはわたしの後姿を追い
なんとなくカメラを構える
そんなたぐいの
恋をしている
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